魔法の万年筆

 

07/06/05 PARCO劇場 
07/06/16 シアタードラマシティ

やってきました。吾郎ちゃんの1年ぶりの舞台。
PARCOの席は3列目で、すごく近いのだけど、前3列がフラットで、ちょうど真ん前に座ったひとの座高の高いこと高いこと。おかげで、左右に首をふりふり見ることになってしまいました。
大阪は9列目中央。ちょうどいい感じでした。

オ-プニングで踊ってる人が、誰かわからず、2回目で、パイロットを確認。女性たちも主要キャストだったのね。

<パーカー、魔法の万年筆とカノジョを得る>
パーカーは口のうまい小説家。
今日はサンドイッチを持ってウォーターマンと一緒にデパートのエレベーターで屋上に上がってきます。
小説が書けないのはいい万年筆がないからだと言い張るパーカー。自分に投資したら将来裕福な生活が保障されるということを、ペラペラ良くしゃべる。
パーカーの口車に乗せられてきたウォーターマンは今日こそだまされないぞと誓うけど、デパートの万年筆売り場に下りてきて、結局5ドルを貸す羽目に。

吾郎さまの生声はテレビで聞く声よりちょっとかすれ気味。立ち姿はとても大きく見えます。太ったというんじゃなくて(それもあるかもしれないけど)、風格が漂ってきた感じがします。
サンドイッチはニセモノですが、指をペロッとなめます。これは毎回ちゃんとやってるそうです。

万年筆売り場の女性に、いろいろ見せてもらうパーカー。90ドルの万年筆が5ドルにならないかって、それは無理。
小説がかけないのはいい万年筆がないからだと力説するけど、売り場の女性はペンじゃなくても鉛筆でも書けるでしょ、と。
かけないのは才能がないせいだと言うのか、と怒るパーカー。だけど、そんなこと自分でわかってるんです。弱気になって泣いちゃいます。
きっかけが欲しいだけ。新しい服にしたら、髪型を変えたら、何か変わるとか
人はいろんなことにこだわりがあるんです。「髪型はこれにこだわりがあります。」(笑)
僕にとっては万年筆がこだわりなんです。
売り場の女性が薦めてくれたのは5ドルの万年筆。試し書きすると、とてもしっくりくる万年筆がありました。
いろいろ試し書きしていると、会話もはずみ、その女性をナンパ成功(笑)?!

<パーカー、カノジョを捨てる>
それから書いた小説が大当たり。次々とベストセラーとなり賞をもらったり、大成功。高級アパート(?)に引越しする準備中、ウォーターマンが来ます。
あれから付き合い始めたデルタに、昨日プロポーズしてOKの返事をもらったばかり。パーカーは嬉しくて、「ボク、ぴょんぴょん跳ねちゃうよ!ぴょ〜ん!ぴょ〜ん!ぴょ〜ん!・・・」
「こういうことに慣れてないからはしゃぎ方が不自然なんだ。」(笑)
そして、歌います。「♪ボクのハートは〜・・・ってミュージカルじゃないから歌わないけど。」(笑)
デルタが来て、チャイムがなります。玄関にぴょ〜ん、ぴょ〜ん、ぴょ〜ん飛んでいくパーカー。

『ぴょんぴょん』のくだりは本当にお疲れ様。ぎこちないと言うほどぎこちなくはないです。結構高く飛べてるし(笑)。

プライドをうまくくすぐって、調子に乗ったらびしっと叱ってやるのがパーカー操縦術だとウォーターマンに言うデルタ。「面倒くさいのよ〜でもそこがかわいいんだけどねー。」とても幸せそうです。
デルタが出かけると、ウォーターマンが言い出したことは。

セーラという7つ年上の女性とお見合いしてくれと。彼女はアメリカの大小説家のモンブランの娘。
もし結婚したら、すごい未来が開けるのだと聞いて、お見合いだけでもしてみることにしたのでした。
そしたら、今の今からが約束の時間で、そこに訪ねてくるモンブランと、娘のセーラと息子のパイロット。

小説を書いてるものの才能のない長男のパイロットの座る椅子は、サルの置物。とがったところっがケツに刺さるんです。もうそのパイロットが気になって気になって。
毎回これやってんのね、河原さん、すごいなーえらいなー(笑)。変態だなー(笑)。

元から口はうまいパーカーだもの、女性との会話はお手の物。
変わりばんこにメモに言葉を書いて、おしゃれな会話をして盛り上がるパーカーとセーラ。
あれよあれよという間に結婚が決まってしまいます。

<パーカー、結婚する>
パーカーとセーラの結婚式の日、ウォーターマンは会場の教会でスピーチの練習に余念がなかったのですが、なんとそこにデルタが!
何も知らないデルタは、結婚式の7日前に牧師さんにベールと手袋にお祈りしていただくためにその教会に来ていたのです。
焦るウォーターマン。パーカーのやつ!何も言ってないなんて!
パーカーは将来を考えて義理の兄になるパイロットを手なずけるのに夢中。
ウォーターマンがパーカーをとがめると、デルタに他の女と結婚するなんて言えるわけないと答えるパーカー。忙しくて明日言おう言おうと思ってるうちに今日になってしまったと。
後は頼む、と行ってしまって残されたウォーターマンのところにデルタが戻ってくるけども、結局デルタに何も言えなかったウォーターマン。
そこに花嫁さんが来てしまいました。小説家の妻になる者どおし、会話が弾みます。その小説家が同一人物だとはつゆ知らず。
そして、ついにパーカーがデルタの目の前に。
「式に出るんだ。」って言うと、ウォーターマンに咎められるけど「ウソは言ってない。」確かに。
でもここは観念して一気にまくしたてます。「君とは結婚できない!僕が悪い!」
呆然としているデルタを残し、結婚式へ。

<パーカー、万年筆を失くす>
ブルーグレーの質の良さそうなジャケットのパーカー。
モンブランは既に2年前に亡くなって、パーカーがこの家の主になっています。
父の遺言はあらゆるものをパーカーに相続させるというものだったので、セーラはその内容に納得できてない様子。夫より兄のほうが大事なんですね。
スピリチュアルミーティングで父をよみがえらせて遺言の真意を聞こうとしているのです。
パーカーは大事な万年筆をなくしてしまって、小説が書けない、ダダをこねて、この際どこかにバカンスに行くと言いだします。
でも実は編集者のペリカーノと浮気旅行だったんです。すごいなー。金持ち生活に胡坐をかいて、すっかりだらけきってるパーカー。

クマさんとウシさんの置物で遊ぶってのは。ちょっと紙一重なパーカーさん。
ペリカーノの肉感的な感じが気になる私。この人(三鴨絵里子さん)の声のツヤが好きです。下宿人のときも共演されてましたっけ。

亡くなった父を蘇らせるためのスピリチュアル儀式を行うセーラとパイロット。
セーラのはじけっぷりが素敵です。2人で怪しい儀式をしていると本当にパパが出現!
死者を蘇らせるための死者の粉?をケチって安いのを使ったから、蘇ったパパは『ヒョットコ!ヒョットコ!』って変なしゃっくりをする霊でした。
パパの回りには不思議なベールがあるようで近づこうとしてもぼよよよ〜んってはね返されます。
モンブランがすべてをパーカーに譲るという遺言を書いたのは、あまりにも息子のパイロットがふがいないので、腹が立ってそんな遺言を書いたのでした。
でも息子を愛してる父は、遺言を書き換えようとしたその前に不慮の事故で死んでしまったんです。
でももう1通遺言があって、パイロットの書く小説が3作連続でベストセラーになったときはこの限りではない、つまりパーカーに譲ると書いてあるすべてをパイロットに譲る、という遺言があると父は言うのでした。
変なパパの霊が帰っていったあと、自分がパーカーの万年筆を預かったまま持っていたことに気づくパイロット。これって、本当に魔法の万年筆?

<パーカー、バカンスから帰る>
ペリカーノが自分をぐちゃぐちゃにするのが素敵。奥さんに浮気がバレないようにブスに変身するのですねー。こわいこわい。
帰って来たのはいいけれど、セーラもウォーターマンもパーカーなんてもう眼中にありません。パイロットがあの万年筆でベストセラーを連発してるから。
「僕の座を脅かさないで。」と余裕をかますパーカーだけど、パイロットの売れ具合にびっくり。
ペリカーノもあっという間にパイロットのほうに寝返ってしまいます。ま、パーカーは彼女には全然執着してませんけどね。
モンブランの2通目の遺言のことも明らかになっており、次にパイロットが書くものがベストセラーになったら財産はすべてパイロットのものになると聞いて、パーカーは一瞬発奮して原稿用紙に向かうけど、全く書けません。ジャングルを舞台に・・・って書き始めるけど、「うぉー!ぎゃぉ!おぉ!」って鳴き声しか出てこないのでした。
決心して、チャイナタウンのウワサの万年筆屋さんに行ってみることに。

<パーカー、新しい万年筆を注文する>
偏屈オヤジっぽい万年筆職人エルバン。でもお客に、お茶を自分で入れて飲めとういうところは、無骨ながらもあったかい感じがします。
パーカーが欲しい万年筆は、あの万年筆のように軸は太く、するすると全く引っかかりがないように滑る感じのものです。
エルバンはパーカーに名前を書かせ、それからいろいろ質問してその答えを書かせます。書き癖を見るためです。
話しをしててもダジャレでオチをつけるパーカーにオヤジさんはお怒り。「最近の若いもんはオチばっかり求める!人生にオチなんてないんだ!」
小説家パーカーは、オチをつけるイメージはなかったので、ここでちょっと意外な感じがしました。
命より大事な万年筆を失くしてしまって・・・と話すパーカー。1週間で仕上げると約束してくれるオヤジさん。
でも手が震えてるので心配するパーカーだけど、腕のいい息子が作るから大丈夫、とオヤジさんは言ってくれました。
パーカーが帰ったあと息子が帰ってきます。
お客さんが書いたものを見て、どんな万年筆を作るか考える息子・デルタ。その腕は本当に確かなようです。
そしてそのお客さんが書いた名前に気づくデルタ。「パーカー・デュオフォールド・・・・。」

<パーカー、カノジョに復讐される>
1週間後、万年筆を取りにきたパーカーの目の前に現れたのはデルタ。それに気づかず試し書きをしてみると、完璧な出来に大喜び。
でももう一度調整するから、とデルタが万年筆を受け取り、話しをします。
気づかないまま、過去のことを話すパーカー。万年筆売り場の女の子を愛してたのになぜ結婚しなかったのか?彼女より自分の未来を取った。男にはそういうこともあるんだ。でも今は幸せなのかどうか分からない・・・。
デルタは名乗ります。「女の子のデルタは死んで、男になったんだ。僕がデルタさ。」
驚愕のパーカー。
3年前どんなに苦しかったか、その思いを身勝手な男に思い知らせるんだ!万年筆を叩き壊すデルタ。
号泣するパーカー。そこにエルバンが帰ってきて、事情を聞き、銃を持ち出すのです。娘を殺した男を許せるわけありません。
言い訳を叫んでもどんなに謝っても無理。チャイナタウンのお祭りの中、棒のついた龍の踊りにもみくちゃにされるパーカー。

<パーカー、万年筆を見つける>
落胆した酔っぱらいパーカーは、ソファーでクダを巻いてるけど、そのときパイロットが使ってる万年筆が自分のだと発見。
万年筆を奪い合って大騒動。セーラ、ウォーターマン、ペリカーノも加わり、それぞれの思いで、万年筆を手に入れようとドタバタドタバタ。
パーカーが「キャッーッチ!」と手にしたときには大拍手でした。
そこに亡霊のモンブランまで出現してまた大騒動、ついには誰かの足の下でつぶれてしまいます。
万年筆の修理に、チャイナタウンのエルバンの店に走っていく兄妹たち。
ウォーターマンは我に返り、パーカーももうあの店には行けないとしみじみと話ます。
万年筆をなくしてデルタのことを忘れられるかと思った。でも違っていた・・・・もう小説を書けないと言うパーカー。
ウォーターマンは、あの万年筆をデルタの目に触れさせたらいけない、とチャイナタウンに急ぎます。
パーカーはひとり残されて、窓の近くで静かに立つ後ろ姿・・・。背中に憂いが。

<パーカー、死す>
明け方エルバンの店に壊れた万年筆を持ってやってきた兄妹とペリカーノと亡霊。
事情を聞いたエルバンは、この人たちがパーカーの関係者だと知ると、銃を持ち出すのです。パーカーなんて名前は聞きたくありませんから。
騒動の中、夜明けが近づき、亡霊が消え、兄妹は追っかけていき、ペリカーノひとりのところにウォーターマンが来て、パーカーもやって来ます。
ペリカーノは自分が小説を書く、と言いだしウォーターマンは彼女のエージェントになることに決定。
デルタと会ったパーカーは、静かに話をします。
−許してもらおうなんて思ってない。今何ができるか考えていた。このニューヨークに認められたかった。最初の成功で満足すればよかったのに。
魔法の万年筆なんて、なかったんだ。書いたのはデルタのことだけ。万年筆をなくして君を忘れられると思ったけど、何も書けなくなった。
パイロットが小説をかけたのは、お父さんの愛の力。魔法なんてない。
誰かを想う気持ちが小説を書かせるんだ。
もう小説家をやめる。最後に1冊だけ書いて。それにはデルタのことすべてを書く。できたら送るよ。読まなくてもいい。
そして僕のことを忘れてほしい。−
その小説はこれで書けよとデルタが万年筆を出してくれます。自分が壊したから、新しくもう1本作ってくれてたのでした。
「ありがとう!」その万年筆を手にしたパーカー。「魔法の万年筆だよ、君が作ってくれたのなら!」
パンっ!きゃぁー!!
背後からパイロットに撃たれた!倒れるパーカー。
パーカーの持ってるのが魔法の万年筆だと思ったのか、もう何も見えなくなった悲しい兄妹・・・。

デルタは言います。「パーカーを愛してた。」

そして万年筆がひとりで動き出し、そしてパーカーがいきなり歌い出してびっくり。
死んだら元も子もないって感じで歌って、そしてやっぱり死んでいきました。
黒いトレンチコートがとってもお似合いでしたわ。

カーテンコール2回。
手を振ってくれる吾郎さま、とってもかわいらしかったです。
本当に台詞が長くて大変そうでした。ときどき声が裏返りそうになるのもリアルで、ライブって本当にいいなーってつくづく思います。
吾郎さまの舞台がこれからも見られますように。


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