浪 人 街

出演者で決めて2月頃の先行で申し込みをしていた「浪人街」。
全くは内容を知らなかったけど、おもしろいらしいという情報だけで行ってきました。

席は8列目の舞台向かって左の端のほうだけど、5席くらい右が花道の先端で、花道はスロープでそのまま客席と一体化しており、超近です。
最前列2〜3列と花道直近の席にはビニールが用意されていて、始まる前に水がかかりますのでこれでカバーしてくださいという説明を受けています。ウォータースライダーみたいにビニールを自分でかぶるんです。水がかかるってどんな舞台や(笑)!

<物語>
文久3年。江戸。
居酒屋「いろは」で働くお新(松たかこ)は、女ったらしで、遊び人で、突然いなくなっては突然帰って来るようないい加減な男・荒牧源内(唐沢寿明)にほとほと愛想がつきたものの、金をせびられればスリをして用立ててしまうのでした。
いろはの常連、母衣権兵衛(伊原剛志)は、純粋で朴とつな剣豪。お新が近江屋の財布をスッて、旗本小幡兄弟(升毅・鈴木一真)につるし上げにあいそうになっているときに助けてくれたいい人。お新に思いを寄せています。
いろはにはもう1人。母衣の親友で喧嘩っ早い赤牛弥五右衛門(中村獅童)も入り浸り。

松さん、相変わらずよく通る声で、いなせな感じです。伊原さん、獅童くんカッコいいなー。唐沢さん相変わらず顔小さいなー。鈴木一真さんはいつも静かな役が多いけど今日はちょっと『動』な感じ。升さんのキャラ、濃い(笑)。

いろはの主人藤兵衛(田山涼成)はお新の父ちゃんとの約束で、お新の親代わりを務めています。いい加減荒巻と別れろと言うけどやっぱり別れられないお新ちゃん。

この田村さんの名前が全然出てこなくて、あーあの人あの人ーってずーっと思ってました。

そんな頃、夜鷹をおそう連続辻斬りが横行。夜道で不審な男たちの話を聞いてしまったいろはの籐兵衛さん。    

母衣の知り合いの土居孫左衛門がどこかの藩にお勤めできることに決まったらしいけど、その条件は名刀の「国広」を献上すること。でも孫左衛門はすでにその刀を質に入れてしまっており手元にはなく、それを嘆く妹のおぶん。
その名刀は旗本小幡の手に渡っていたのです。その切れ味を知ってしまい次々と夜鷹を斬っている辻斬りの正体は小幡の兄でした。

源内は千鶴(田中美里)と浮気中。そこに「兄の仇!」と乗り込んでくる千鶴の義弟一馬(成宮寛貴)。昔、親友だった市之進が源内に果し合いを挑んできて死んでしまった原因は、市之進の妻、千鶴をめぐってのことでした。多くを語らない源内ですが本当は千鶴のほうが源内を好いていたことが原因なのでした。源内を守ろうとする千鶴は一馬に向かって刃を向け、腕を斬り付け真相を告げます。長年儀姉といっしょにあだ討ちの旅を続けてきたつもりだった一馬は気持ちのやり場がなくなってしまいます。

田中美里ってしばらくぶりに見ました。成宮くん、ってあーこの人かぁーって。最近の若い男のコたちの見分けがつかなくてすいません。

幕末の世、清河八郎が浪士を集めていると知った母衣はそれに志願すると言います。
赤牛はさびしくてむしゃくしゃ。
そんな赤牛とたったいま千鶴の元から帰ってきた荒巻はお互いにやり場のない気持ちで剣を交えるがそれも何となく中途半端。母衣のことを聞くと、源内はその浪士組に自分も行くなどと言います。

新選組では、伊原さんは隊員ではないし、獅童くんも新選組に入りたくても入れない人だからねー。

辻斬りのことを何か知ってるらしい藤兵衛を岡っ引きが小幡の屋敷に連れて行きます。そして翌日変わり果てた姿で帰ってきて、怒るお新。源内は知らん顔。

赤牛は、街でひょんなことから小幡弟(鈴木一真)とケンカになり剣を交え、なんとなく友情が芽生えて一緒に酒を酌み交わします。

このお酒を飲むシーン。樽からひしゃくでお酒を大きな杯に注ぐのだけど、もう服から頭からべちょべちょになってアドリブ連発の獅童くん。楽しいシーンでした。

夜、ほろ酔いの小幡の兄を闇討ちにする人影。小幡兄を殺し、名刀国広を奪って行きます。
赤牛を飲んでいた弟のところにそのニュースが。怒り狂う弟はやったのは源内に違いないといい、赤牛は最初はそれはない、犯人の心当たりがある、と言うけど、考え直して、犯人は源内だと言います。
そこに銃を手に単身乗り込んでくるお新だけどそのまま捕まってしまい、源内をおびき寄せるための人質になってしまいます。

酔っ払いの千鳥足の升さんがおかしいー。近江屋と夜道を歩いている設定で、つまらない雑談中、近江屋さんが「メイン」っていう言葉を使ってしまって突っこむ突っこむ(笑)。
赤牛さんはどうして源内が犯人だと急に言ったのかなー。わかるようで判らない・・・。

源内は千鶴といるときに、小幡弟からの脅迫状を受け取ったが、関係ない、とそ知らぬ顔。でも千鶴とは結局お互いにもう心が離れていることを確認して帰っていく源内。そこに千鶴の弟一馬がお新を助けに行かないのならこの場で斬ると襲いかかります。簡単にあしらう源内だけど、だんだんお新への気持ちがこみ上げてきます。めんどくせーなーと言いながら。

この気持ちが高揚していく感じがひしひし伝わってきました。

現場に行くと、両手両足を縄でしばられ大の字に引っ張られているお新。やぐらの上には大太鼓を叩く赤牛の姿。
何でお前がここにいるんだ?と驚く源内だけど、100人?以上の旗本の軍勢に立ち向かい斬りまくっていきます。そしてそこに「儀により助太刀いたす!」と母衣も加勢。そのうち敵になっていた赤牛も突然寝返り、「裏切ったな!」という小幡弟に「それを言うなら表切ったんだよ!」
赤牛は、源内にお新を連れて逃げるように言い自分がしんがりを務めるのです。さっきまで友達だった敵の大将、小幡弟と激しく斬り合い勝つ赤牛。でも敵はまだまだ多く、結局滅多切りにされてしまうのです。

すごぉーい!!すごい長いけどすごい立ち回りです。血しぶきは飛び散るし、舞台にしつらえた池の水が飛び散るし、すごいです。とにかく獅童くんのカッコよさったらすごい。唐沢さんも伊原さんもすごいんだけどやっぱり獅童くんが!
これくらい長い時間ちゃんばらをやられたら普通飽きるけど、両手の握りこぶしを握ってワクワクしながら見てました。このくらい大掛かりな殺陣をやるのならどっかで間違ったり血が出るタイミングが間違ったりしないかしらん?と思ってずーっと見てたけど全然突っ込めないくらいに完璧な殺陣でした。
伊原さんの「儀により助太刀いたす!」はすっげーカッコ良かったー。
獅童くんと鈴木さんの対決がまたすごかったです。首からドバァーーーっと血が噴出して階段落ちもあって。
最後斬られても斬られても立ち上がる獅童くん。すごいよぉーーー。

赤牛のおかげで無事に逃げた3人。旅立つ母衣と湯治に行く源内とお新が別れを告げようとしています。でもまだ素直でない源内とそれを怒る母衣はまた剣を交えます。でもお新の「私にとっては大事な人なんだ」と言う言葉に諦めた母衣。2人に別れを告げて旅立ちます。
でもさっきのどさくさに母衣の財布をしっかりしとめたお新がおりました。これで母衣が自分をしっかり恨んでくれるから、と。
大慌てで帰ってきた母衣だけど、もう2人の姿はありませんでした。・・・・

<カーテンコール>
唐沢さんはしゃべりたくてしょうがない感じ。ちょっとお疲れです。「あと10日です。」って言うのが実感こもってました。
今日のお客さんは大人しい感じだったらしく、スタンディングオベーションはなかったので、「もっと声出したりしていいんだよ!」なんて言ってました。
伊原さんのあいさつの「ごめん!」が良かった。鈴木さんがはかまをスカートみたいにもってお辞儀するのも可愛かったわ。
唐沢さんから「獅童がどうしてもやりたいって言うから。」と紹介されたのは獅童スパーイダーマン!花道に出てきて大見得を切ってスパイダーマンになってます。手に持ってたパーっと広がるくもの糸を投げて、スパイダーマン宣伝マンは完璧!花道の先に来てくれたときは、めちゃ近で、回りの人たちも大人しかったので、両手で大きく手を振る私たちには視線をくれました!獅童く〜ん!着物なのにスパイダーマンのアミ々の衣装が見えました。


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