VENUS IN FUR

 

13/06/15 シアターコクーン 

外国の原作もので、セリフの応酬で聞き取れないところも多分にありますが、とにかく迫力がすごいです。

オープニング、無音の中なかなか幕が開きませんが、これはたぶん演出のひとつでしょう。
そこで、雷の轟音とともにいつの間に幕が開いたのか、落ちたのか上がったのか分からないまま、そこに吾郎さまが立っていて電話でガンガン話してます。よくもそれほどしゃべれるものだわってぐらい。立ち姿は相変わらず、美しいけどちょっと片足体重な吾郎さまですが(笑)。

吾郎さま演じるトーマスが脚本&演出をする舞台の主演女優のオーディションをやったが、いい人がいなかったという。
そこにヴァンダ(中越典子)がやってくる。最初は、口だけ達者なはすっぱな端役女優という雰囲気なのに、だんだんそのペースに飲まれていくトーマス。
こういう感じって、前の「恋と音楽」にも似ていますが、今回は完全な二人芝居。
SとかMとかがテーマですが、それほど隠微な感じはなく、それは吾郎さまだからでしょうか。
ヴァンダは、何もかもお見通しな風で、翻弄されるトーマス。
ずーっと議論を闘わせていて、恋愛論だったり、何やら難しい主義主張のことだったり、日本人にはちょっと理解できない部分でもあります。

柱に縛られてるところやら、後ろから額をあらわにするように頭を押さえつけられて首にナイフを突きつけられるところやらは、前から9列目にもかかわらず双眼鏡で吾郎さまの表情をガン見しました。髪を触られるときは顔を見なくっちゃってんで(笑)。
ヴァンダのハイヒールを脱がせて、腿まであるレザーブーツを履かせるシーン。無音の中で、ゆっくり時間をかけます。ファスナーで肉を挟まないように気を付けるのでこれほど時間がかかるのかー(笑)?吾郎さまが左手でブーツのファスナーを上げるところは、どうみても不器用に見え、絶対肉を挟みそうなんだもん。右利きの人がやったらそれほど心配しないんだろうけど(笑)。ヴァンダが体を預けている長椅子の向きを反対にすれば、左利きでもちゃんとファスナーを引っ張れるんじゃないかとも思ったり。でもそうすると全体的に位置が狂ってくるのかなぁ…。

ヴァンダが着たり脱いだりする白いドレス、ファスナーが背中にあって着るときはトーマスに閉めてもらっているのに、次に脱ぐときは前にもあるファスナーを自分でジャッとおろして脱げるという代物で、不思議でした。

トーマスは途中、召使風のジャケットを着るのですが、一昔前のアイドル服って感じでした。そのまま踊ってほしかった(笑)。

最終的には、ヴァンダは何者なのか?本当のヴィーナスだったのかっていう感じ。

カーテンコールで、2回目出てきて戻るときに、吾郎さまが小道具のバッグをドア(出入りは左右ではなく、後ろのドアのみ)のところにサッと投げてドアが閉まらないようにしたのが、なんか印象的でした。

中越典子のスタイルの良さと綺麗さにびっくりでした。その彼女と釣り合うのは吾郎さましかいないのではーなどと思ってしまいます。
この役は、吾郎さまだからできる役。ほかの4人には絶対にできない役です。絶対(笑)!


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