GOOD LUCK!!
FINAL FLIGHT(03/03/23)
<治ったぜ!>
白い砂浜に座ってる元ちゃん。空を飛ぶ飛行機をまぶしそうに見つめ、海を見つめてます。
そこにサッカーボールがころがってきて、ゆっくり立ち上がります。「すいませーん!」の声。
クキクキって足首を回して。
「HEY!」思いっきり空に向かって蹴り上げるボール!
元ちゃん!完全復活!!
膝上内股かつ膝下外股歩きの元ちゃんがこっちに歩いてきます。しっかりと・・・。
<全力をつくします!>
「第一エンジン異常です。残りの3つのエンジンでランディングします。」と言ってるのはシミュレーターでの訓練。
「なんとかから足を離すなよ。」って言われて、ちゃんと足を踏ん張る元ちゃん。
いろいろ思い出しながらランディングします。そしてそのシミュレーターチェックの結果は?
いつもの歩道橋で「よっしゃ!!」とガッツポーズ!空を見上げて満面の笑みだけど、ふと思いだしたように香田さんの声が?「まだまだ安心するな・・ってか?」マネもできるくらい観察してるのです。
「わかってるっつーっと!」と石を蹴るような格好して跳ねながら走っていく元ちゃんです。
香田さんは元ちゃんのプロファイルに「地上シュミレーター訓練合格」と打ち込んでます。こころなしか嬉しそうな顔で。
でも「シミュレーター」が正しいと思うですが・・・。「シミュレーション」が正しい英語なのになぁ、それでいいのかしらん・・・。
そこに元ちゃん登場。
もう合格したことを香田さんが知ってるので驚く元ちゃんだけど、ここは監査室だからそんなことはいち早くわかります。
「足はもう大丈夫なのか?」と一応訊いてみる香田さん。
大丈夫とぴょんぴょん跳ねてみたりする元ちゃん。身体検査も合格です。
香田さんに言わせればそんなことは当たり前。最終的なチェックの監査フライトの日程が決まったと言います。来週の1052便ホノルル行き。
それで合格すれば正式に復帰なのです。
「そのときのキャプテンは誰ですか?」おそるおそる訊いてみる元ちゃん。きっと予想してるのでしょう。
「私だ。」
あーやっぱり・・・て思う元ちゃん。イヤではないけど、喜んでもないような複雑な表情。
「言っておくがこれが君にとって最後のフライトになるかもしれん。幸いなことに私にとっても君と飛ぶのが最後かもしれん。」とあくまでも意地悪な香田さん。
「では全力をつくします。」帰りかけて、「あ、手加減一切いりませんから。」と出て行きます。
そんな元ちゃんを見てちょっと優しい顔になってる香田さんです。
整備みんなが体操をしてる背後の上のほうで一緒に体操してる元ちゃん。
気づいた歩実に「オレ!丸!」っと手でジェスチャー。
にっこりした歩実だけど、周りの目があるので体操に戻ってしまって、あれ?なんだよぉってなってしまいました。
監査フライトに受かるまではまだわかんないんでしょ?と言う歩実ちゃん。
「受かるよ、オレ!」きっぱり。
足怪我して自信もてるようになったってゆうか、一度もうダメだっていうところに落っこってから上がって来たから、なんでここにいるのかって判る気がする、と殊勝に言う元ちゃんだけど、水をさす歩実。
「知ってる?自信あるときが一番危ないの。」
「お前どんどん性格悪くなってくるな。」
でも自分も一緒に行くという歩実ちゃん。「監査に受からないと二度と飛べないかもしれないじゃん?」
「お前オレのこと信用してねぇんだろ。」
「そうじゃないよ。」
「じゃなんだよ!」
「うっさいな、一緒に飛びたいの。あんたが勝負してるシップで私も飛びたいの。」
「じゃ最初っからそうゆう風に言やあいいじゃんか。」
「監査に落ちたら大笑いしてやる。」と言って仕事に戻る歩実。
「こっちだって怖いからって助けてやんないからな!」歩実の背中に向かってそう言って、ニッコリする元ちゃんなのでした。
そして飛ぶ飛行機を見て真っ黒い大門サングラスをかけてヘルメットを軽くかぶるのです。
<フライトの朝>
朝日の中で、シャツをバッとはおる姿が素敵。かかとに見事な手術跡のある足にソックスをはいて、水島機長からもらった4本の肩章をしっかり持って出かけます。
廊下に出たら、お隣のユンソナちゃんが引越し最中。
「ショーちゃん。ワタシ出て行くことにしたの。ショーちゃんに捨てられたの悔しいけど、泣いてばっかりいられない。」
「捨ててないでしょ!ウソですよ!ウソ!」って運送屋さんに言い訳してます。
「ショーちゃん、・・・もうショーちゃんのフリするのやめて。ありがとう。」って・・・。ショーちゃんって誰よ(笑)!
エレベーターに乗ったユンソナちゃん、「仕事頑張ってね。日本一の郵便屋さんになってね。」ぷぷぷっ(笑)。
ドアが閉まって「え?郵便・・・屋?」と取り残される元ちゃんでした。
実家に寄る元ちゃん。「今日復帰試験でハワイ、それに受かったらオレ又パイロットだから。」といかりや父さんに報告。
何も言わない親父に「父親らいいこと言えよ!」とおせっかい弟くん、また兄ちゃんに蹴られまくり。
父さんは「土産買ってこい。」とひとこと。ハワイと言えばパイナップル。いつか買ってきたのは甘くなかったから、もっととびきり上等なやつを買ってこいとの命令に、イヒッって笑う元ちゃん。
いかりや父さんがあのパイナップル食ってたなんて知らなかったぁと弟くんは変に感心してます。
出航した船の窓から親指を立てるいかりや父さん。「
「なーにが(親指だよ)!」と言うけど、とっても嬉しい元ちゃんでした。GOOD LUCK!!ってメッセージなんですもん。
歩実も姉ちゃんに心配されつつおでかけ。
のり子さんも今日のフライトは一緒です。ぶっちゃけ好きな新海くんだから、お手やわらかに御願いしますというけどそんなことを香田さんに通用しないことなんてわかってます。
「おい、このフライトが終わったら・・・。」
「何?」
「いや、いい・・・。」と去っていく香田さん。
「何なのよ・・・!」ほんとイライラする男よね(笑)。
<ちゃんと着いたら・・・>
新海くんセンターに登場。
安住とジェーンさんが話してるところやって来ます。「新海!」
「誰?!誰?この人。」飛ばすなージェーンさん。
「ちゃんと御挨拶できないコにはフライトプラン見せないよ。」ジェーンさんが何で今日の元ちゃんのフライトプランを持ってるのかと言うと?
ジェーンさんはバックアップパイロットを自分から志願なさいました、とクローバーの8の太田さん。
太田さんは今日は一緒のフライトではないので元ちゃんをお見送りに来たのです。でも担当が香田さんなんて不運だけど、あんなものはただのロボットが座ってると思えばいいのですって大胆な発言。
そこに香田さん登場。
太田「いらっしゃいませ!」ってすすっと下がって。
そんな太田さんに「コロッケ定食」ってジェーンさん。最高のコンビネーションだわー。
安住も元ちゃんの肩を叩いてガンバレよって感じでした。
空港ロビーを3人のパイロットが歩く姿がめっちゃカッコイイわー。待合所に歩実を発見した元ちゃん。大丈夫か?と訊いて。
「なー、ななな、あのさ。」
「何?」
「無事にホノルル着いたら。」
「着いたら何?」
「だから、ちゃんと着いたらぁ。」
「だから、着いたら何?」
歩実の耳に口を近づけてささやいた元ちゃん。「チューしてやる。」
「・・・ばっかじゃない!」(笑)
「何だよそれ。」って言いながらムフって笑って離れる元ちゃん。むふふふふふ・・・・。そりゃあーた、元ちゃんのチューが待ってるんだもん、どこだって飛んでいきますわー!!
ジェーンさんがお怒りです。「ムカツクなー!歩実ちゃんのお見送りつきかよ!」
「違いますよ。お客さんですよ。彼女初めてだそうです。」
香田さんは「そうか。」と納得。
ジェーンさんは「どこに泊まるんだ?」と元ちゃんにくらいつきます。
「知らないっすよ!自分で聞いてくださいよ。」
歩実と目が合ってうなづく香田さんでした。歩実もニッコリ。
ブリーフィングで、「パーフェクトなフライトを目指す」って言う香田さんにいち早く「ハイ!」って言う元ちゃん。
元ちゃんを待ってたCAさんたちワイワイガヤガヤ喜んでます。お帰りなさーい!
でも今日のフライトの結果だから、と言う元ちゃん。焼きもちジェーンさんが「多分無理でしょ。」と言うと「ジェーンが言うことないでしょ!」と全員に突っ込まれて、香田さんも笑ってるわ。
コックピットで準備中。ジェーンさん厳しい顔。元ちゃん張り切ってます。
太田さんは空港の窓から両手で親指立ててGOOD LUCK!
不安な歩実の隣の席は子供一人旅。お姉さんを励ましてます。
そしてクリアードテイクオフ!夜空に飛び立つ飛行機。
<積乱雲を無事に突破!>
「今日すごいクリアーですね。あれアンドロメダですね。」ウキウキ元ちゃん。
でもそんなにのんびりしていられません。積乱雲が登場なのです。雷が発生するかも。
シートベルトサインを出してアナウンスする香田さん。今回がはじめての空の旅となるお客様も・・などといつもの香田さんなら言わないようなことも言ってるのでちょっとびっくりな元ちゃん。
さあ雲が見えてきました。
雲が左側に張り出しています。判断を任せられた元ちゃん、燃料が多くまだ上昇できないので、いったん右に抜けて回ったら機体の揺れが少ないと思いますと大正解な回答で、ジェーンさんもがっくり(笑)
「正解。生意気なやつ(笑)。」
そんなとき洗面所に入ってヒゲ剃りを使った人が出たあとに水が?
そして雲に突入!衝撃はあったけどまもなく抜けました!
「ナイスコンビネーション!」とジェーンさんにお褒めをいただいて、喜ぶというよりちょっと戸惑ってるような表情の元ちゃん。うまく行き過ぎって?
キャビンに連絡して状況を聞くと、のり子さんが「混乱はございません。」って言った瞬間に停電が!
混乱するキャビン。「どうしました?」
「停電です!」<原因究明>
停電の原因を調べるために歩実ちゃんに協力を求めます。「優秀な整備士」なんて香田さんに言われたらそりゃ歩実も泣きそうな顔しながらも頑張らないといけません。
「ブレーカーが落ちてるからどこかでショートしてるとしか考えられません。」とコックピットに報告する歩実。
コックピットの方は今は全然大丈夫。
でも「原因がわからないとコックピットに100%影響がないと言えない。」と歩実が言います。
そんなやりとりを聞いていた元ちゃんはよっしゃと決心。
「キャプテン。」
「何だ。」
「オレもキャビン行って来ていいですか?」
「落ち着け。こういう事態こそパイロットは冷静にならなければならない。」
「オレは冷静です。」すっごい冷静ですって顔してます。
コックピットへの影響が100%じゃないというのならパイロットは少しでも早く自分の目で確かめないといけないんじゃないかと言う元ちゃん。
「そうじゃなかったら、乗客やクルーにこのシップは安全だから信じてくれって言えないじゃないですか。俺たちパイロットがここにいる意味ってそういうことじゃないんですか?」
ニカっとするジェーンさん。
「かまいません。監査落ちても。ジェーンさん、コーパイ席お願いしてもいいすか?」
「いいっすよぉ。」任せろ、そしてお前のお手並み拝見だ、って感じのジェーンさん。
出て行こうとした元ちゃんに声をかける香田キャプテン。
「新海!キャビンにパイロットが出て行けば逆に乗客に不安を与える可能性もある。出て行くからには不安を取り払うまで帰ってくるな。キャプテンの命令だ!」
「ラジャ!」
ヨッシャ!とキリッと出て行く元ちゃん
すいませんってお礼しながら調べに行く元ちゃん。パイロットが来るって大丈夫なのかよぉと詰め寄る乗客たち。
そこに香田さんがアナウンスで、コックピットは正常だと言ってくれます。
でも低い声なのでちょっと怖いな(笑)
ジェーンさんの「ナイスフォロー。」って言うのがナイスフォロー。
そして洗面所の充電中のシェーバーの漏電を見つけました!
焼け焦げたコンセントを抜こうとしてあちってなって、ティッシュをいっぱい出してそれて押さえて引っこ抜きます。そこに歩実が来て「ひげそり!?」
「ちょっと見せて。」と狭いトイレの中に元ちゃんと入れ替わって歩実が入って洗面器の下のカバーをあけます。アチって言う歩実にグローブを貸してあげる元ちゃん。
原因はわかったけど今はパーツも何もないから直せない。
「コックピットに影響は?」
「キャビンとコックピットは別系統だから問題ない。」
「それって整備士として言いきれる?」
見つめる歩実。
「いや、お前を信じないわけじゃなくて、お前を含めて300人の命がかかってるから。」
優秀な整備士魂がむくむくっとした歩実ちゃん、「オペレーションシステムに影響は絶対ありません。あたしを信じて安心して操縦してください。」きっぱり!
「判った。さんきゅ。」
<美しい夜明け>
キャビンで機内アナウンスをする元ちゃん。
この停電は「化粧室でお客様のご使用になられました電気シェーバーの充電中の漏電によって焼け落ちたと判明しました。」
乗客の中の犯人はギクッとするけど、名乗るなんてことはしませんでした。
大丈夫なのかとガヤガヤ言う客に、「大丈夫です!操縦には全く問題はありません。」と深ぶかと頭をさげる元ちゃん、その目に外がふと見えて。
おぉ?これは!もうすぐ夜明けじゃないですかぁ。
「もしよろしければ窓側のお客様、シェードをお上げください。まもなく夜が明けます。皆様から見まして左手、東の空から朝日が上ってまいります。」
朝日を見る歩実の顔がとても綺麗でウルウル。すばらしく強烈な女優照明の感じです。
「もうすぐ機内に朝日がさしこんできます。どうかお願いします。どうぞ我々乗務員全員を信じてください。お願いします。」
朝日を見つめる歩実ちゃんにちょっと見とれちゃった元ちゃん。
元ちゃんの方を見た歩実に『な?綺麗だろ?』というように眉をちょっと上げた元ちゃん。
『ありがとう』と口の形で伝えた瞬間、歩実の涙がぽっっちりと落ちました。んまー素敵だわー。
そして「失礼します。」とお辞儀して戻ります。
コックピットに戻ったら、ジェーンさんがどうぞってドアを開けてくれました。かっちょいーい。
座る元ちゃんを見る香田さん、入れ違いに香田さんの横顔を見る元ちゃん。微妙な間だけど、どうやら怒られるようなことはなさそうだと思った元ちゃんです。
<合格!>
そして遂に監査の最後にランディングを任された元ちゃん。
ヨッシャと手を組みあわせてギリギリってするけど素手だ!あ、グローブがない!ちっって思った瞬間、後からポンと放ってくれたのはジェーンさん。
「消毒して返せよ。」ってまたすっげーカッコイイわー。
「すいません。」
そしてグローブをギュットはめて。
「You Have!」
「I Have!」
キリッと素敵な元ちゃん。「右からの風が少し強いのでターゲットアプローチのスピードを少し多めにセットします。」
「ラジャ。」
キャビンでは信頼しきってる歩実ちゃんの顔。
こんなときの木村さんの目ってウルウルちゃんなのよねー。ホントに。かわいいわーー!
見事にランディングしてお客様から拍手のうず。はぁーよかったあーて歩実ちゃんです。
「ナーイスランディング!」ジェーンさんのひとことひとことがカッコええわー。
香田さんの表情もものすごく良くてうっとりです。
乗客の男の子はが「パイロットになろうかな」とか言っちゃうのはお約束。うららちゃんを気に入ったのでまたお姉ちゃんの飛行機に乗るんだって言います。
歩実もCAのみなさんにお疲れ様と言われつつ降りていきます。
「なかなか楽しかったよ。久しぶりに朝日を見たって感じかな。」とジェーンさん。
「じゃぁあとはミスター新海!ゆっくりと監査の結果を仰ぎたまえ。グローブ消毒して返せよ。バイバイ。」
「監査の結果を発表する。」
「はい。」
「副操縦士としての業務に関しては特に指摘する点は見られなかった。ただし横風におけるファイナルコースのアラインにムラが見られた。」
ちぃってなる元ちゃん。
「でも経験を重ねて行くことで上達すると考えられる。合格。正式にコーパイ復帰だ。」
・・・・横向いて下向いて。
「どうした?不服か?」
「いや。・・・・オレ一度飛べなくなってよかったです。空飛ぶってことがオレにとってこんなに大事なことだってわかりました。オレこの場所で、太陽に一番近づけるこの場所で,、空飛ぶことを一生楽しんでいきます。」
「しかし綺麗だったな。」
「はい?」
「さっきの朝日だよ。」
うん・・・って頷く元ちゃん。
「君に礼を言わなければならない。今日の君の姿を見て思い出したよ。初めて空を飛んだときのこと、飛ぶのが楽しくてしかたなかった時のことを。」
じーっと前を見つめる元ちゃん。
「新海・・・・。」
「はい。」
「ありがとう。」と言う香田キャプテンの目はうるうる。
差し出された手をしっかり握る元ちゃん。
「明日の折り返し便も業務だ。合格したからといってはめをはずさんようにしろ。」
「はい。」
無表情の中にかみしめてる感じ。
<大人なのに可愛いカップル>
キャビンで日誌を書いてたのり子さんのところに二人が出てきます。
のり子さんに合格を報告。おめでとう!って元ちゃんと握手するのり子さん。とっても嬉しそう。
「心配してたのよ。厳しい監査官にあたっちゃって(笑)」
でへ♪って笑う元ちゃん。
「あ、富樫さん。(袖のところをポンポンって叩いて)4本線になるまでよろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
そのときの微妙な雰囲気を察して「オレ先行きます。」と元ちゃん。
「お疲れさまでした」って出て行く瞬間に後のふたりに親指たててGOOD LUCK!!の元ちゃん。笑ってます。
それを見送る香田さんの微妙な顔も素敵。
座席にはぁー疲れたぁって座る香田キャプテン。
「おすわりになりませんか?」
「よろしいですか?」
「どうぞどうぞ。」
「旅行にでも行くか?」
「え?」
「キャプテンとCAではなく、こうして客として飛行機に乗って。」
「もしかして。それ言おうとしてたの?フライトの前。」
「・・・」
「で?どこへ連れて行ってくださるの?」
「どこがいい?」
「そうねーやっぱりパリかしら。」
「パリは今月3回も行った。ロンドンはどうだ?」
ロンドンは・・・なんてごちゃごちゃ言うあう大人のカップル。大人なのに可愛いったらないわ!
「そうね・・・。」香田さんの肩に頭をつけるのり子さん。「ストックホルムは素敵だけど寒いのよねぇ。」と言いながら香田さんの胸に顔をつけて泣いちゃうのり子さん。肘掛に置かれた腕をつかんで、その手をそっと握る香田さん。
んーもう!可愛いよぉ!
<無事に着いたお約束>
ハワイの海岸と見せてここは和歌山県白浜(笑)。
「遅い!」
「しょうがねえじゃん、監査の結果とかいろいろあったんだから。知ってんだろ。乗客が降りないととオレラ降りられないの。」そんなこと素人でも判りまさあな。
「で?どうだったの?」
「合格。ってゆうか当然!」
「奇跡だね。」
「当然!」黒いサングラスが素敵な元ちゃん。
「おめでとー!」となぜかあさっての方向に向かって言う歩実。
「はい?」歩実が見つめる海の方に何かあるのか?って目をこらして見てみるけど何もなく。
「何でそんなに気持ちがこもってないの?」
「だってこめてないんだもん。」
はぁーってサングラスをはずす元ちゃん。
「で、自分はどうだったの?怖くなかった?」
「怖がってるヒマなんかなかったもん。」
「まあね。」まぶしそうにちょっとウインク気味にしたりしてます。
「でもばっちり見たよ。」
「何を?」
「空。雲の上の。すっごい綺麗だった。」
「オレが言ったとおりだったでしょ。」
「うん。」
後姿の画もきれい。
「というか、やっと来れたな。」そうね、あれから何ヶ月経ったんでしょう。
「うん、やっと飛べた。」
「良かったな。」
「良かった。」
うんうん・・・と頷く元ちゃん。そして横目でちらちら見るふたり。そうそう、あの約束。『ちゃんと着いたら』が頭に浮かんでるのですよ。ふたりとも。
で、向き合って。
ん?という顔で『さあ、いいかな?約束だぜ?』って顔の元ちゃんに、覚悟を決めた歩実ちゃん。
目を閉じて準備OK。
そして行くぜ!ってチューしようとしたら。
「おぉ!カニ!」足元に見つけたカニをつまみあげたりなんかして。
「何なの!あんた!」そうだよ、いくつよぉ!チュウくらいでたじろぐ年でもあるまいに(笑)!
「カニだって!見てみな?これ!」そんなこと知るかい!そりゃ歩実でなくてもむくれるっつーの。せっかく古典的に目を閉じて構えたのに(笑)。
そのとき上空を飛行機が飛んできて見上げた歩実に自分の制帽を斜めにチョコンってかぶらせた元ちゃん。
「もうちょとこっちかな?」なんて帽子を横にしつつ、チュッ。
んまぁー!そのやり方はあまりにも予想的中!そうくると思ったのだよ!もう〜〜!ちきちょぉ〜(笑)!
「ヘタクソ。」
「は?」
そして自分から行っちゃうです!歩実ったら!そして抱きしめてチュウーーー・・・・。背中に回した腕の感触とかまで伝わってくるし。
パフパフのキス(命名:中居)だし!
一度離してまたちっちゃくチュッ。そしてオデコにチュッ!ちくしょぉーーー!!!!おい、こらぁーー!!!いい加減にしてくれぇーー(笑)!
なんとそのままお姫様抱っこですかぁ!くるくる回しちまってるですかぁ!そして海にまで入るのですかあぁーー?!
新海元!監査に受かったからといって羽目はずしすぎ!あした帰るんでしょぉー?!そんで今晩はどうすんの?ん?言ってみ(笑)?
思い出すロンバケ最終回!なんて可愛いやつら!
<エンディングバック>
元ちゃんはやっぱり遅刻キャラ!飛行機から帽子で顔を隠して走る走る!誰も飛行機から見えてないって(笑)!
ブリーフィングの香田さんには笑顔も。
うららは元ちゃんを諦めました。「じゃあジェーン?」ってのは「ありえません」(笑)
要くんもいたんだ(笑)。
ジェーンさんと安住コンビも相変わらず。「一緒に飛ぶんですよ。」「ヤだよ!」
元ちゃんはロビーですれ違った違う会社のCAさんたちに、「ん?まさかなぁ?」・・・・。
そしてその人はユンソナ!「逃げてもダメヨ。ショーちゃん?」自分だって郵便やさんの仲間だったのね!
ハンガーの自転車三輪車?の歩実ちゃんも笑顔です。
つり幸で仕事中の父さんも弟くんも笑顔で飛行機を見つめます。「偉そうに・・・」「高ぇ所飛びやがってぇ。」って言う弟くんのほうが偉そうです(笑)。
太田さんものり子さんも業務中のキャビン内に流れるアナウンス。
「コックピットよりお伝えします。皆様長時間のフライト本当にお疲れ様です。副操縦士の新海です。本日、皆様のご協力を得て無事に目的地まで到着できますことを乗務員一同感謝申しあげます。
えー、現在地上では世界的に少々荒れ模様になっておりますが、こののち必ず近いうちにまた晴れ間が射すことを皆様と一緒に願いたいと思います。この空の上での出会いを大切に、いつの日か
再び皆様とお会いできますよう、心からお待ち申し上げております。それではみなさま、よき旅を。」
とマイクを置いて『あ、いけね、忘れてた!』と再びマイクを持って
「GOOD LUCK!!」
そう、これがないといけません!
外を見る元ちゃんのアップ!ニッと笑って、きりりとして、すーてーきーーー!!
元ちゃんの表情は、この先多分何回見ても違った発見があったりするんだろうなぁ。すんばらしいよー!木村拓哉!
FLIGHT#09(03/03/16)
<1999年4月沖縄>
ぎゃぁーーー!!!がーばーいーいーーーー!!前髪おろしただけなのに!決して4年前の木村さんじゃないのに!
「ふわぁぁぁーー!!すげぇ!」とか言ってる訓練生!かわいくてかわいくて!んーーもぉ〜!助けてぇー!
教官も「そんなにはしゃぐな、パイロットになったらいくらでも見られるんだから。」とたしなめつつも、元ちゃんのあまりの可愛さに顔がほころんじゃたりして。
「プロペラ機って世界違いますもん!ずるいっスよ、この空は。うわー!近ぇ!」
光に手をかざしてまぶしいよぉ〜
ってな夢を見てる元ちゃんは実は病院におったのです。
脱出訓練で香田さんをかばって自分が落ちちゃったのでした。
<もう飛べない?!>
病院に駆け込んでくる年の離れた弟くんといかりや父さん。
香田さんがいかりや父さんに挨拶します。
「申し訳あちませんでした。すべて私の責任です。」と頭を下げる香田さん。
「いえぇ、仲間を助けようとうするのはあたり前ですよ。」
そこにストレッチャーに乗せられて出てきた元ちゃん。「アニキ!アニキ!」と叫びつづける弟くん。だって赤ちゃんのときから母親代わりのお兄ちゃんなんです。あれ?違ったっけ(笑)?
振り向けば石黒先生(笑)が、大丈夫ですよと言ってくれますが。「ただいくつかお話しなくてはならないことが。」と。
え?ちょっとギクってなるみんな。
香田さんも一緒にお話を伺わせてもらいます。
この病院が吹きぬけの感じが直江先生の病院に似てて、直江先生だったら治してくれるんじゃない?と一瞬思ったけど、整形じゃないわな、と思い直しました。
そのときベッドに移される元ちゃんは足を動かないように結んでいるのでお人形さんみたい。マスクごしの半開きの口がかわいいわー。
先生のお話によると、「元さんは二度と操縦桿を握ることはできないと思います。骨折は治りますが神経が傷ついているため足に障害が残る可能性があります。」
ぬぁんですとぉ〜!?なんてね、思わなかった私。まるっきり全快すると思ってるので、全く心配してない私。これって変かしら。
夢を見てる元ちゃん。ふっと笑ったり頭をぼりぼりと掻いたり。
4年前のジェット機の初飛行訓練のとき、光に手をかざして「ほぉぉぉ〜」ってちょっと大丈夫?な元ちゃんだけども(笑)。窓に触って「冷てぇ!」って手を引っ込める元ちゃん、「すげぇ・・・」ってニッコリ笑顔がまたなんちゅー可愛さ!
<マジかよ、ウソだろ!?>
寝てる元ちゃんの隣でお父さんしょんぼり。弟くんが「これ、看護婦さんが。」と持って来た元ちゃんの制服を見つめるのです。肩章が目に入ります。
お父さんに帰れといわれるけど、弟くんはここにいたいのです。
そしたら検査の何かを指につけてる手の甲でベシっと弟くんを叩く元ちゃん。あら、起きてたのね!
弟「イテ!」
元「痛ぇのこっちなんだよ。なんだこれぇ。」と酸素マスクをうざったそうにはずします。
「あー・・・やったら、足いてぇんだけどどうなってんの、これ。」
「だってアニキ訓練中に・・・」
お父さんは弟くんを追い出しにかかります。1万円札でジュース買って来いと。弟くんは文句言いつつ出て行き、お父さんは状況説明。
「神経切断?まさか、オレもう歩けねぇの?」
「いや、リハビリやりゃあ充分歩けるって。」
「それ先言えってんだよ。」ホッとする元ちゃん。
「ただな、少し足を引きずるようになるのは、これ、避けられねぇそうだ。」
その瞬間の元ちゃんの目が・・・。それはどういうことなのかオヤジに説明してもらわなくても解りすぎるほど解っているのですから。
無言の涙がつぅーーってこめかみを伝う。
「つまり歩けるようにはなるけど、パイロットは、引退、ってことだ。」
「ふーん・・・・・。」このふーんの裏にどんな思いが渦巻いているか、元ちゃんの目が物語ります。額の上においた手がぴくって動いて。
「腹へってねぇか?」
「だいじょぶ。」即答する言葉に精一杯の我慢が感じられます。
「何か欲しいもんあるか?」
「んー・・・、じゃあぁ。」腕で目を覆ってしまう元ちゃん。「しばらくひとりにしてくんねぇかな。」
「お、おぉ、了解。」と廊下に出ていったお父さん。聞いてた弟くんも涙目。
額においた手を強く握って、はぁぁ〜〜・・・あふれる涙を拭うんだけど、そのうち笑っちゃう元ちゃん。
そこに歩実が駆けつけてくるけど。お父さんが言います。
「すいませんねぇ。会いたくねぇって言うんですよ。腹の座ってないヤツで本当にお恥ずかしい・・・。」
病室の外にたたずむ歩実ちゃん。
元ちゃんは笑ってしまってるけど、ゴホゴホってなってしまいます。そしてそばに置かれてた制服が目に入って。
「マジかよぉ・・・・うそだろ・・・・何でだよ・・・・・・・」
うーーーー!!!泣いてるー泣いてるよぉー!シーツで顔を隠して泣いたりして。
あーーー元ちゃわぁーーん!!
私はきっと復活すると思ってるので、この泣き顔にうっとり。抱きしめてあげた〜い!やっぱり木村拓哉だわぁー!こんな芝居やらせたら世界一だよ!きっと!!
<2週間後>
元ちゃんの車がそのまま駐車場にあって「移動してください。」って張り紙が貼られています。心配そうな歩実の前で恋に破れた要くんが「大丈夫だよ。あの人なら戻ってくるよ。」と張り紙をひっぺがしてくれます。いいヤツだぁ。
CAさんたちに詰め寄られる安住。たいしたことないらしいよ。とか適当なこと言ってたら、ジェーンさんにも詰め寄るCAたち。
うららちゃんが香田さんは許せません!なんて息巻いてたらそこに香田さん登場。CAさんたちすごすご退場(笑)。
香田さんは太田さんと本部長さんに会いに行きます。
そのころリハビリ中の元ちゃん。ゆっくり体重をかけてみましょうと怪我した足を床につけようとしてよろけてしまい看護婦さんに思いっきり助けられる元ちゃん。おぉ!何かしらんが『おぉぉ!』って思った私(笑)。
「すいません!ごめんなさい!」って言うのが超普通。
「あせらないでくださいね。」って言う綺麗な看護婦さんが、『私、役得♪』って顔したみたいに見えてなんか悔しくて。アホか私わ。
松葉杖を使ってみましょうか?って言う石黒先生に、いや、それはいいですって拒否する元ちゃん。
本部長さんは、HRの級長さんでしたが、元ちゃんをパーサーにしてはどうかと提案します。
でもさすが、太田さん、「新海さんは希望されないと思います。」そうだよね!
同じ空の仕事ではなく、元ちゃんには空の仕事は一つなのです。「キャプテン!私は新海さんがパイロットとして戻ってこられるのをお待ちしたいと思います。」
二人の会話を心配そうに聞いてるのり子さん。
さっそく監査室に言って香田さんに意見します。
元ちゃんに会いにも行ってないし、責任がどうのこうの言ってる香田さんにのり子さんもキレてます。
「新海くんがどんなに無念でどんなに悔しいか解ってあげられるのはあなたじゃないの?一生そうやって閉じこもっているつもり?彼の悔しさとか空しさとか解ってあげようとしないの!新海くんだってムキになってあなたのこと解ろうとしたじゃない!」
のり子さんは一方的に言い放って出て行きます。なかなか頑固な香田さん、初志貫徹でえらいぞ!と感心(笑)。
<3週間後>
元ちゃんのジープの張り紙が2枚。ブンっ!とはぎ取る歩実ちゃん。カッコイイ。
リハビリ室で松葉杖の練習中の元ちゃん。
石「さすがに覚えがはやいですね。」
元「いやいやいや。」そんなとこで照れてどうするよ、みたいな(笑)。
この調子なら2週間もしたらほぼ普通に歩けるようになると言われるけど元ちゃんの目標は違います。諦めてなんかいません。
「いや、ほぼとかじゃなくて、完璧に歩けるようになるのは、どのくらいですか?」
「・・・・」
「オレ、この足元通りの戻してまた空飛びたいんですよ。どんなリハビリにも耐えますから。マジで。」ってニコッなんてせられたら先生もドキン。
でも一般の人における健康とパイロットの健康とはレベルが違うってことはよくおわかりのはず、などといわれてしまいます。うううーーー元ちゃん!可哀想!
その様子を見てたいかりや父さんは病室に「よぉっ!」って入ってきます。
タバコを差し出すけど、「いらない。パイロットは健康第一だから。」
夕陽の中で洗濯物をたたんでいる元ちゃん。入院生活も長くなって寂しいだろうなぁ・・・誰もお見舞いにきてくれないしなぁ・・・。
父「うちへ帰らねぇか?」
手を止める元ちゃん。
「うちのシップのキャプテンやりゃあいいじゃねぇか。空もいいが海もいいぞぉ?」
「うちの船、シップじゃなくてあれただのボートじゃん。」
「会社やめたら食えねぇだろ。お前みたいなバカにゃほかの仕事が勤まると思えねえんだよ。」
「ちょと待てよ。ほかの仕事ってなんだよ。わかんねぇじゃん、まだ。」
「何がわかんねぇんだよ。」
「まだわかんねぇだろ!パイロットが続けられるかどうかまだわかんねぇだろっつってんだよ。」
「無理だな。」
なにをぉ?!な元ちゃん。
「おめえにはもうパイロットは無理だよ。お前が一番よくわかってんだろ。いつまでもいじいじいじけて。」
「んだよ。人の気も知らねぇで。」松葉杖でさっさと出て行こうとする元ちゃん。
「ああしらねぇよ!ちょっとぐらい怪我したからって自分を哀れんでるようなそんなヤツの気は知らねぇよ!」
この野郎!言うことに事欠いてなにゆんじゃ!な顔で振り向く元ちゃん。
「ちょっとぐらい怪我したぁ?」
振り向く父さん。「打ち所が悪かったら死んでたかもしんねぇんだぞ。いつまでもメソメソしてる間があったらなぁ、頑丈に生んだ母ちゃんに感謝のひとつでも」
「うるせぇよぉっ!!」
「・・・・」元ちゃんの方に寄ってきて。「悔やしいかもしれねぇけどなあ、今のお前見てるとどオレもくやしいだよ!オレも!」
うぐぐぐぅーーーー・・・・・・・・父さん・・・。
廊下に出ていって座りこんでしまういかりや父さん。泣けるぅー。
チクショーー!!な元ちゃんは松葉杖をガン、ガン!と投げつけて、その拍子に倒れそうになって壁に背を預けて座り込む。逆光の中でこっちを睨む涙目。
おぉぉぉ〜〜!見せ場いっぱい!さすがのラス前!!
<1ヵ月後>
いつもの場所に車がないことを発見する歩実。レッカー移動されたのかしら?そんなワケないよな。
退院なのでした。
先生にお礼を言う元ちゃん。
完治じゃないから絶対無理をしないように、と念を押される元ちゃん。帰って行く元ちゃんを呼び止めた先生だけど、何も言わずに別れます。元ちゃんはちょっとニコっとしたのは、まだ諦めてないぞってことなのかな。
元ちゃんの車はなんとかのなんとかちゃんに頼んで取って帰ってくれてたようです。弟くんは車の心配より彼女の心配とかしないの?と偉そうなこと言っております。
マンションに帰ってエレベーターを降りたところれ「やっぱ、これ疲れんな。」と言う言葉はアドリブっぽいな。
でも、隣の部屋の前はサッサと通りすぎないとヤバイ!って感じで部屋に入ろうとしたら。
「ショーちゃん!ショーちゃん!」おおーーやべやべ!
「な、今からオレショーちゃんだかんな?お前こないだ何て言われた?」
「ポール?」
「ポールぅ?」
ユン「ショーちゃん!どこ行ってたの?!」
「こんちは!」
「こんちは!」
ユ「あ、タカシ!」
「タカシじゃん。」
そのときショーちゃんの足に気づいたユンソナ。「ダイスケね?ダイスケにやられたのね?」
ううん、ううん、と首をブンブン振る元ちゃん。「ショーちゃんダイスケに何もやられてませんよ。」
ユン「わかったわ。私がダイスケをこらしめてやるから!ダイスケにはらっきょよ。らっきょしかないわ!らっきょ、らっきょ。」とつぶやきつつ去っていくユンソナちゃん。
それを見おくる弟くんの笑顔が最高!
ピンポン!
「なんだよ、しつけーな。」弟くんに適当にさばいてくれと頼む元ちゃん。
「どうすんだよ。ダイスケだったら。」ハッハッハ!これは笑っちゃいました。
ドアの向こうに立ってたのは予想どおり歩実ちゃん。
「生きてた?」
「死ぬかよ。」
「だよね。」
初めて来てくれたんだよね、ちゃんと家を調べて。偉い偉い。
ちょっとあたふたしながら松葉杖をどけてクッションをはたいてホイって放って、「これ。」って勧める元ちゃん。可愛いわー。高校生みたい。
間に立ってるニヤけた弟くんに、冷蔵庫に何も入ってないから何か買ってきて、と1万円札を渡そうとするアニキ。「ったく、親子でおんなじことするんだから、いいよ。邪魔者は帰るから。」とイガグリツンツン頭の弟くんは気をきかせて帰っていきました。
「あのさ。もう会えると思ってなかったから。」
「なんで?」
「いや、なんとなく。・・・やっぱオレへこんでんのかな(笑)?もう知ってるでしょ。オレもう飛べねぇの(笑)。」
「知らないよ、そんなこと。へこんでないでさ、ちゃんと約束守ってよ。」
「何、約束って。」
「忘れた?飛行機乗っけてくれるって言ったじゃん。綺麗な空見せてくれるって。」
「・・・・・うん・・・・あれ、もう無理。あ、でも大丈夫。ちゃんとさ、香田さんとかジェーンさんもいるし。またスタンバイの・・」
「あんたじゃなきゃダメなの。あたしはあんたと約束したんだよ。」
「仕方ねえだろ!もう飛べねぇんだから!」
「・・・・。」
「何なのお前ほんっとに、せっかく人が諦めようと思ってんのに・・・そんな余計なことばっかり言いやがって、っんとに・・・帰れよもう。」
部屋ににわかに光が差し込んできて、その光の中の元ちゃん。悔しさがにじみ出ています。手に持ってるのは何?ガラスのりんご(笑)?
帰らないでじーっと見つめる歩実を見て、サッと立ち上がる元ちゃん。
<絶対飛んでやる!>
レインボーブリッジを渡っている元ちゃんの車を運転してるのは歩実。飛行機が見える海辺にやってきました。
嬉しそうに空を見上げる元ちゃん。
「久々だ。まともに飛行機見んの。」
まぶしそうに太陽に手をかざしてる横顔。ぐぐぐーっとこみ上げて来る思いに涙が出てくる。それを見てる歩実もこらえられなくて。
「やっぱ下から見る太陽って全然違うな。」
涙をささっとぬぐって話す元ちゃん。
「やべ、思い出しちゃった。はじめてさ、ジェットの訓練機で空飛んだときのこと。」
コックピットの窓に手をあてて光を受けたこと。
「オレやってみるわ。これ直して絶対空飛んで見える。」うんうん・・・!
「みんなさ、無理だ無理だって言うけど、これオレの足じゃん!オレがな、オレが諦めちゃだめでしょ。それにお前もやっぱ乗せてぇし・・・どんなことしてもお前のこと絶対乗せて、ああいう雲どーんと突き抜けてスゲぇ近い所で太陽見せてやりてぇから。」
こらえてこらえて、でも涙が出てくるのです。
「絶対飛んでやる。絶対!!」
手のひらで涙をぬぐって「約束だもんな?」
うぐぐぐぅーーーー!
杖を手から離して立ってみて、ヒッて笑って歩実の方に進んで行こうとする元ちゃん。よろけた元ちゃんが歩実の肩に手をおいて。
歩実の顔にかかった髪をどけて、そのままチューしようとして顔を傾け・・・
「お預けにするわ。空飛ぶまで。」
指で唇をちょんちょんっと!
「ばか・・。」
抱きしめて頭にかるくチュー。
うぉーー!!!!心臓がギュルギュルするわー。おそるべし木村拓哉!!
<もう一度一緒に飛んでください!>
元ちゃんがやってきた。CAたちにワイワイされて花道を通る元ちゃん。この中に本物のCAさんたちもいるんだろうなぁー。
本部長にリハビリ休暇を申し出る元ちゃんだけど、本部長が「怪我してもやめたくないと言うヤツもいるし、技術を持ちながら辞めるやつもいる。」とぶつくさ言うので、誰だと尋ねたら香田さんだと。
香田さんの出した退職願をひっつかんで松葉杖のまますごい勢いで走っていく元ちゃん。
どいて!どいて!CAたちもびっくりの速さで走っていって今到着した香田さんの飛行機のコックピットが見える窓にやって来ます。
怒り狂った元ちゃんが奥歯をギリギリしながら見てるとコックピットの中で深い礼をしてる香田さんが。
「ざけんなっ!」
歩いてる香田さん、自分を呼ぶ声がかすかに聞こえ振り向くけど空耳だったかな、とまた歩き出すと、「香田さん!!」今度は元ちゃんの顔が見えました。
「そっから動かないでください!」と松葉杖でグイっと指してやって来ます。
ぐしゃぐしゃの退職願を出して「これ何ですか!責任取るってどういうことですか!?」すごい剣幕の元ちゃん。
「すまなかった、新海。」
「何が!?」
責任者でありながらあんな事故の原因をつくったから責任をとらねばならないなどと言う香田さん。
「でもオレ全然後悔してませんよ。あんとき黙ってみてたらそっちのほうが後悔してますよ!」
でも責任を取らないといけないと背を向けて歩き出す香田さん。
「あんた本当に何にも変わんねぇんだな!笑わせんじゃねーぞ、この野郎。」
追いついていってぶちまける元ちゃん。「はぁ?オレのためにパイロットをやめる?!じゃああれですか。香田さんオレがもう二度と空に戻れないって諦めてるってわけですよね。だったら絶対空に戻れるって思ってる俺はどうすりゃいいんだよっ!・・・勝手にオレに見切・・見切りつけないでくださいよ。オレ絶対もう一度空飛んでみせますから。12年前に誰かさんが空捨てなかったように、オレも今空を捨てる訳にいかないんですよ。・・・・乗せなきゃなんないやつもいますし。知らないことだってまだまだまだまだたくっさんあります!オレ、このまま中途半端なまま終わりたくないんすよ!」
「なら君は飛べばいい。私は私で決断したことを通す。」
行こうとした香田さんを松葉杖で阻止して。
「ちょと待って。だったら、責任とるんだったら、オレが復帰してキャプテンになるまで責任もって指導してくださいよ。」
「私より立派なキャプテンはたくさん・・」
「オレはあんたに指導してもらいたいんです!」
「なぜだ?」
眉間に思いっきり皺を寄せる元ちゃん。
「決まってるじゃないすか。本当に空が好きだって判ってないと、こんなこと頼めないすよ!お願いします!もう1回オレと一緒に飛んでください!お願いします!」
頭を下げる元ちゃん。飛んでいく飛行機の音にそれを見上げる香田さんの目が見る間にうるうるになって。
元ちゃんも飛行機を見て、クシャクシャの退職願いをフンっと香田さんに返します。
受け取った香田さんがそれをビリっと!そして踵を返して戻っていく後姿を見るめる元ちゃん。よっしゃ!
<10%の可能性>
そのあとリハビリに精を出す元ちゃん。頭にタオルを巻いた姿やニット帽に、あー木村さんだぁーって思って嬉しくなっちゃった。
上半身の訓練も怠りなく、香田さんも見に来てたり。
ここらへんが全部エンドロールのバックでした。テーマはRideOnTimeじゃなくて。
あまりに頑張る元ちゃんに決断した石黒先生が屋上にいた元ちゃんに声をかけます。
「手術に、挑戦してみましょうか。」
「は?」
骨をバラバラにして再び真っすぐにつなぎ合わせる方法がある、でも成功率は10%以下。10人の医者がいたら9人が勧めない難しい手術。
・・・・・・・・
太陽を見ながら片手をすっと出す元ちゃん。
その手をがっちり握る先生。
手術の日。
手術室の前に心配そうな切ない顔の歩実が。ストレッチャーの元ちゃんが通り過ぎるときはただ歩実と目を合わせただけだったけど、手術室に入ってから、上半身を反転して歩実を見る。
何?って思ったら・・・
元ちゃんたら人差し指を歩実にピシッと向けて『待ってろよ!』っていうみたいに。
ちょっと笑う歩実。そのまま指をさした状態で見つめたまま手術室のドアがガーってしまります。うぉーーーかっこいいいぞぉーー!
4年前の訓練機。「夢だったんです。」と言う元ちゃん。
教官がそんな言葉を聞くのは久しぶりだなと言います。「いつまでも忘れるなよ、新海。」
「ホント、すげぇー、最高です。」
忘れるわけありません。空を飛ぶのが夢なのですから。
<3ヵ月後>
歩実とのキスをお預けにした海辺。まだ足はちゃんと動いてないけどなんとか右足を引きずりながらも歩いてます。転んで見上げる夏の太陽。
立ち上がって太陽を指さして、「待ってろよこの野郎!」
希望に満ちた表情です。ええわぁー!!
<次週>
あらら?予告はまだできてないっすね。
しかし、あと一回。何かほかに事件が起こるのかしら?このまま復活できて終わりって感じだと思ったのに、まだ何かあるのか?
ん〜もう〜!木村拓哉ここにあり!やっぱりすごいわ。空フルはもちろんのこと、HEROでもいまいちだったものが、今回はたっぷり満足させてくれて、魅了やわ、魅了!あぁー素敵やわぁー!
FLIGHT#08(03/03/09)
<涙の理由>
「おまえどうしたの?おい。」そんな目で見つめられたいわ〜。
「や、オレなんか言った?オレ、ただ・・・」
「帰る。」涙いっぱいで歩き出した歩実を追いかけて前に回りこむけど。
「ちょと待てよ何だよ、急に。なあ!オレなんか言ったの?ねえ。」
「ごめん。」
「ちょっ、ねぇ、な、ごめんじゃ解んないって。」
「ごめん。」さっと走り去る歩実。
「ちょっ!」
歩実の後姿を見つめる瞳が潤んでキラキラ・・・。
マンションに帰った元ちゃん。ベランダに出て飛んでく飛行機を見てます。なんだったんだろう・・・。そした近くでも泣く人が!
隣のベランダを見ると。
「見ないで!」
「あ、ごめんなさい!」とさっさと中に入ろうとしたのに呼び止められます。
「ショーちゃん?」
「あえ?」微妙な返事。
「ワケ訊かないの?こんなに泣いているのに。」
「じゃ、どうしたんですか?」
「言えるわけないでしょ!」
「は?」
「ショーちゃんになんか会わなきゃよかった。」
「別にオレだって会いたくて会ったわけじゃないし。」
「やさしくんなんてしないで!#%&○*◇★!」
「なんつったの?今!わっかんねぇよ。」ホント、謎のユンソナちゃんは最後までこのキャラで終わるのか。謎は解明されないままなのか?
ハンガーに歩実を訪ねてみる元ちゃんだけど、歩実は要くんに頼んで居留守使います。複雑な要くんだなー。
「お、がわさんいませんか?」なんておずおずしてるのがかわいいのね。適当なウソ言ったりしてぇ。
<憧れのコックピット>
今日はジェーンキャプテンとソウルです。ジェーンさんは別れた女に久しぶりに会うから気合い入ってます。
そこで香田さんとばったり。「あさって緊急脱出訓練がある。忘れないように。」とだけ言って去っていく香田さんの後姿をちょっと見てた元ちゃん。
ジェーンさんにほっぺを指でチョンってされて「何見とれてるんだ?」
「見とれてないっすよ!行きますよ。」あーびっくりした。見とれてるつもりはないのに、ジェーンさんったらあんなことゆって(笑)。
修学旅行のチャーター便でキャビンは大騒ぎ。操縦席を見せてとしつこい生徒たちに、太田さんはちょっと心動かされてコックピットに聞きにきます。
ジェ「ミスタークローバー太田ちゃぁん、何言ってんの。そんなことできるわけないじゃない。」
太田さんもそれはわかってるのでひとことアナウンスでもしていただければ喜ばれるからと頼みに来たのでした。
「そんなことキャビンで片付けちゃってよ。」ジェーンさんの言うことはごもっとも。「そうですよね。」と言う太田さんの様子に何か変と感じた元ちゃん。
「太田さん、何かあるんですか?」帰ろうとした太田さんに声をかけてあげます。
実は別れた息子が中学生でちょっと思い出したのでした。お忘れくださいって出ていった太田さん。
でも元ちゃんがここでまた元パワーを発揮します。
「オレやっていいすか?アナウンス。オレ昔コックピットに入れてもらって感動したことがあるんすよ。」
今日はジェーンさんだからそこらへんは大丈夫でしょう、元ちゃんもやりやすいのね。
ピンポン!「**中学校の皆様、本日はご搭乗いただき誠にありがとうございます。副操縦士の新海です。」
コックピットを見学したいということでしたが、現在は安全上の理由のためコックピットをお見せすることはできません。その替わりにコックピットの中をご紹介させていただきます。
コックピットは闘鶏用のニワトリすなわちはシャモをいれておく小さな篭っていう意味で大変狭い場所です・・・。
と説明してると。いきなりの「You have!」しょうがなく「I have」の元ちゃん。
ノリノリジェーンさん「ただいまご紹介にあずかりました。ニワトリのシャモです!」おかしぃー!どこまでアドリブでどこまでセリフなのかしら。
「コックピットから愛をこめて。機長のジェーン内藤でした!GOOD LUCK!!」とイイところ横取り(笑)!
キャビン内はやんややんやの大拍手。その様子を太田さんが電話でコックピットに聞かせています。
「ウケてんじゃん!」いいコンビだわ、元ちゃんとジェーンさん。
元ちゃんはジェーンさんの言った「無事故無違反で」って当たり前じゃないすか、と文句をつけると、ジェーンさんは急に真面目になって事故の記憶を背負って飛んでるヤツもいる、と香田さんのことを言います。
「香田ちゃんも偉いよなぁ。勇気あるっていうか。オレなんかそんなことになったら空んなんて飛べなくなっちゃうよ、空が怖くて。お前だってそうだろ?」
「・・・空が怖いって・・・」
歩実の言葉を思いだす元ちゃん。外を見つめてもの思い・・・。
いくら元ちゃんでも歩実の涙のわけを推理できたのでしょう。
<別れた理由>
帰って来てのり子さんと会うと、「あのー富樫さん・・」と言うと、さすがのお姉さま、「お茶でも飲みますか?私に聞きたいことあるんでしょ?」
うん・・・ってうなづく元ちゃん。
香田さんの事故のことを聞いて、のり子と付き合ってたことも聞いてた元ちゃん。
「山上さんに香田さんのこと聞くまで全然・・・。鈍いっすねオレ。」
笑い飛ばすのり子さん。「今はただのクルーよ。」
香田さんは新海くんみたいだったと言うのり子さん。「好きだったな。彼のこと。」
「あの、何で別れたですか?」のり子さんの方に向いて、足をぶらぶらするのがかわいいわー。
のり子は事故の日、風邪で休んだ香田さんの看病をしてて、そのときニュースで事故を知ったのでした。たくさんの乗客が亡くなり香田さんの替わりに飛んだ先輩のパイロットも亡くなられた。
「あのときの香田さんの顔、今でも忘れられない。別れるしかなかったわ。あまりにも悲しい瞬間を共有して未来が描けなくなったのね。」
辛い、辛すぎる・・・。
「富樫さん、今でも香田さんのこと好きですよね。」鈍い元ちゃんでもそれはわかります。
のり子さんは元ちゃんの顔をじーっと見つめて「好きよ。」
「だったらオレ、やっぱり二人には乗り越えて欲しいっすね。過去を生きるんじゃなくて今を生きて欲しいですよね。そしたらまた未来を描けるかもしんないじゃないですか。すいません・・なんか解ったこと・・・。」
次第に涙うるうるになるのり子さん。「新海くんの言うとおりよ。言うとおり・・・。」
<シップに乗せてやるよ>
歩実を訪ねてハンガーに来た元ちゃんに、最初「緒川なら上がりましたから。」と言ったけど根がいい人の要くん、「はいお疲れ様です。」と素直に帰ろうとした元ちゃんに歩実が怪我したことを言います。
「医務室?怪我?」と何もそれほど眉間に皺よせんでも!って顔であせりまくって医務室に急ぐ元ちゃん。
行くと歩実がちょうど出てきたところ。
「だいじょぶなの?」
「何で知ってんの?」
「どうなんだよ。」
「だいじょぶ。縫わなくてすんだから。」
「気つけろよ。整備士にとって手って命だろ!」
「・・・・」
「なんだよ。」
「ありがと。」
へ?拍子抜けする元ちゃん。言い返されると思ってたのにね。
「送ってくから貸してみ?その手でどうやってクラッチ握るっていうんだよ。」『貸してみ?』ってのが好きだわ。
始めて元ちゃんの車に乗る歩実ちゃん。こないだ泣いたわけを話します。
「こないだごめん。ちょっとびっくりしちゃって。」
「・・・」
「何に?って聞かないの?」
「聞いていいの?」
聞いていいの?なんて優しいわー。それも自分なりに予想がついたからなんでしょう。いつか話してくれると言った歩実のことばがあるから。
車を止めて岸壁で話すふたり。レインボウブリッジを背景に、堤防をまたいですわってる元ちゃん。
いつか話した友達の両親ってのはウソで本当は自分のことと話す歩実。じっと聞いてる元ちゃん。
最後に何も言わずに小さくうんうん、って頷くような顔。
「なあんだ。もっとすっごく驚くかと思ったのに。ウソ?マジで?っとか。」
「お前オレのこと相当バカにしてるだろ。お前が飛行機怖いって言ったときから何かあるんだろうなって思ってたけど。」
これから香田さんにどんな顔して会っていいかわからない。整備士として認められたんじゃなくて、同情ってゆうか罪滅ぼしみたいなもんだったんだなって、と言う歩実。
でもそれは違うだろう、と元ちゃん。「わかんねえけど。最初はそういう気持ちはあったかもしれないけどお前の仕事はそれはそれでちゃんと認めてんじゃないの?てゆうか自分はどうなのよ?」
香田さんとか、グランシア航空とかを恨むって気持ちがあるのか尋ねる元ちゃん。
歩実は前は恨んだけど、今はそうじゃなくて、整備士になってよかったと思ってると言います。
堤防に背中をつけるように座り込む元ちゃん。タバコを出して。
「だったらそれを直接香田さんに言えばいいじゃん。私は今ちゃんと生きてます。ひとりの整備士として私を見てくださいって。」
「言えないよ!あたしだってショックだったもん。尊敬してた人が事故の関係者だったなんて。」
くわえてたまだ火のついてないタバコを口からはずしながらよいしょっと立ち上がって。「何を悲劇のヒロインぶってんだ。」って歩実の頭をパッコーン!いいわー!そのたたき方!好きぃー!
「悲劇のヒロインぶってなんかない!」
「ぶってんじゃんよ。『あたしだってショックだったもん』!意地悪さんなんだから!
「あのね、世の中あんたみたいにぶっちゃけられる人ばかりじゃないの!」
「何だそれ。」
「ムカついた。帰る!」
「乗れよ!」
「歩いて帰る。」
「ホントだな?じゃこの荷物いらねえんだな?」車に手をおいてこっちを見てる元ちゃん。
あ!って振り向いた歩実、元ちゃんはアゴで車の中を指して、『ほら、これ。』って仕草。なんか真剣な顔がすてき。
急いで助手席にもどって取ろうとしたら運転席から身を乗り入れた元ちゃんが一瞬早く荷物をゲット!
「シップに乗せてやるよ。」
「は?」
「お前をシップに乗せてやるって言ってんの。」いやーカッコイーイ!
そのシップとはオヤジの舟でした。釣り舟やさんに来て、おとうさんに声をかけます。
「オヤジ、舟だして。」
「オヤジ?」とびっくりする歩実ちゃん。全然似てないしぃー(笑)!
「客としてシップを出してもらえませんかね。ダメ?」
網を補修中のオヤジさんが歩実を見て会釈します。こう見えて元が家に女の子を連れてきたりしたのは初めてなのかもしれません。<オヤジと息子>
せっかく歩実をつれてきた元ちゃんだけど、今日はたまたま夜釣りのお客さんが入っててシップがないのです。
「今度は予約してください。」なんて愛想のいいオヤジさん。
ちぇっ!残念だけど仕方ない。帰ろうとしたらオヤジさんが呼び止めます。
「おい、何やってんだ。あがれよ。カンパチのいいのがあるんだ。刺身にしてやら。」
「メシはいいよ。」
「おめぇに食わすんじゃねえよ。ご迷惑をおかけしたお客さんに、あー、えー、おわびだよ。」
「何あがってんだよ(笑)。」ニヤっとした元ちゃん。オヤジさんをからかっちゃいけません(笑)。若い女の子なんてあまりしゃべる機会がないオヤジさんですから。
ふっと微笑む歩実ちゃん。
豪華な刺身が出てきて、小皿とか醤油とか用意してる元ちゃん。
オヤジさんは元ちゃんに「酒つけろよ。」と台所に追い出します。
息子を売り込むつもりか、昔ばなしを歩実にするオヤジさん。
「女房が死んだとき、インド洋にいたんですよ。」・・・帰るまで10日かかってしまい、その間中学生だった元ちゃんが葬式から弟の世話から全部やったのです。オヤジさんがやっと帰ってきたとき、泣きながら殴りかかってきたけど、さんざん殴ってもひとことも恨み言を言わなかったのです。
「何のとりえもないバカですが、そういうとこだっけは悪くねえなって。」
いいわー。このオヤジにこの息子あり!いや、顔はおいといて(笑)。
そこに帰ってきた弟と兄ちゃんのバトルは今日も力いっぱいです。おこたを囲んで和気藹々。
元気に笑顔になる歩実でした。
<シップに乗せて>
歩実ちゃんが香田さんと対決するのを、ひとりで公園で待ってる元ちゃん。
綺麗な青空に映える元ちゃんの姿が美しゅうございます。
歩実はお金を返してはっきり告げます。誰かを恨んで一生生きていきたくない。私たちは被害者ではなく自分達で生きている。私をひとりの整備士として見てください。それが私にとって過去をのりこえることです・・・。
公園のベンチで待ってた元ちゃんのところに戻り隣に座る歩実ちゃん。
今日はだいぶん二人の間の距離が近いな。
「行ってきた。」
「うん。」
「終わった。」
「そうか。」
シップに乗せてと言う歩実。じゃぁ、来週の月曜から1泊3日でハワイだからそれにしようかと元ちゃん。
「チケット取れるかな。」
「なんだったら予約のナンバーお教えしましょうか(笑)?」って冗談で笑い合ったあとちょと泣いてしまう歩実ちゃん。
「何、今になって泣いてんだよ。泣くんだったら空の上で泣いてみたらどうですか?」と言って、右に座っていた歩実の左手をガシっと握ると。
「痛いっ!」と飛び上がる歩実ちゃん。怪我したとこなのに!
せっかく歩実を励ましてあったかく包み込むような気持ちで、精一杯勇気だして手を握ったのに・・・。
文句たらたらの歩実に「すげー、気分だいなしだよ・・・・。」と立ち上がって前にある手すりのところまで行っちゃいます。
歩実も歩実で、こりゃ今を逃しちゃダメ!と思ったか、元の左側に立って痛くないほうの右手で、ポケットに入れた元ちゃんの左腕の肘のあたりを掴んでポケットから手を引っ張りだして、そのまま手をすーっと下まで下ろして、そっと元ちゃんの小指を握るのです。
え?と思ったけど、その歩実の手をしっかりと握り直して、自分の方にグイっとひっぱる元ちゃんでした。
おぉぉ、きゃわいーい!!それはなんちゅーラブラブシーンでしょうか!手を握る仕草だけでこれほどのラブラブシーンはいまだかつて見たことないわー。
ドラマを見てない人(女)に、このシーンを説明するのに、もうひとりめちゃはまってる人(女)とふたりがかりで実演してやったわよ(笑)!私は歩実役。ぷぷっ!
<緊急脱出訓練>
居眠りするジェーンさん、安住に身体を揺らされてます。
元ちゃんは機長役。乗客の妊婦役のジェーンさん。安住は「なんであいつが機長役なんですか。」ってブツブツ文句。「香田さんに愛されちゃってるからね。」
コックピットで香田さんに話す元ちゃん。「緒川にシップに乗せてほしいと頼まれました。来週ホノルルに乗せていきます。」
「香田さんも楽しんでください。」
さあ、訓練開始で脱出する場面。
ジェーンさんが「どういうこと?あたし妊婦よ!あなた怖いわ!守ってね。」
安住ちゃんったら「愛してるよ。」って。いいコンビだわ。
電気が消えて機内を見回る元ちゃん。歩実が呆然として座ってました。「大丈夫か?」最後に残った乗客として歩実を出口に連れて行きます。
歩実は内心怖かったけど香田さんに笑ってみせて、脱出用のビニールの滑り台で滑る。
降りたところで転びそうになった歩実に、びっくりした香田さんがあわてて降りようとしてつまづいた!
「危ない!」香田さんをかばった元ちゃんが!一番上から横にはずれてまともに落下!足がグギ!頭は大丈夫か!
落ちたときの苦悩の表情にまたうっとり・・・。
うっすら目が開いたけどそのまま閉じてしまったよぉ!おぉ元ちゃぁん!
「新海!!」香田さんの叫び。
木村さん何回あそこから落ちたんだろう。香田さんがつまづき、それをかばって落ちるなんて、演技ではなかなかうまくいかなさそうなのに違和感なく自然に落ちれてすごいわ、と変なところで感心。
<予告>
何でそんな思わせぶりなモノクロの予告なんでしょ。「彼は彼の運命を生きたのよ。」とか「シップに乗せてくれるって言ったじゃない。」とか、やだわー。最後なんて光の中の元ちゃんなんだもんなー。
死ぬの?って聞かないでよ私に。死ぬわけないじゃん。「GOOD LUCK!!」だもん。FLIGHT#07(03/03/02)
<身体検査>
今日はジェーンキャプテンのコーパイを務める元ちゃん。
お食事にフィッシュをご所望のジェーンさんですがあいにく肉しかありません。
明日身体検査だから、肉を食べたらコレステロール値が上がって正常値に戻るまで空を飛べなくなっちゃうからです。
元ちゃんたら「小学生みたいに検診検診って」って言うけどそれはいただけませんねぇ。パイロットとあろうものが。ちゃんと検診うけないとストレスたまる仕事だし、秀雄くんみたいな例がないとも限らないでしょ!
廊下を歩きながら歩実に電話してる元ちゃん。
「何か用?」
「こないだごめん。寝ちゃったりしちゃって。」
「いつの話でしょうか?
整備の人たちが大勢いるドックの自販機コーナーへ進入していってキョロキョロしてる元ちゃん。怪訝な顔で見られてます。
怒ってんの?今どこにいんの?としつこく訪ねる元ちゃんだけど、歩実は試験が近いため家でお勉強中なのです。
埋め合わせするから出て来れない?と聞くけど無理です。
整備さんの真ん中で、喫煙テーブルに体重を預けて電話してる元ちゃんです。
ダメ!と一方的に電話を切られて「一緒にがんばろうね、とか言えないのかよ!」とブツブツ。
しかし、歩実のお姉さんの顔の小ささはただ事ではないわ。妹はそれほどでもないと思うのに。(あ、実の妹の実日子さんね。)
身体検査のパイロットたち、病院着みたいのがかわいいわー。
夕べ時差があったからちょこっと飲んだらしい元ちゃん。歩実にふられちゃったからね。
ジェーンさんは見かけによらず身体チェックには厳しいのね。またひとこと多い安住は元ちゃんを怒らせてこづきあい。
そこにグレートキャプテンの山上さん登場。
「あれ誰ですか?」
口を大きくあけてる元ちゃん。先生!役得!元ちゃんの口の中を見られるなんて!いいわーん!
タバコの吸いすぎかポリープか、検査結果がでるまで乗務停止の元ちゃん。
「は?ちょっ!」ニッと笑って、「マジですか?」
<乗務停止>
とぼとぼ歩く後姿。タバコはラッキーストライク。吸おうとしてさすがにやめました。クシュっと握りつぶします。
飛行機を眺めて「あぁーーーーうあっ!」と叫んでみるのでした。
帰ると隣の謎のユンソナちゃんがショーちゃん!と持ってきたものは秘伝の黒酢。
「あなたが今悩んでるノドだって一瞬にして治るのよ。あたしにはわかるの!」と元ちゃんに押し付けてさっさと帰るユンソナちゃん。
「俺にはわかんねーっつーの。」
でも一応試してみます。ほの暗いお部屋で座って黒酢をコップに注ぎます。匂いをかいでむせてみたり。鼻をつまんでグググッと飲んで「うぉ!」
がんがん頭をテーブルに打ちつけて。そのままの横顔でしばし停止。最後にホワイトアウトしたときにやっと見えたけど。
<乗務停止明け>
2日後、検査結果を聞きに行く元ちゃん。廊下の椅子で待ってたら死の宣告を受けたような人が前を通っていくので心配です。
突然座り込んだので、「あぁーーーよかったあ〜」ニコニコ!スキップらんらんらん♪
無事業務停止が解けて意気揚揚と出勤する元ちゃん。ジェーンさんにいちゃもんつけられても大丈夫。「再検査パスしたんですから。」
「そうなの?何かつまんないなぁ。」ジェーンさんったら、正直(笑)。
そこにグレートキャプテン山上さんが。ジェーンさんたら、間違えて山上さんの肩を「なぁ!」ってポンと叩いたもんだから、元ちゃんに目配されて焦ってます。クスクス笑ってる元ちゃん。
山上キャプテンも「新海」の名前は知ってました。「あぁ。君が新海くんか。」
ジェ「はい。」
元「いや、僕ですよ。」(笑)ジェーンさんおかしいわ。
「915便よろしくお願いします。」
今日は監査フライトで、監査官は香田さん。「あちゃー!」って言うジェーンさん。
元ちゃんも、『うわー、よりによって。』って顔してます。
久々の操縦桿にウキウキの元ちゃん。嬉しさが顔ににじみ出てます。
下にいる歩実と無線連絡。
普通にしゃべる元ちゃんと仕事っぽく丁寧語でしゃべる歩実。そりゃ無線は二人だけでなく他の人も聞いているから、こんなくだけた話し方はしないんでしょうがね。普通は。
監査フライトの担当が香田さんと聞いて歩実の毒舌開始。
「せっかく乗務停止解けたのにね、日頃の行い悪いんじゃないの?」
「何で知ってんの?」
「会社中で有名だよ。このさいだからビシビシチェックしてもらったら?」
「うるせーよ!」
歩実も今日が試験なので、「お互いうまくいったらお祝いすっか?」と提案してみる元ちゃんですが。
「無理でしょ。そっちが落とされるから。香田さんに!」と、ぷいっと行っちゃう歩実ちゃん。
山上キャプテンと香田さんがコックピットに入ってきます。
香田さんの元を見る目、厳しい視線の中にも愛を感じるんです。堤さんってすごいわー。
<納得いかない>
テイクオフして監査中。歩実は試験中。
安定飛行に入って、「You have」「I have」
山上さんにお褒めの言葉をいただく元ちゃん。山上さんに同意を求められると「監査フライトの結果は目的地に到着した時点でお伝えします。」とつれない香田さん。
香田くんにも若い新米時代があったんだ。そのときの研修の教官は山上さんだったんです。
ちらっと香田さんを振り返って、ふぅーと息をつき、レーダーを見ると前方に影が出現。「あれ?」
「積乱雲につっこみそうです。」
ベルトサインを出してキャビンもあわただしくなり、すごい振動。
「速度上げます。」とスロットルに手を出したら先に機長が持ってたし、何かやろうとした元ちゃんの操作は否定されて「このままでいい。」と冷静に言われます。香田さんの厳しい視線が後から刺さる中で
「右に旋回する」とか機長にやられっぱの元ちゃんでした。
まもなく雲から抜けて「すいませんでした。」と謝る元ちゃんによくあることだよと言ってくれる山上さん。
「キャビンに説明入れます。」と言うと止められて説明は山上キャプテンがしてしまって、元ちゃんは立場ない感じ。
何か変な雰囲気であまりよくわからなかったんだけど、香田さんの説明でわかりました。
監査結果は・・・
「新海副操縦士は機長に対する援助業務にたびたび不注意が見られた。」でも・・・「次回のフライトからは注意するように。」だけでした。
あれ?って振り向くけど「はい。」って言う元ちゃん。
そして山上キャプテンには「あなたがもはや機長としての適正が失われていると判断しました。」ツーマンコンセプト(二人体制?)を忘れていたと言う香田さん。
え?と焦る元ちゃん。「ちょっと待ってください。山上キャプテンの操縦は完璧だったじゃないですか。それに積乱雲の読みが甘かったのは自分の方なんで。」
コーパイに指示しなければないときに自分の独断で操縦してしまった。指揮統率力に欠けてるという判断です。
それは傲慢じゃないかと怒る山上さん。「まだ12年前のことから自由になれないのか。」
ん?なんだ?って元ちゃん。
「私は私の仕事をしたまでです。」
山上さんが出ていくと、その場で香田さんは深く頭をたれてしまします。そんなところを元ちゃんに見られてしまって、取り繕う香田さん。
元ちゃんは出て行った山上さんをちょっと追いかけたけどもう行っちゃったあとで、戻ってきたら香田さんとすれ違います。
「あのすいません。さっきの監査結果納得できません。進退つきつけるのはやりすぎじゃないですか。」
自分はタバコの吸いすぎで乗務停止いなるような人間なのに、山上さんは健康に気をつかって完璧な人です、と訴える元ちゃん。
でも監査には監査の見方がある、と言う香田さん。
山上さんは香田さんの教官やった人だったら師匠じゃないですか、って言うけど、監査に個人的感情は必要じゃないとつっぱねられます。
「香田さんは納得してるんですよね。じゃあ、あの顔は何ですか?香田さんのあんな顔初めて見たんですけど!それに12年前のことって何ですか?香田さんを変えたことって何ですか?」
「君には関係ないことだ。」
「一緒に飛ぶ人間としてききたいだけです。」
「だまれ!」
影で聞いていたのりこさん、苦しそう。
激昂する香田さん。「お前は何でもぶつかったらなんとかなると思っている!世の中そんなに甘いもんじゃない!わかったような口きくな!」
ううーーー!香田さんの表情ってなんでこんなに素敵なのかしらー!元ちゃんの顔もぉー!
ため息ひとつの元ちゃん・・・。
スタッフってバンコク町並みとかだけ撮りに行ってるんだろうな、いいなあ。
ホテルのフロントで山上さんのことを聞くとすでにチェックインしてると言うので、メッセージを?って言われたけど断る元ちゃん。うーんかっこええわー!
ふとラウンジを見るとひとりで飲んでる山上さんが。
しばし考える元ちゃん。声をかけようかどうしようか、1歩ふみだしたけど、グラスをぐいっと飲み干している姿を見て一礼してそこを離れます。おぉーなんかしみるなぁ。
<香田の過去>
帰りの便のブリーディングで最後のフライトのあいさつをする山上キャプテン。一点を見つめる元ちゃん。
立ってる香田さんの前を無言で通る、チラッと睨んでスローモーション・・・。
空の上で山上キャプテンと話す元ちゃん。
自分がコーパイじゃなかったらこういうことにならなかったのに、と謝るのだけど、山上キャプテンは一晩で香田さんの意見を納得していたのです。
昨日は君を信じず機械を信じず自分の腕だけを信じていた、でもあのとき別のトラブルが発生してたら対応できなかった。人に任せられなくなってしまったら機長としては失格だ。
一度飛ぶ感覚を味わうとやめられなくなる。そんな私に惨めな引き際にならないよう辞める勇気をくれたのが香田くんだ、と話す山上キャプテン。
「香田くんにしかできない仕事だったんだよ。」
「香田さんにしか・・・。それはどういう意味ですか?」
山上キャプテンの話によると・・・。
香田さんは12年前グランシア航空にいたとき、体調を崩して彼の替わりに先輩が飛びその飛行機がアリゾナの山中で落ちた。そのときもし自分が操縦してたら運命が変わったかもしれない、と自分を責めて一度コックピットを降りた。当時自分の部下のCAと香田さんが交際してて香田さんを知ってた山上さんが全日空に誘った。曲がったことが嫌いですぐに人にぶつかっていくような男だったが事故以来変わってしまった。彼女との交際もやめて他人にも自分にも厳しいパイロットになった。彼を救うことができなかったことだけが心のこりだ・・・。
<無言の了解>
ハンガーで元ちゃんの916便が帰って来るのを見てにっこりしてる歩美ちゃん。
館内放送で、山上キャプテンのラストフライトのことが放送されてすごい歓迎の花道が作られていました。
その人垣でできた花道の中を元ちゃんも一緒に通ります。何か変だけど、ひとり外を通るわけにもいかないし、仕事だし。
歩実に近づいて「試験は?」「OK。」ってな会話を手でかわす二人。そして歩実の前を一旦通り過ぎてから戻ってきて「香田さん知らない?」って。それはちょっと?と思いました。みんなの前で交際宣言してるみたいじゃないですー?なんで香田さんのことを歩実に聞くの?っつーことよね。ジェーンさんとかに聞くのが普通だろうに。まあいいわ。何かしゃべりたかったのよね。
フライトの報告をすませて肩章と名札を返す山上さん。神妙な面持ちの元ちゃん。
花束を受け取って建物を後にする山上さん。いきなり退職すんだろうか?地上勤務になるとか、関連会社に出向するとか、じゃないのかしら。昨日の今日でいきなりすぎるわー。
出て行く山上さんの荷物を持って送る元ちゃん。「富樫さん、香田さんは?あ、お願いします。」
外にタクシーにのるところの向こうから香田さんがゆっくり歩いてきて、立ち止まり、うるうるの目で丁寧に頭をさげます。
見守る歩実、のり子。
じーっと見つめあう元ちゃんと香田さん。ふと歩実に気づきそのまま踵を返して行きます。
無言の男達の表情に泣いてしまいまいますわー。
<何で泣くの?>
夜いつもの橋でデート。微妙に距離を空けて並んでるバックショット。
「しかしかなわねーよなぁ。」
香田さんは山上さんのこと考えて進退をつきつけて山上さんは全部理解してそれを受け入れた、という話。
「すげぇじゃん。」
「そんなこと誰にでもわかるじゃない。」
「あの人も単なるサイボーグじゃなかったんだなーって。」
「だからあたしは最初からそうだって言ってんじゃん。」
「何なのその偉そうなの。そういうのムカツクって言ってんじゃん。」そうそう、歩実はこの時点で香田さんと何のつながりもないのに、何かしったかぶりなの。
「あんたが鈍いだけじゃん。」
「じゃお前知ってんのかよ。前の会社で香田さんが事故機にのるはずだったっての。」
アリゾナに落ちた事故だと聞き固まる歩実。そしてあふれる涙。それに気づかずしゃべり続ける元ちゃん。
「思うんだけど、香田さんってそういう事故起こさないために人生捧げちゃってるっていうか、今もその事故と闘ってるんだなって。」
涙涙の歩実ちゃん。
「な?」と歩実を振り返る元ちゃん。
「おまえどうしたの?」・・・・心配そうな元ちゃん。
今日は歌が早く流れ始めて2番がタイトルバックで流れました。
今日はぶっちゃけなかったな。
FLIGHT#06(03/02/23)
<デートの約束♪>
ムカツクって言い合った告白のあと。
元ちゃんは歩実に近づいて。ちょっと嬉しい感じ。
「あ?」
「何よ。」
「何が?」
ちょっとそっぽ向いたりして、話す言葉を捜す元ちゃん。
「何か言ってよ。」
「あぁ。よかったらさ、じゃぁ、メシとか行か・・・行かねぇか。」後ろを向きかけて。
「また?」って言われてすぐ振り返る元ちゃん「あ?」
「メシならいっつも行ってんじゃん。」
「いや。そうだけど。」
「違うとこ、だったらいい。」
「え?違うとこ?」
「だからぁ・・、お好み焼きとか回転寿司とかじゃなくて、もうちょっと何か・・・」
「あぁあぁ、おシャレな感じの。」口いっぱいにバナナがもぐもぐ。
「別にそういう・・・」
「要するにあれでしょ?デートらしいデートって・・・ことでしょ?」
「今までだってあんたとデートしたことないじゃん!」きっぱり!
「いや、オレが行きてぇから。そういうとこ。ね、今日何時だったらいいの?」と腕時計を見たりして。
「今日はダメ。」
「はぁ?お前オレのことからかってんだろ!」と一歩二歩と歩実につ詰め寄る元ちゃん。歩実あとずさり。
「違うよ。夜勤なの。今日とあした。」
「そういうことだったら最初から言えよ。」バナナの皮をぶらぶらさせて。
「言おうと思ったらあんたがごちゃごちゃ言ってきたんじゃ・・」
「言ってねぇよ、ごちゃごちゃなんて。」
カメラが遠めで二人の周りをちょっとぐーっと移動して、いい感じ。じっと立ち止まってるわけでもなく、片方が1歩動いたら片方も動くみたいな、微妙な間。
「オレあした北京だからさ。」
「それで?」
「帰りが日曜なんだけど、その夜とかどう?」
「・・一応平気。」
「じゃあオレ押さえとくよ。そういうデートって感じの。」ちょとニヘッてしちゃったからすかさずそれを指摘する歩実。
「やらしい!」
「何が。」
「言い方がやらしい!」
と言ってとっとと元に背を向けて行っちゃう歩実。
「おい!こら!お前、ちょっと、聞いてんの?」
くるっと振り返った歩実「待ってる。日曜。」
「おぉ。」ちょっとびっくりして、うんうんうんと小さく頷く元ちゃん。
歩実の後姿に「「お前、ばっくれんなよ!」
それ聞いたら歩実ったら走り始めちゃって。その後姿がすごくかわいい。なんか嬉しさがにじみでてる。
元ちゃんだって歩実の走ってく姿に思わずニッコリ。いったん向こう向いてからもう1回振り向いて、ホントに嬉しそうだー。コートのポッケに手を入れてステップとスキップの間のようなステップしちゃって♪
<ゴミ泥棒>
Saturday 8:53am。
今日もあわてて出勤。大きなゴミ袋を持ってマンションの外の階段をかけおりて来る元ちゃん。ご近所のおしゃべりおばさんの格好の標的なんだわ。
あの人、カッコイイわねー。パイロットなんですって。まあもてるんでしょうね。でも全然女っ気ないみたいよ。あら、どうしてかしら、あんなにカッコいいのに。自分できちんとゴミ捨ててるしねぇ。きちんとしすぎててモテないんじゃないの?あぁ最近そんな若い男多いのよね、何でも自分でできちゃって結婚しなくてもいいって思ってるような。・・・・延々と続くわ(笑)。
いったい何が入ってんの?って感じの可燃ごみをゴミ箱に入れて助手席から荷物を乗せてたら、謎のユンソナちゃんが元ちゃんのゴミを取り出そうとしてるじゃありませんか!
「ちょっ!オレのだよ!」慌てて取り返す元ちゃん。
「オレのゴミだよ。ダメでしょ!」
「ワタシタチノ大切な思い出をステナイデ!」
「ワケわかんないよ。何言ってんの。」
「ヤクソクッチャナイ!」
「・・・いや、だからわかんないって!」
ホンットに迷惑しちゃうわ!みたいな顔でのフンッとゴミを持ってく謎のユンソナ。どっちが悪いことしてんの(笑)。
「ちょっと待てよ。ありえねぇじゃん!ゴミは!・・・生活丸見えじゃねぇか、ったく。」
と上を見上げるとさっきの主婦たちが見てました。ちょっと会釈するかしないかぐらいに頭を下げて、ブツブツいいながらサングラスをかけて車に乗ります。
「何なの。そう。ジロジロ・・・ジロジロジロジロ見んなよ・・・・。」ブツブツ・・・。
走る車。サングラスにくわえタバコ。ガラわるぅー(笑)。
<帰りの天気をチェック!>
3:37pm 成田
あしたのフライトの書類を受け取り確認してるとニコニコしながらジェーンさんがやって来て、元ちゃんをジぃーっと穴があくほど見ています。
折り返し便の日曜の天気なんぞを聞いていると。
「げんちゃん♪張り切ってるね。」
「オレはじめですよ。」
「いいんだよ。今日はげんちゃんで。何かあんの?今度の日曜。」
「別に。」
「まさか緒川歩実ちゃんとデートじゃないだろうな。」
「違いますよ。」
「あ、そう?そいじゃあれか、富樫のり子か。」
「んなことあるわけないじゃないですか。」
「あの女はやめとけ。危険な女なんだ、血を見るぞ。」
こういうことには敏感なジェーンさんなのね。
そこに香田キャプテン登場。同じく日曜日にのり子さんと会う約束してる香田さんも帰りの天候が気になるのですが、もう元ちゃんが聞いてると知って「珍しく気がきくな。」
「歩実ちゃんかわいそうだからさ、回転寿司だけはやめとけよ。」肩をポンポン。おかしなジェーンさん!
<あんたが運転するの?>
12:30pm in北京
北京でも遅刻しそうな元ちゃん。ホテルの廊下を走ります。「先に行って待ってねぇとあとで何言われるかわかんねーし!」
でも香田さんは先にロビーに行って待ってました。
チェックアウトを待ってる元ちゃん、クレジットカードを口にくわえてます。
もうモノをくわえることについては芸術的な域に達した感のある木村拓哉です。
サービスカウンターで、日本にオペを待ってる患者がいるから一刻も屋早く帰る便を手配してくれとヒステリックに叫ぶ女医さんに声をかけてしまう元ちゃん。
「もしよかったらチケットカウンターの電話番号お教えしましょうか?」
「あんた何?」
「あ、全日空の者です。」と胸の社章なんか見せたりして。
「じゃ、あんたかけて。」と電話機をズンと胸につきつけられます。
「は?」
「当然でしょ。あんたとこ乗るんだから。」
ダイヤルしてる元ちゃんに女医さんが聞きます。
「あんたが運転すんの?」
「え、まぁ。」ってふふって愛想笑い。
チケット取るので名前を聞いて、電話しつつなので1回聞いたのにまた聞いてしまったら。
「そんなんで大丈夫かねぇ。」
カチーン!「絶対大丈夫ですよ。ちゃんと成田までお送りしますから。」
柱の影で『またアイツは余計なことに首突っ込みやがって、ったくぅ。』って思ってるような顔の香田キャプテン。
<行き先変更>
夜のフライト。なにやら不穏な空気が。
「あれ雷ですかね?」
「この季節は天候が変わりやすい。遠いが油断するな。」
6:45pm。濃い霧で成田上空に20機ほど待機中。しばらく旋回して様子をみることに。
8:00pm。成田上空。
「視程は300mです。ほとんど見えません。」
成田、羽田がダメなら関空へ行くことにして、関空への着陸を申請しますが、関空は雷雲が張り出して無理だといわれます。
「しかたない。北上しよう。」なんと新千歳へ行くという香田キャプテン。
「でも新千歳に降りたら成田に戻るのは明日の朝の振替便になりますよね?」
「不満か?」
「あの・・・」と乗客の中に女性のドクターがいるから、と言う元ちゃん。
「もう少し粘ることできませんか?ひょっとしたら霧だって晴れるかもしれないし。」
「キャプテンの決定だ。」
仕方なく新千歳への着陸を申請する元ちゃん。機内アナウンスが香田キャプテンからあると、いらだつ乗客たち。
<整備士さんたち>
要ちゃんは歩実のことはお見通し。北京便を待ってるってこともわかります。
「新海さんは悪い人じゃないけど、パイロットはもてるから、お前みたいなタイプは苦労するんじゃないかなって。」切ないね要ちゃん。
<最後まで諦めない!>
9:15pm 山形上空
CAさんがコックピットと話していた電話を横取りして文句言う女医さの石田えり先生。
「何とか言いなさいよ!パイロット!あんたがチケットとって乗せてくれたんでしょ。だったら最後まで責任とりなさい!」ありえん・・・・。
でも、むぐぐぅーってなる元ちゃん。
「キャプテン。今からもう一度だけ、成田に引き返すことできませんかね?」
そんなことはきっぱり拒否するキャプテン。当たり前です。
「たった一人のためにリスクを買って飛ぶことはできない。」
「たったひとりじゃないっすよ!おそらく乗客はみんな成田に引き返したいと思ってます・・・・。」始まりました、熱血元ちゃんの演説。
「御家族に何かあって急いで戻りたいって思ってる人もいるかもしんないし、仕事の期限に追われてる人もいるかもしれませんし、あと、恋人を待たせてる人だっているかもしれないじゃないですか。」
(オレもそんなような感じだし・・・)
「乗客を安全に目的地に送り届けるのが自分らの仕事だったら、もう少しねばってもいいんじゃないですか。」
「このまま成田上空を旋回して万一燃料切れになったらどうする?300人の命が奪われるんだぞ。」
「だってまだ燃料はありますよ。せめて30分ねばらせてください、リスクはないはずですから。」
「言いたいことはそれだけか。」
「乗客のためにもっとベストを尽くすべきだって言いたいんです。たしかに安全は第一ですよでも自分らがこのシップに乗せてのは、貨物じゃなくて人間なんです。」
ひとりひとり感情のある人間なんです・・・・
「生意気かもしれませんが自分は安全だからこれでいいだろうと突き放すんじゃなくて、ギリギリまでオレは諦めたくありません!」
「誰が諦めると言った?」
「え?」
「私は諦めるとは一言も言ってない。」
「どういうことですか?」
なんと香田キャプテンは、一旦新千歳に着陸して燃料を補給して成田に再度戻るとおっしゃいます。
関空が雷雲に襲われてるといってたので、成田の霧は雷雲に吹き飛ばされ必ず雲の切れ間が起きるから、その一瞬を狙って降りる、と。
元ちゃん。目からウロコ!『いやー、まいったなー。』って顔で唇を噛んだりして。
「ギリギリまでねばるにはまず判断力が必要ということだ。」
はー・・・と感心するばかりの元ちゃん。
「返事は?」
「はい・・・あ、ラジャ!」
そのことを連絡する元ちゃん。ニヤッとして。『やるなー、香田さんって』って顔してます。
今度は機内アナウンスを元ちゃんがします。「副操縦士の新海です。」新千歳に着陸後燃料を補給してもう一度成田に向かいます、と言うアナウンスに拍手がおこるキャビン。
石田えり先生もホッとしてます。
香田キャプテンの横顔を見て、また尊敬しちゃいましたね、元ちゃん。
<待ちぼうけの女ふたり>
偶然会って話が盛り上がる女ふたり。
今日はすっぽかされたというのり子さん。「もしかして緒川さんも?・・・相手は空の人でしょ。あ、ごめんごめん。」
空の仕事ってすれ違いが日常茶飯事だし、予定どおりいかないし、シップに乗ったら連絡もとりあえないし、大変だって話をするのり子さん。
「あなたは彼を信じて待ってあげられる?」
うーん・・・考えちゃう歩実です。
別れ際、香田さんとのり子が似てると言う歩実。そしたらのり子さんは歩実が新海くんに似てると言います。「不器用だし言いたいこと言うし、あちこちぶつかって。でも憎めない。」
「や、あんなぶっちゃけ男と一緒にしないでください!」
「あら、私新海くん好きよ。バカみたいにまっすぐな人、そうそういないものよ。」
そうなのかな−って空を見上げる歩実ちゃん。
<行くぞ!>
10:45pm。新千歳。燃料補給を急がせて飛び立つ。
11:55pm。鹿島灘上空。
「さっき言い忘れたが。ギリギリまで粘るにはキャプテンとコーパイのコンビネーションが必要だ、高度なランニングだが息をあわせてやろう。」
「はい。」うんうん、と頷いて自分にしっかり言い聞かせる元ちゃん。
0:42am。月曜日になっちゃいました。
視程200mってことはさっきより条件が悪くなってます。
「これでまた千歳に戻るなんて言ったら乗客とか・・・」焦ってる元ちゃん。
「落ち着け。晴れ間は必ず出る。」
緊迫した中、滑走路が開いたという連絡が。
「行きますか。」
「よっし、今しかない。行くぞ!」
「ラジャ。」
汗をにじます元ちゃん。緊迫の時間。高度が下がっていき、首を伸ばして前を見る元ちゃん。
「あ、見え、見えた!!」
「アプローチライト!インサイド!」・・・・アプローチ・・ミニマム!ランディング!そして少しも衝撃がない見事なランディング。さすが香田キャプテン。
拍手が起きるキャビン内。
ほぉーっと一息。涙目の元ちゃんでした。
<おつかれさん>
石田えり先生が降り際に丁寧にコックピットと電話で会話します。
「お疲れ様。約束どおり成田まで届けてくれてありがとう。」
「いえいえ、時間かかっちゃってすいませんでした。」
「いい、だいじょぶ!」
「あの到着ついでに何なんですけど、先生もベストをつくすって約束してください。」それは大きなお世話じゃん(笑)。
「あとは任せて。絶対救ってみせる、あんたたちに負けないわよ。」かゆい・・・。
「ありがとうございます。」その会話を聞いてふっと笑った香田さん。
「じゃ急ぐから。」と受話器を太田さんに放り投げて降りていく先生。
「だ、そうです。」とあとを続ける太田さん。
「お疲れ様でした!」
香田さんに謝る元ちゃん「すいませんでした。生意気なことを言って。」
「オレ、あの・・・実はトライしてダメだったら千歳行ってもいいかなと思ってたんですけど。結局一度もあきらめなかったですね成田。・・・香田さんって・・・」
「新海、今何時だ?」
「は?1時半です。」
「長いフライトだったな。」しみじみぃー・・・。
「は・・・1時半?!」その驚き具合はどういうんでしょう。今のいままで時間を知らなかったわけじゃないのに。ここではじめてデートの約束を思い出したの?
「どした?」
「いや、別に。何でもないです、なんでもないです。お疲れさまです。」
出ていきかけた香田さんが、振り返って後から優しい声で「お疲れさん。」
え?と振り返った元ちゃん、びっくり。「お疲れ様でした・・・。」
もう行っちゃったと思ったのに、「は、びくりしたー。」・・・でも嬉しくなって笑っちゃいました。へへへ(笑)って。「ゆっちゃってんの(笑)。」うふふ♪
ふわーーーってあくびが出て、「あー違う!違う!」と書類を片付けてバタバタ降りる準備の元ちゃんでした。
<遅めのデートのお誘い>
2:15AM。歩実の電話が鳴ります。
「もしもし、新海ですけど。ごめん、もう、寝てた・・・寝てたよね。」
「当たり前じゃない。いったい何時だと思ってんの。」
「ごめん、千歳にダイバートになっちゃって。」
「知ってる。」
「あ、そうだよね、うん。」
千歳にいるはずの元が今佃にいるって言うので、冗談ゆうな、と言う歩実だけど、電話から聞えてきた救急車の音が直に聞えてきて・・・。
「マジで近く?」
「いや、かなりマジ。」
「なんで?」
「どうしてこうなっちゃったかをちゃんと話したいからさ、だから、今から、出て・・・こられるかな・・・?」
「だってもう遅いし。」
そしたら受話器はずして。「あいてーー!」なんて!おぉぉーーー元ちゃん!この罪つくりが(笑)!
「え?」
「もうさ、ちゃんとした店っつうか、デートって感じのとこはやってないかもしれないけど。会いたい、から・・・。」
「お願い!」手を顔の前に立てて拝む元ちゃん。いやーんこんなことしてくれたら、なた!そりゃどこでも行きますがな!千歳だってどこだって!
「します・・・。」うぅーーー可愛いよぉーー!!
ふっと笑って唇つまむような仕草の歩実ちゃん。
片やお姉さんカップルは、電話はかかっていたけど会えませんでした。
「今どこだ?」と聞かれて「とっくにうちよ。」っていうのも大人。
「これから飲めないか?」「千歳にいる人と?」って言われてそれを否定しないのも大人。ってことで。
ダメねー、大人は素直じゃなくて。
<夜中のデート>
そして、待ち合わせのファミレスに行く歩実ちゃん。元ちゃんの車のドアミラーで髪とか直したリして、かわいいじゃん。
店の一番隅っこにすわってる元ちゃん、歩実が近づいてみると、肘ついて寝てました。
「もしもし!・・・(でかい声で)もしもし!!」
ビクンと起きて「びくしたぁー。」もう、うたたね中起こされたときの芝居は右に出るものなし!
「あ、だいじょぶ。起きたから。」
「・・・・・・・何かしゃべってよ。」
「ん?うん・・・成田が霧で、ダイバートになっちゃって。」
眠い元ちゃん。話しながらテーブルの上に腕を重ねてその上にアゴをおいちゃう。
「1回千歳まで戻ったんだけどぉ・・・。乗客の中にお医者さんがいて・・・・ZZZ・・・・」
腕に乗せた顔は幸せそうで、2回ぐらいちょっと笑みをうかべたりして。
「ちょっとぉ・・・」
ゆっくーりと元ちゃんの頭が重力に負けて下がっていきます。
「何だよ、せっかく来たのにぃ。」って言いながら元ちゃんの寝顔見てふっと笑ってしまう歩実ちゃん。
そのままどのくらい彼の寝顔を見てたのでしょうか・・・。
<そして夜明け>
おぉぉーー寝顔の超ドアップ!!ん?と目が覚めると袖口のあたりにおしつけていた口の違和感をもごもご直す元ちゃん。ヨダレが袖口についちゃったしー、外はほんのり明るいしー。
掃除する店員さんを横目にみながら、ちょっと足とか上げて、ナプキンで袖口のあたりをゴシゴシ。
「すいません。ここにもう一人座ってましたよね?」
「?」店員なんて言ったのかわからないけど、そんなもん朝まで寝顔を見てるわけないです(笑)。
元ちゃんは店から出てきてサングラスをかけて「さみー」とコートの前を合わせ車に乗ると、ワイパーに何かがはさんであります。
降りて見てみるとナプキンになにやら書いてあるぞ・・・。サングラスをずらして見ると、『仕事だから先に帰る。バーカ。』
「やっべー。」サングラスを鼻メガネ状態にしたまま、背中で半開きのドアにもたれてドアがバタンと閉まって、「つー・・・。」
はぁーな感じであらためて置き手紙を見て、「ばーか。」って口に出して言ってみました。うふ♪