輝く季節の中で


<1〜3話>
文教医科大6年、樋口慎一(中居正広)。医大最後の1年ポリクリの生活が始まった。
同級生、藤谷果菜子(石田ひかり)は沖永良部島出身。両親を亡くして島の女医に育てられた。
1995年春、桜の花の下。
樋口くんは知った顔を待ってたといいながら、本当はなるみ、いや、藤谷果菜子を待ってた。
額がオープンな痩せっぽっち・・・なんか本当に昔の中居って感じ。そりゃそうだ昔の中居だもん(笑)
容姿端麗、頭脳明晰な男沢田(保坂尚輝)と同じくその女性版の星野(篠原涼子)。ちょっとみイヤなヤツだけど根はいい人。よくあるパターン。元看護婦で既婚者の水橋(井森美幸)。この5人が同じグループ。

指折り数える仕草がかわいい樋口くん。
でもそのオレンジのチェックシャツに大柄なストライプのネクタイはどうよ。中居カジュアル(笑)?

担当教授高槻(長塚京三)が本当に憎らしキャラ。
父親が有名な教授の沢田に何かとつっかかる樋口くん。ひがみまくりです。
藤谷に「なぁーに落ち込んでんだよぉ。」「なぁーに」っていう言い方が中居だ。
入学式の時から目をつけてたのね。それって取手くんとライバル(笑)?

初めて担当する患者は、樋口くんはおばあちゃん。藤谷には重い患者が当てられる。教授の思惑は?
患者についてのレポートでそれぞれの性格が現れる。薄っぺらいレポートでけちょんけちょんにやられちゃいます。

ガス爆発で現実を目の当たりにした学生たちは落ち込む。元看護婦の水橋、すごい!医者みたい。
看護婦さんの稲森いずみ、話したこともないポリクリの沢田くんちにピンポン来ちゃった攻撃!
本当は優しいイイヤツの沢田くんです。

かわいいなぁ樋口くん。彼女を送ってって、「んじゃ!」って帰る。
「おばあちゃん、どう?」って聞く姿は到底直江じゃないなぁ(笑)庶民派!
また沢田にレポートに難くそつけられて出ていく樋口くん。そりゃ「鼻っ柱へし折ってやる」ってあんなにえらそうなこと言ったんだもん。河原で石を投げてると星野が見つけて自転車で背中をゴツンってやるのが素敵。星野は悩みを話してみたけど、「よく分かんないからそんなこと沢田くんにでも言えば?」と言って行っちゃう樋口くん。「あいつじゃ会話が成立しない、か。」と星野。
そこの河原は直江先生もいたとこではないかしら?紅白の鉄塔がよく似てる。

自分ちでは前髪をおろしてるのがかわいい!
卑怯な手段で沢田のレポートの欠点を見つけて口頭試問でつっこんで、得意満面。でも自分のレポートは最初のまんま。それはちょっと、ちょっとの樋口くん。でも怒られる横顔が綺麗!
ロッカールームで白衣を握りしめて苦悩する姿はちょっと直江入ってる。

暗い顔でパチンコ。投げやりな樋口くんは様子を見に来た藤谷に頬を叩かれる。
担当した患者のおばあちゃんに挨拶しに行くと、「樋口先生、樋口先生」って慕われて、苦笑い。
いつもの喫茶で落ち込んでる樋口に声をかける沢田。本当は慰めてやりたいんだけど素直じゃないから。

翌日おばあちゃんが亡くなる。おばあちゃんが樋口先生に見せたいと言っていた若い頃の写真を渡される樋口くん。
「ばあちゃん何で死ぬんだよぉー」と叫ぶけど、涙はでません(笑)。
で、口頭試問中の部屋に飛び込んで教授に土下座。土下座キャラ爆発。でもそのまま放っておかれる樋口くん。
「医者になりたいんです」って真剣な言葉にみんながちょっと動揺してる。でも先生はクール。
試験会場にお前の席はない!と言い放たれる樋口くん。
でもあきらめないから、と勉強に頑張ります。
喫茶で勉強中、また星野にバカにされながら、アゴをチョコチョコってなでられるボクチャン。
図書室で勉強中、また沢田に嫌みを言われる。
「試験受けられないとさ、無駄になるんじゃないのか。」
「いいの、それでも!」って沢田の置いた本をグイって寄せるのがすごくかわいいよぉー。
「お前さぁ、人がいやがることとりあえず口にするのやめてくんないかな。」
「性格だから。ま、ガンバってね。」
ガンバってねなんて言われてちょっとびっくりする樋口くん。
沢田はエリート友達に、「あいつはやめたんじゃなかったのか、ライバルにもならないけどね。」と言われて「そうでもないかもよ。」と。

試験会場に行くと席がない・・・。階段教室の真ん中に立ちつくす樋口くん。後ろの端の空いた席に力無く腰をおろし、机に突っ伏して泣きそうな樋口くん。と、教授がバンっと試験問題を置く。
「ありがとうございます!」
「頭を下げるな。医師は誇りを持て。」
出ました、アゴをカクカク!「ハイ!」
よかったねってみんなが微笑む。

<4〜6話>
星野は試験を白紙で出した。「みんなのように医者になりたいわけじゃないからやめる。」
今日からは産婦人科。
樋口くん前髪下りてる。かわいーい!

沢田と藤谷の間が気になる樋口くん。
出産がある予定の日、当直する面々。
沢田「びびってんのか?」
樋口「正直、言うとな。」
沢田「実はさぁ、オレもなんだ。」
樋口「へぇ沢田先生でも。」
なんか暖かい。

出産を目の当たりにして涙する星野。

青い手術着の樋口くん・・・ちょっと違和感が。やっぱり手術着の直江の方が似合うなぁ。

雨のなかで沢田と藤谷がキスしているところを見た樋口くん。稲森も見てて、ふられた者同士、盛り上がる二人。やけくそでしゃべりまくりの樋口くん。
追試を受けに来た星野。遅れて来て、ちゃっちゃとやって一番に出ていく。「満点のはずですから」ってカックイーイ!
廊下でみんなが待ってて、やったー!って手をたたき合うのが青春してる。いつもの喫茶で喜び合うみんな。
藤谷の乱暴な励ましでそれまで手術を拒否していた衣子が手術を受けると言ってくれて一件落着。
無事に終わってみんなでカンパイ。
「でもお前は医者にはむいていない。」と言われる藤谷。今後の少しでも問題があれば即座に放校処分とも。

「手術」って言葉が言いにくいって前に言っていた中居さん。ちょっと変だったな、今日の「手術」は。

今日からは小児科。
図書室で話す藤谷と沢田を見てうなだれて帰っていく樋口くん。星野とすれ違っても気づかずに出ていく。
星野って沢田をそんなに好きではないくせに、藤谷に取られそうになると闘争心むき出し。
でも星野のキャラ嫌いじゃないし、篠原好きだし。対抗する藤谷は可愛い系だけど、やっぱり嫌い!なるみも嫌いだったし。やっぱり私は石田ひかりが嫌いのようです。

ひとり寂しげに鉄棒にぶらさっがってるお猿さん!稲森に見つかったので、飲みに誘う。あー接近だぁー。
タクシーに乗ってる樋口くんと稲森。「慰め合いましょう二人で。」って言う稲森。
「え?はぁ。」って、樋口くんやっちゃいますの?でもタクシーの中で「次、行こう!」って叫んでるような感じだった。引きの画だったけど。

授業に遅れている藤谷のことを沢田に聞いたら「さあ。」と関心なさそうな返事なので、「さあじゃないだろ!」といきなり興奮の樋口くん。
喫茶に友達といた稲森を誘って出ていく樋口くん。出口で沢田と会ってちょっと複雑な表情。

徹夜の勉強で試験に遅れた藤谷は、試験を受けさせてもらえなかった。先生を睨むみんな。
苛ついた藤谷に会った小児科の子供が怪我をした。適切な治療したがそれは違法であり、責任を感じた藤谷。
教授会で処分を検討中、沢田の友達がカンに障ることを言うので、食ってかかる樋口くん。処分は高槻先生に一任ということになったが、藤谷は自分から辞めると言った。

家にいる藤谷に電話する樋口くん。
沢田が家を訪ねた後に来て、沢田の後ろ姿を見て、「やっぱ、オレは必要ないか。」
やだなぁーこの藤谷のキャラ。なんでかなぁ、悲劇のヒロイン気取りで自分勝手。理子に近いものがある(笑)。

いつもの学食の店でビールを飲んでると、なんで医者になったの?ってアルバイトの後輩に聞かれる。そこに稲森が来る。樋口くんが呼び出してたんだけど。
なんで医者になろうと思ってたか。
「実はね、ブラックジャックを読んだからなんだよね。オレさこう見えても小さい頃神童って呼ばれてたのよ。うん。それでね、末には医者か弁護士かって。そんな風に言われてたんだよね。そんなときにブラックジャックを読んでこっちの方がいいかなぁって思ったの。」
それで闇医者ジャックになったのか(笑)
でもそのころがピークでどんどん下降線をたどり、今の大学も補欠入学だし、いまさら引っ込みつかないし、と言う樋口くん。
稲森が看護婦になったのはナイチンゲールを読んだから。ホントか?疲れてきて玉の輿を考えてたけど、やっぱり甘い夢はみないことにしたって寂しそう。
「オレじゃ、ダメかな。オレだって医者になったら結構稼ぐと思うし、オレに掛けてみない?競馬の馬だって誰もかけてくれなかったら燃えないと思うのよ。誰か一人でも掛けてくれてたらめいっぱいがんばれて、沢田にも勝てるんじゃないかなって。」
「でも樋口さんは藤谷さん?」
「何言ってんだよ。あいつにはオレは必要じゃない。確かにアイツに惚れてたよ、でももういいんだよね。俺たちならうまくいくんじゃないかなって。どうだろ、ブラックジャックとナイチンゲールってことでさ。」
一緒にしないでほしいけどって言いながら頷く稲森。
「あそう?気合い入ったよ、オレ」って喜んでる樋口くん。
でもそれちょっと調子よすぎじゃないの?稲森に失礼だし。甘いなぁ、子供だなぁ。

藤谷が島に帰ったと聞いて沢田に
「お前が何とかすると思って!」と怒る樋口くん。
星野は「あんたもわかりやすい人だね。よく言えば善人悪く言えばただのいい人。」
「なんなんだよ。バカにしやがって。」
「別に。羨ましいだけ。それに、そういうのって嫌いじゃないんだ私。」
「いい加減にしろよ。このバカ!」と去っていく樋口くん。
『このバカ!』という台詞がなんとしっくりくること(笑)!その大きな目!「バカ」の力強さ!このドラマの今までの最高の台詞だわ。
星野は「バカ・・・生まれて初めて言われた。そんなこと。」

田舎に帰ってみんなに期待されてると知り、衣子には逃げたと言われ、怪我した子供の言葉にも励まされ、戻ることを決めた。
沢田のエリート友達が帰ってきた藤谷を見てまたなんやかんや言うのでつかみかかる樋口くんを抑えた沢田が友達を殴り倒した。
びっくりの樋口くん。

とりあえず当面の問題は解決したけど、「医師になる適正はお前が最低だ」と教授に言われる沢田。
さあ沢田の明日はどっちだ?!

<7〜9話>
夏休み、藤谷は大学で実習と追試。
樋口くんの部屋にはちゃっかり歯ブラシが2本。あららら。鏡の前には化粧品、窓のところにはワンピースがかかってる。
9月1日、後期開始。でかける樋口くん、布団の中にいる北川幸子に「行ってきます。」ってかわいいお顔。前髪は完全に降りててよかったっ。

学校で沢田と藤谷を追い越す樋口くん、無言で。星野も無言・・・。

なんか思い出すなぁ。長い夏休みが終わってみると、なんか仲よさげになってる二人っていたよな。そんなにその人が気になってたわけでもないけど、仲良く歩いている二人を見てつっけんどんにしたりして。
沢田と藤谷が並んで話しながら歩いている時後ろの方から歩いてくる樋口くんがぼんやり見えた。
ミーティングルームでは、樋口くんたら藤谷の隣の定位置ではなくて、星野と水橋の方に座ってたりして。二人が入ってきたときにきっと見つめる大きなお目目がきれい。

前期の成績発表。
樋口くんは最低のD評価。
沢田はBで納得いかない。「私は樋口や藤谷とは違います。」
高槻教授は言った「確かに違う。試験の結果ではなく、医師になる適正から言えば二人以下だ。」

樋口くんは自分でどう思う?と聞かれて「やっぱりD・・かな。」ってかわいく謙遜して言ったのに・・・。

今日からは外科。重い患者をつけられる沢田

樋口くんはしょぼーんとベンチに座っていると幸子が来た。
しょぼんとはしてられない、「オレさ頑張るからさ。」と決意表明。
藤谷が来て幸子が行ってから。
「なんだよぉ。おめでとうとか何とか言ったらどうだよ。」
「は、やっぱりそういうこと。」
「そうだよ。」
「おめでとう。」
「サンキュ。よくそんなヒマがあるなって思ってんだろ。」
「そんな被害妄想よくないよ。」
「崖っぷちだけど、がんばる。応援してくれてる人がいるからさ。」

幸子ってば「じゃ夜ね、寝てていいから。」と言って去るなんて。何だその言い方は。あー女のイヤなところだ。

先生に告げられる樋口くん。
「D評定というのは圏外だ。お前の場合問題は学力だ。自分で努力するしかない。」

仮にも医学部なのだから頭はいいのよ。だけど学力が問題なんて・・・。医学部行かなきゃこんなこと言われずに「あの人頭いい!」って言われて人生を送れるだろうに。仲良しの友達で二人医者がいるけど、こんなに大変だったとか聞いてないなぁ。あぁ、彼女らは頭がいいのか。そりゃそうだ。

沢田が担当患者を替えてくれと先生に頼んでいるところを廊下で聞いた樋口くん。出てきた沢田に向かって言う。
「結構あせってるわけだ。秀才くんも。」

パッと上を見た目と片方の唇の端を少しあげて不敵な笑い・・・あ゛〜すてきぃーーー!

呼び止める沢田「樋口、やめた方がいいんじゃないか。」
「何を。」
「北川幸子。」
「どういう意味だよ。」
「ターゲットをオレからお前に変えた。それだけのことだよ。医者になる可能性がほんの少しでもある男なら・・」
「誰でもいいってわけか。」
「そういうことだ。」
「沢田、お前ってかわいそうなやつだな。一人の人間をそんな風にだけしかみれないなんて、かわいそうなヤツだ。余計な世話はやめてくれ。」

私もやめた方がいいと思うよ。どうみても釣り合わないもん。樋口くんに合う子ってどんな子って言われたら困るけど。
振り返った樋口くんのまた綺麗なこと。そんな顔、ちょとやそっとの女の子よりずっときれいだわ。もう本当にこのメインの出演者の3人の女性より綺麗なことは絶対確実。

5人のミーティングの時、患者のことでいらついていた沢田は、また例によって患者の名前とか趣味とかをレポートしてる藤谷に怒って帰る。やっぱり樋口くんは何だよ!と沢田に食ってかかるが藤谷に止められる。

ほとんど寝ないで勉強してる樋口くん。
幸子の「樋口さんって絶対いいお医者さまになると思う。なって欲しい。」という言葉に、ちょっとプレッシャーを感じつつ頑張るぞ!と決意する。

沢田の末期癌の患者が退院したが、その後亡くなって病理解剖の実験台になって病院に帰ってきた。それも本人の希望で。
初めて患者とふれあった沢田は執刀を命じられたができず、涙する。教授に諭され、その患者に敬意を表し執刀する沢田。見守る4人。

樋「沢田か・・・。」
星「ますます強敵になるね。」
樋「どんどん置いてかれるな、このままだと。どうすりゃいいんだろうなぁ。」
水「努力するしかないんじゃない。全く一日24時間あっても足りないよね。」
そのことばにハッとする樋口くん。どしたの?「別に。はっは。」

解剖の結果を報告する沢田。今度は患者の名前や職業も言った。みんなが微笑む中、深刻な表情の樋口くん。

図書室でみんなが勉強中、懐中電灯を持ち廊下を歩く樋口くん。BGMにパトカーの音ってどうよ。
ナースステーションに入って戸棚の中にメタンフェタミンを見つける樋口くん。本に載っていた。「メタンフェタミン・・・別名ヒロポン。これを飲めば寝ないでも勉強できるし、頭だって冴えるわけだ。」逆光の中の綺麗な横顔。
でも戸棚には鍵がかかっていた。幸子たちが戻って来て、隣の部屋に隠れる樋口くんはその戸棚の鍵の在処を見てしまった。
幸子は仲間に樋口先生のこと聞かれ、「だいじょうぶだよ、いい先生になる。樋口さんは。」
それを聞いてますますあせる気持ちになる樋口くん。
ナースコールで看護婦たちは出ていき、樋口くんは茫然自失の表情でとぼとぼ歩き出す。
「オレは何をやってんだ」って悪魔の心を振り払ったように思えたが・・・。

今日も4人で勉強中樋口くんの話が出る。星野が言う。アイツがいないと何か変。たとえて言うならピエロのいないサーカス。アイツの笑った顔見るといつも思う。なんか悲しそうな目だなぁって。
「そうだね、ああいう人に限って見えないもの背負っちゃうのよね。」「ま、イイヤツだからなあいつは。」「うん。」
そのころ樋口くんは、大学をあとにして、がっがっと歩いていた。

明け方夜勤明けでアパートに帰って来た幸子。
まだ勉強してる樋口くん。「今日は口頭試問があってさ。でももうばっちし、万全の体制ってこのことかな。」
「すごーい。自信あるんだ。」
「うん、もうどっからでも質問してみろって感じだよ。」
夜食を買ってきてくれた幸子がちょっと仕事の失敗のグチを言う。ごめんなさいって言う幸子を見てまた頑張んなきゃって思う樋口くん。

この二人どう見ても恋人どうしに見えないんですけど・・・。チューはおろか、触れることもない。だから安心して見れるわ(笑)

口頭試問の直前までブツブツ言いながら勉強してる樋口くん。
レポート発表の感じは好感触。笑顔も見えた。でも口頭試問になって、2問目・・・・。
「えーと、あーなんだっけ、分かりません、申し訳ありません・・・。」

終わってから教室に残って教授に告げられる。
今日のお前はよく頑張った、努力のあとも見えた。だがその程度の知識だけでは医者にはなれない。最後のチャンスをやろう、10月5日、胸部外科の特別試験を行う、基準点をとれなければ医者をあきらめるんだな。
書類の一枚をぐしゃっと握りしめ、悲痛な表情・・・。
外で待っていた幸子には笑顔を見せるがまた「頑張ってね」と言う幸子。悪意はないんだろうけど。それを見ていた沢田は教授にも樋口を追いつめないでくれと頼む。
教授は言う「私も彼には勝ち残って欲しいと思っているが、何が彼にとって幸せか私にはわからない・・・。」
非常階段の上で放心状態になって立っていた樋口くんは持っていたレポートを落としてしまう。ひらひらと舞い落ちる紙を呆然と見るだけの樋口くん。
そしてちょうど通りかかったナースステーションの前で急いで出てきた看護婦がぶつかって、その拍子に落とした書類を拾いながらふと見ると、ナースステーションには誰もいなくて、あの戸棚の鍵が入っている引き出しが目に入る。
その時鳴り出したナースコールの音に、追い立てられるようにその引き出しを開け鍵を手に取る・・・・。

この辺り、顎カクカク、首フリフリが多くて、中居の演技だぁーっと思って見るけど結構イヤじゃないワタクシ。だってかわいいんだもん。結局それかぁ(笑)

胸から顔の下半分にかけて、胸部外科学の本をふせて載せたまま、公園のうんていの上に寝ている樋口くん。いつものように自転車の星野が現れる。「よっ!劣等生!」「何だよ、星野かよ。」
うんていに上がって横に座ってる星野。
「何だよぉ。」
「別に。試験だって?ひとりだけ。」
「うん、まあねぇー。」
本を顔から取って、「何がまあねぇだよ。ねぇ、家庭教師してあげよっか。」
半身起きあがって「あ?」
「うぬぼれとかで言ってんじゃないよ。力になりたいんだ。あんたの。」
「何で。」
「うん?好きだから。あんたみたいなの。」
「何だよ、そのあんたみたいなのってよぉ。」
「かわいいじゃん、あんたって。ふふ(笑)」
こいつ何言ってんだかって感じで起きあがる樋口くん。
「もういいんだよ。」
「諦めんの?」
「絶対通る。」
「でも胸部外科って範囲広いんだよ。これからじゃ寝ないでやったって覚えきれないよ。」
「大丈夫だよ。」
「じゃあ何か元気でるようなことしてあげよっか。言い方によっては元気なくなる場合もあるけど。」
「間に合ってます。」
「そっか。」飛び降りる星野。
「なあ、お前ってさぁ、実は結構寂しかったりするんじゃないの。」
「そうかもね。じゃあね!」本をポンと投げ返す。星野を見送ってちょっと悲しい表情の樋口くん。

「かわいいじゃん、あんたって。ふふ(笑)」そうだろ?そうだっしょ?ほら、岡田恵和さんもそう思ってるわけだ。篠原が思ってるかどうか知らないけど、なんか篠原好きなのはこういうこと本当にいいそうだから(笑)
太陽の下で風にさらさらな前髪が風に揺れてるのがとってもとってもいいですぅー!

樋口を心配する沢田は幸子に樋口を追い込まないでって話していると、それを見つけた樋口くんがやって来て「やめろよ!」
「お前に何がわかるんだよ。バカにするんじゃねぇぞ。」

実習中目をしばたたかせて、何かおかしい樋口くん。そっとその様子を見てる藤谷と沢田。
テラスで勉強中の樋口くんのところに藤谷が来る。
「大丈夫?顔色悪いよ。」
「大丈夫だよ。」
「でも。」
「ほっといてくれよ。」とさっさと本を片付けて行ってしまうけど、お約束のように薬をそこに落としてしまう。拾った藤谷「メタンフェタミンって。樋口くんまさか・・・。」

学食喫茶で食べながら勉強中の樋口くん。でも食欲がなくスプーンを戻す。そこにドンとお弁当箱が置かれて、見ると水橋。
「寝てないんでしょ。ほとんど。」
「うん、まあね。」
自分も経験あるから、そんなときこれを食べておくと倒れないからと何かを持って来てくれた。
ひとつつまんで口に入れると、「まずいよぉ。」
またこの言い方が可愛いんだ。いいのよ。これが。ちいさい「お」がつく言い方。

ひとりひとり何かと関わってきたところで、樋口くんは質問。
「あの、何で?何でみんなそんなに優しいわけ?」
「・・・仲間だからかな。」
「そういう役回りかぁオレは。人に心配されてばかりいるようじゃ医者になんかなれないよね。そういうの、返上したいんだオレ。だからさ、もうやめてくんないかな。」
「そう。わかった。」とタッパーを片付け始めたら、慌てて樋口くん、
「あ、これはいいよ。これはもらっとく。これはもらってちゃんと洗って返すから(笑)。」笑えてよかったね、樋口くん。
今何ヶ月?将来医者にしたい?と水橋に聞けるくらい普通の様子の樋口くんですが、心配そうに見つめる藤谷。

今夜も家でひとりで苛ついている。引き出しから薬を出す。タブレットが二つ減っている。
藤谷が訪ねてくる。
「何しにきたんだよ。」
「もう何日も寝てないって顔してる。」
「そうでもないけど。」
「ね、樋口くん。みんなでさ、助け合って乗り切ろうよ、ね。」
きつい視線を上げる。「助け合うじゃねぇだろ。おまえらがさ、オレを助けるだけだろ。」
「そんなことないよ。」
「じゃあずっと助けてくれんのかよ!もし医者になったら誰かが隣にいて誰かが教えてくれんのかよ!お前さ、そう言われてる俺の気持ちわかるか?・・・・・お前ってさ、ほんと、ほんと人の気持ちわからないやつだよな。オレがさ、ずーっと・・ずーっと・・・・お前に惚れてたのわかんなかったか?」
「え?」
「帰ってくんないかな。帰れって言ってんだろ!」紙を投げつける。うつむき悲しげな樋口くん。
そして試験をたったひとりで受ける。外で待つみんな。薬のことを誰にも言わずに悩む藤谷。
試験の結果はその場で教授が言う「どうやら、首の皮一枚つながったようだな。」
ホーっとため息をつき、倒れそうな顔で行こうとすると呼び止められる。
一瞬びくっとして振り返ると教授の優しい言葉「今日はゆっくり眠るんだな。」
意外な言葉に「はい。」とだけ言って出ていく。

外で待ってたみんなに「何だよオレがうなだれて出てくると思ったのかよ。」
お別れの言葉を考えてた、どうやって慰めようかと思ってた、やるときはやるもんだねとみんなに言われ当たり前だよ!と明るく歩いて行った。でも藤谷は複雑な表情。

その晩は沢田んちで祝杯の5人。
うかれた樋口くん「オレは土壇場のギリギリでないとと力を出さないって言うのかな、燃えないんだよね!」ポップコーンを投げたり陽気なんだけど。
藤谷が沈んでるのでみんながどうしたのって聞くけど、樋口くんは自分が告白したせいだって思ってる。
藤谷が話し出す「樋口くん、もうやめよう、こんなこと。」
立ってる樋口くんを見上げると、立ちくらみのようにふらふらしてる樋口くん「樋口くん?」
持っていたポップコーンがこぼれる音、ふーっと意識を失って前に倒れ込む樋口くん。
救急車を!待って!何でだよ?樋口くんメタンフェタミンを常用してるの。こんなこと知れたら退学になる!自分たちで何とかしなければ!
てきぱきと指図する水橋。

きゃあぁぁ!意識を失うってステキぃー!頭をかるーく持ち上げられてクッションを下に敷かれ、ほっぺたをぺちぺちされ、肩を揺すられ、かわいこちゃんが貧血で倒れた感じ。苦痛の顔、寂しい顔、意識不明の顔、笑顔に匹敵いやひょっとしたらそれ以上に中居によく似合う顔。
ベッドの寝顔もすてきぃぃー!!

しばらくして気がついた樋口くん、「寝ちゃったよぉ。ちょっと睡眠不足がつづいてたから。」そうだねと優しい藤谷。重苦しい雰囲気に、
「なんだよみんなお通夜みたいな顔して。どしたの?」
「心配したのよ。あんたのこと。」と星野
「え、あそう、悪い悪い、悪かったね。ごめんごめん。」寝ぼけた芝居させたら超自然!

翌日、大学であくびしながら歩いていたら星野が自転車で追い越し樋口くんの前に立った。
「よぉ!昨日、悪かったな。ちょっと。」
そしていきなりのビンタ!
「何すんだよ。」
「悲しいよ。悲しすぎるよ、樋口くん。」
「え?」
「何であんなことするのよ。」
「おまえら。」
「知ってるよ。あんたが何やってるか。やったことなんてどうでもいい。あんたの問題だからね。あたし、あんたには不思議と本音を話せてた。不思議とね。よくわかんないけどあんた暖かい感じがしてさ。あんたみたいな人がほんとの意味で強い人じゃないかと思ってた。あたしのこと寂しいやつだって言ったよね。でも寂しいのはあんたじゃない。寂しすぎるよ。そんな人じゃないと思ってた。そう思ってたよ。」
行こうとする星野を呆然と見送る樋口くん。
「おい・・・。」
「言わないよ。あたしもみんなも、誰にもね。取り返しつかなくなる前にやめなよ。」
消え入りそうな後ろ姿で去っていく星野を見つめ、カバンが肩からがくっと落ちた。

そっとうしろから近づく藤谷。
「藤谷・・・・。おまえも知ってたのか。」
うなづく藤谷。
「だからお前、あんときうちに。」
「行こ、ほら。」
背中を押されてちょっとよろけながら歩いていく後ろ姿が寂しかった。

この時の秋っぽい洋服が格好いいわー。グリーン系のチェックのシャツ、ブルゾンは薄茶で襟とかポケットのところがブルー。

廊下を肩を落として歩く樋口くんに「よぉ!」と元気に声をかける沢田。ナースステーションではメタンフェタミンが紛失したと問題になっていた。その噂はこの二人の耳にも入り、顔色を変え立ちつくす樋口くん。エレベーターに先に乗った沢田がうながすように「樋口!」と言うけどエレベーターの扉は閉まった。
樋口くんはナースステーションにかけ込んでどうしたのって聞く。管理責任者の看護婦ののりこが泣いている。苦しい樋口。
メタンフェタミン紛失の件を聞き教授は何か感じた。

屋上で悩む樋口くんに沢田は「どうすんだ。」
「もういいんだよ。自分で言いにいくわ。」
行こうとした樋口くんの腕をつかむ沢田。
「何だよ、離せよ。」
「行くな。」
「あ?」
「行くなよ。」

高槻教授は女性3人に樋口にききたいことがあるからどこにいると訪ねるが黙ったままの3人。

沢田は言う「黙ってりゃわからない。こんなことで何もかも捨てる必要はない。」
「何で、何でオレにそんなこと言うんだよ。」
「おまえさ、いい医者になるよ。俺なんかよりずっと。俺はそう思う。だから行くな。今までやってきたことを無駄にするなよ。」
どうするんだ・・・樋口くん。

女性3人は無言で笑い合ったりもして、教授は「これがお前らのチームワークか。」と。

屋上に沢田と向かい合って立ちつくす樋口くん。風に吹かれて綺麗。

決心したのか、ミーティングルームに入ってきた沢田と樋口くん。
教授が聞く。「樋口、お前に聞きたいことがある。メタンフェタミンという薬を知っているか。」
「・・・・はい、知っています。」
「どんな薬だ。言ってみろ。」
「覚醒効果が高く、睡眠の発現を阻止します。」
「お前は使用したことがあるか。」
沢田が先生!と口をはさむが、「お前は黙ってろ。私は樋口にきいている。どうなんだ、樋口。」
「・・・・・ありません。・・・・・・」
「そうか、わかった。」
4人を出て行かせた教授は藤谷を残して言う。「私は何かをあばきたてようとは思わない。この件に関してはお前たち任せる。どうとらえるか聞かせてほしい。」

相談する4人。引っかかりを感じつつ、黙ってることにする4人。

河原に一人座っている樋口くん。持っていた薬を川に捨てる。
幸子が声をかけてなんでもないと取り繕って帰る。買い物袋を持って歩いているときに「あの子どうした?のりこちゃんっていったっけ。」
と気になることを聞く樋口くん。一緒に飲んでカラオケにいったらけろっとしてる、タフでないとできないからという幸子。複雑な樋口くん。家に帰って夕食の片づけを手伝うという樋口くんに、こんな主婦みたいなこと嫌いじゃない。私の夢は樋口さんが開業したときに、となりで看護婦をやっていること、と言う幸子。
その言葉に「もしオレが医者にならなかったらどうする?」と聞くけど、幸子は「ダメだったときのことなんか考えないでください。それに私は樋口さんのことが好きなんですよ。そんなの全然関係ないです。」
「そう、ありがと。よし!」と勉強始める。

また河原で寝てる樋口くん。見つけた藤谷がおどかそうとそっと近づいたけど、坂でこけて、
「何やってんだお前。」
「おどかそうと思ったんだけどすべっちゃった。」
「何?」
「だめじゃない学校来なきゃ。もうすぐ卒業試験だよ。」
「何でだよ。何で怒んないんだよ。お前さ、こういうこと一番嫌いなヤツじゃないのかよ、何でだよ。」
「一緒に卒業したいんだもん。樋口くんと。樋口くんずっと私のこと見てくれて嬉しかったから。だから一緒に卒業したいの。」
「藤谷・・・。」
「これ捨てていいよね。」拾ってあった薬を川に投げる。あ、またそんなところに捨てて!
「なぁ、藤谷・・。」
「帰ろう!かえろ!」
「・・・よし!」
ほらほら意地悪なやつらが拾ったぞ。

樋口は何もやっていないということを高槻教授に告げる4人。「ひとつ質問がある。このままで樋口はいい医者になると思うか。中途半端な同情や友情でつなぎとめてもそれが樋口にとってどうなんだ。」
沢田はきっぱりと言う。「なります。樋口はいい医者になります。あいつはひと一倍人の痛みがわかるやつです。」
星野も「私もそう思います。」
「樋口は何もやっていない。それでいいんだな。」みんなの顔に安堵感が。
ドアの外で聞いていた樋口くんは苦しげな顔でそこから立ち去る。

みんなが出てきたとき、木の影で待っていて、わっと飛び出した樋口くん。努めて明るく言う。
「もうすぐ卒業試験だな。がんばらばないとね。実力でうかってみせるよ。見ててくれ。」
みんなに笑って肩や背中を叩かれて、明るい笑顔。「行こ!」と藤谷に押されてかわいい樋口くん。

それからみんなで勉強。図書室で、学食の喫茶で、沢田の部屋で。

喫茶で勉強中の時、カメラが5人の周りを回るように動いているとき、場違いなほどの笑顔を見せてたぞ!中居さん。人の影になってほとんどみえないんだけど、それはNGだろってくらいの笑顔でした。

一人でも頑張ってる樋口くんを水橋が気遣う。彼女が夜勤ってきくと、家に連れていってすき焼きをごちそうします。
だんなさんとおしゅうとめさんの前で居心地の悪い樋口くん。「別に変な関係じゃないですから!恋愛対象として見てないですから!なんとか言ってくれよ。」とあせっているけど。
「誰も心配してないよ。」
「久美子の趣味じゃないね。」と相手にされてません。
お肉を取り合いするだんなさんと樋口くん。
束の間の幸せ・・・。沢田にも素直に教えてもらったりします。
川岸の公園のベンチで勉強中、水面が光ってすっごいきれいなバックショット。
星野が来る。「よ!前科一犯!」
「え?」
「どうだった?気持ちよかった?薬は。」
「いいわけねぇだろ。最低だよ」
「私には判らないって言われた。追い込まれたあんたの気持ちが。確かにわかんない。あんたの気持ちが。」
「そんなもんわかんなくていいんだよ。わかんなくて。」
「そうだよね。どう?勉強は。」
「まあな。まな、ここちょっと教えてくんないかな」
・・・
「はぁ、お前すごいな。」
「ねえ卒業試験には順位なんかないよ。国家試験もね。もうここまできたら順位なんか関係ない。」
「そっか。」
「ま、がんばって。」
「もしなんだったら特別授業してあげてもいいよ。」
「いいよ。お前さあ、なんだかんだ言ってオレに惚れてんじゃないの?」たちあがった星野を見上げる上目遣いがステキ。
「もうちょっと樋口くんが強かったらね。」
「そっか。そうだよな。」
「じゃあね。頑張って。」
はぁってため息。

意地悪なエリートのやつらが樋口を見てこそこそ不穏な動き。
学部長の耳に入り、高槻は断固として否定する。
学部長はロト6の正広のお父さんだぁーーー!!

高槻は「今年の5人を最後にさせていただきたいと思っています。」高槻の秘密とは何だ?

卒業試験当日。ワッフル編みのセーターがかわいい。
試験がおわって、歩く男ふたり。「沢田。終わったな。終わった。」
「まだすべて終わったわけじゃないぞ。」
「わかってるよ。」
「自信ありげだな。」
「やるだけのことはやったよ。お前の言ったとおり今までやってきたとことは無駄にしない。」
「ああ。」
「今度さ、一度二人で飲みに行こうか。
「いいね。」
「オレおごるからさ。」
「楽しみにしてるよ。」
その時にすでに決意してたんだね、樋口くん。

実家に電話する樋口くん「父さん、話があるんだけどさ。」という声にかぶって金網の向こうの何をかを見つめる樋口くん、深刻な表情で。
「あ、もしもし。父さん?お、オレオレ。おぉー。元気ぃ?」ってとこが実際に言ってそうな感じ。

幸子と待ち合わせ。どうだったかか聞く幸子。
「心配?」
「そりゃそうですよ。」
「OKなんじゃないかな。」喜ぶ幸子。
「今度さ、オレの田舎一緒にいかないか。」
「うん」
嬉しい顔の樋口くん。でも信用していいのか?

自分で作った国家試験の傾向と対策を藤谷と樋口くんに渡す沢田。
赤ちゃんが順調な水橋。星野が産婦人科を志望しようと思ってると言うのを聞いて嬉し気な水橋。
何科を志望するか。沢田は外科。藤谷は内科。
「樋口は?」「オレはね、住民課。市役所の。」
「「・・・・」」
「ジョークだよ、ジョーク。まだ決めてないんだ、失礼しました!」
藤谷が出ていったあと沢田に
「お前らさ、似合ってるよ。」
「なんだよいきなり変なやつだな。そろそろちゃんと考えとけよ。どこの病院にするかとか。」
「そうだな考えなきゃな。」
笑顔のウラに隠されたモノは・・・。

夜、大学の門の前に立ってゲートを見上げ、何か吹っ切れた顔してるそして歩き出す。
そして合格発表の日がやってきた。
みんな合格。最後にやってきた樋口くん。ドキドキで見上げる。やったぁーってガッツポーズがかわいいーー!!みんなが呆れるほどのはしゃぎぶり。

笑顔でナースステーションに行く樋口くん。「どうでした」と聞かれて明るくピースサイン。
みんなからおめでとうございますと言われるが、真面目な顔でのりこに言う。
「のりこちゃん、ちょっと話があるんだけど」怪訝な表情のナースたち。
ガッシャーン!何かが落ちた音。
「樋口さんが?!」
「本当にごめん。」
「ウソでしょ!」と幸子。
「ごめん、ホントなんだ。でもこの責任はちゃんととるから、このままにしないから。」
聞いてた水橋。「樋口くん!」
「ああ、だんなさん喜んでた?」
「何言ってんの?どういうつもりなの?」
「何が?」
「だって、せっかく今試験に!」
向き直る「オレさ、自分の実力で通ったんだよね。」
うなづく水橋。
「高槻が待ってるよ。行こ。」
ミーティングルームに入り樋口くんはまっすぐ高槻教授の前に。
「先生。」
「樋口、おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「これ、受け取ってください。」それは退学届!
「どういうことだ。」
「先生は知ってらしゃいましたよね。メタンフェタミンを持ち出したのはオレだっていうことを。でも今回は実力で受けました。自分の力で通りました。それで充分なんです。」
「ちょっと待てよ樋口!なにもかも捨てちまうのか。たった今証明できたばかりだろ、お前はやっていけるって。」と沢田。
「いいんだよ!これはオレの誇りの問題なんだよ。もしこのまま医者になってもオレはどっかで薬の一件をずうーっとずーっと引きずって後ろめたいと思うんだ。いやだろそんな人生。オレはきっと落ちこぼれの烙印をおされると思う。ついていけなくて薬に手を出して卒業間近でやめてったって。でも、でもみんながわかってくれてるから、ちゃんと自分の力で卒業できるんだってみんながわかってくれてるから!それでいいんだよ。
医師は誇りをもて。そうおっしゃいましたよね先生。」
「ああ」
「それは医師だけじゃないですよね」
「そうだな」
「お世話になりました。ほんとにありがとうございました。」
頭をさげ白衣を脱ぎ差し出す、受け取る先生。
泣くみんな。
一礼して背を向ける樋口くん。

「樋口!」
「はい。」
「私はお前を誇りに思う。」
振り返る樋口くん。
「それだけだ。」
ちょっと満足そうな顔で部屋を出ていこうとする。

「樋口くん!」藤谷。
「こっからは!こっからは、ひとりで出ていきたいんだよ。」背中で答える樋口くん。
「どうすんだよこれから。」
「考える。考えるよ。みんなほんとにありがとな。じゃ。」
出て行った樋口くん。
「かっこいいじゃん。」と星野。
「先生はこうなることもお見通しだったんですか。」
「いや。」くびを振る。
そっか、初めて先生の予想の上を行った樋口くんだったんだ。

涙、涙・・・人が死ぬことが原因でなくてこんなに涙が出たのはあんまりないことじゃないかしら。今回が樋口の最大の見せ場だったわけですね。
こうなることはわかっていてもやっぱり涙がでます。

晴れ晴れとした表情で外に出てきた樋口くん。寒そうにふーっと言いながら。
幸子がいて。
「医者やめたんですね」
「うん、でもさ。」
「ばかです!」
ふん!っと行ってしまう幸子。
かわいそすぎ・・・。全く予想してなかったわけじゃないだろうに。信じてみようと思ってただろうに。

速水衣子が運ばれて
高槻は知っていたのかと学部長に聞かれて肯定する。
ほかのメンバーも知っていたなら卒業資格を見直さねばならんぞ、と言われ、すべての責任は私にあります、とかっこいい高槻!


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