第5回 「運命を分けた死」 (07/02/11)
<記事をリークしたのは>
三雲頭取が心配し鉄平くんを訪ねてきてくれました。
今回の件は実は銀行家にとっては別の大きな意味があると言う三雲さん。
「どういう意味ですか?」
「大川先生は三栄銀行の合併つぶしの犠牲になったのではと言われています。」と。
不穏な空気を感じる鉄平くんなのでした。

一子は美馬と父が話しているのを聞いてしまいました。
「大川先生の闇献金の件をリークしたのがほかならぬ阪神銀行だと知ったら、鉄平くんはさぞお父さんを恨むでしょうね。」
えぇーー?!鉄平お兄さまぁー。

バーのカウンターで飲んでいる万俵家の兄弟。
悩む鉄平くん。
「なあ、あの記事をリークしたやつをどうしても見つけ出したいんだ・・・。」
銀平は三雲さんの言うことはもっともだと言います。「だってここだけの話ですが、うちだって三栄を合併の相手に考えていたくらいですから。」
「じゃあ阪神銀行が関与していたって可能性は?」
「さすがにそれはないでしょ。あれだけ閨閥に終着してるお父さんが、大川さんという大事な閨閥をを切り捨てるわけがありません。でも、お父さんなら何か知ってるかもしれませんよ。」
「じゃあ、お前は?」
「・・・僕?・・・・」
「・・・・ふ(笑)、ごめん、悪かった。」

万樹子は、相子が出てきて鍵をかけた一番奥の部屋が気になります。
二子に「あそこは相子さんのお部屋なの?」と聞くけど、何も言わない二子。

<義父の死>
病室の大川おとうさんは激怒してます。「この記事で得をした人間を洗い出せ!徹底的に洗い出せ!」
おとうさんは本当に鉄平くんの会社のことが心配なんです。
あぁ、そんなに怒ると心臓がー。
深夜便で駆けつける鉄平くん。病室の外の廊下には取り巻きやら、関係者やら、黒服やら、ごちゃごちゃたむろする中、病室に飛び込む鉄平くん。トレンチコートのままおとうさんに声をかける鉄平くん。
「おとうさん、僕です。鉄平です。」
「聞えてる?おとうさん、鉄平さんよ。」
「・・・鉄平くん、来てくれたんだね。」がっちり手を握り合う本当の親子より親子のようなふたり。
「遅くなってすいませんでした。」
「あたしのせいで・・あんたに・・・余計な心配させちゃったな。」
「何言ってるんです。おとうさんには今まで、充分なくらい良くしてもらったじゃないですか。」
「・・・鉄平くん・・・あの新聞記事をリークしたやつが、とうとう最後までわからなかったよぉ・・・、悔しいよー・・・。」
「僕が必ず探し出します。おとうさんの無念は晴らしますから。」
「・・・・ありがとう、鉄平くん・・・あんたはね、私の自慢の息子だよ・・・私の夢はね、終わるけれども・・・」
鉄平くんは首を振って涙をこらえてます。
「あんたの夢は、高炉建設の夢は、世界で闘う夢は・・・・」
「かならず成功させます!」
手をぎゅーっと握ったら、少し微笑むおとうさん。
「ううう・・・」
「お父さん!」
心電図がピピピピーーーー・・・・。
悔しさいっぱいの鉄平くん。涙があふれそうな瞳。

病院の中庭のベンチで悲しみに沈む鉄平くん。
声をかけるふっこ。「てっちゃん。聞きました、大川先生のこと。・・・力を落とさないで。てっちゃん。」
「・・・ありがとう。」
そこに相子が現われて、葬儀でやるべきことは私が詰めておくので心配なさらないで、と言います。
緊張する芙佐子。
「鉄平さんに会わないという約束、お忘れかしら?」
「約束なんて守る必要はない。万俵家の執事を気取っていても、所詮君は。」
「芙佐子を引き取って育ててくださった女将さんだって、あなたの軽蔑するおめかけさんだったってうわさよ。鉄平さんの尊敬する敬介おじいさまのね。」
「何言ってるんだ!」
早苗が見てることに気付く相子はここぞとばかりに「どうも万俵家の男性には、正妻よりも他の女性を愛する血が流れているようね。」
「それはどういう意味だ。」
「少しは早苗さんのこと考えてさしあげたら?」
「早苗・・。」早苗の元に駆け寄る鉄平くん、
「そろそろ父が自宅に戻ります。」
「そうか。失礼します。」
礼をして、「行こう」と早苗を促します。
複雑な表情の芙佐子を見つめる相子は、また何か企んでいるようです。

<葬儀>
すごい立派な葬儀会場。実の娘なのに最前列とかじゃない所に座ってるのは、嫁に行ったからなの?それにしても後ろ過ぎじゃないでしょうか。
途中で美馬が呼びに来て大介は出て行ってしまい、それを振り返る鉄平は、そっと妻のほうを見る。
春田銀行局長とのゴルフが今日の午後に変更になったのでした。そんな父を睨む一子。
お父様がいないと探すお母さん。ゴルフに行ったと、一子は意地悪く言います。
おかしな言い方をしないでくれ、と美馬。重要な会議なのだから。
「ちょっと待ってください。葬儀を中座してまで行かなければならないほど重要な会議ですか?」
早苗さんのお父さんのことばかりに時間を割いていられない、という相子さんの厳しい一言はまた鉄平くんをイラつかせます。

三栄に変わる合併を探すという密談中に、部屋にずんずん入ってくる鉄平くん。
「葬儀をゴルフで中座するってどうすることですか?!今までどんなに大川先生が尽くしてくれたか、申し訳ないと思わないんですか!」
「私だって心苦しかったさ。」でも阪神銀行がつぶれて、阪神特殊製鋼にも影響が出るなんてことになったら大川先生も喜ばないだろう。
「おとうさんは結局大川先生を都合のいいように利用していただけじゃないんですか。そうとしか聞こえません。」
「・・・・・」
ここで芝居を打たないと、と思った大介は早苗にわびるのです。
「早苗さん、葬儀の件は本当に申し訳ありませんでした。改めて大川先生の午前にわびるつもりでいます。お許しください。」
神妙に頭下げることでこの場を切り抜けることにしたようです。
そんな父を睨む鉄平くん。
みんな黙っていました。

<あすなろインベッド>
二子の縁談は大蔵省を牛耳れるくらいの相手を、と望む大介に、それなら佐橋総理とご親戚になるのがいい、と大胆な発言をする相子。
そんなドロついた会話をするベッドのふたりに比べて鉄平夫婦のなんてさわやかなこと。
早苗の背中にそっと布団をかけてあげて肩に手を億鉄平くん。その手に自分の手を添える早苗。
そのままぐーっとあすなろ抱き〜!
あったかいベッドシーンなりぃー。

<意地悪相子さん>
二子の縁談を着々と進める相子さんにも弟がいました。
弟は宮川一郎太?ウッチャンと見分けがつかなくなってきたわ。
3つのベッドのある部屋を見た万樹子に「お妾」といわれた相子は万樹子をひっぱたき、寧子に意地悪を言い、早苗にも八つ当たり。
落ち込んだ早苗を見た鉄平くんは相子のところに乗り込んでいきます。
「早苗に一体何を話したんだ?」
万俵家の閨閥にとって何の価値もなくなったことを話して心配して差し上げたと言う相子。
「お望みなら新しい閨閥、いつでも探して差し上げますわよ。」
「何を言ってるんだ!君は!!」
怒れる鉄平。
「僕は、お父さんや君とは違う。」
「お父様と私の関係がそんなに悪いものかしら。」そのことを一番気にしてるのは他ならぬ自分だったのね。
特別な人生を選んだ、と言う相子。弟に意見されたのが尾を引いてるのかしら。
「君の生き方は僕には理解できないな。」ため息をついて座る鉄平くん。そこに早苗が来たので芙紗子のことをわざと言い始めた相子。
愛人でも好きな人に支えられたら幸せ。
芙紗子さんもひとりで背負いこまなければならないなんてかわいそう。
「何のことだ?」意味深なことを言って行ってしまう相子を追いかけようとしたらそこに早苗が。
芙紗子とは何もないのだから言い訳するのも変だけど、早苗に言おうとする鉄平くん。
「これだけは言っておく。」
その言葉をふさぐように早苗が言います。
「鉄平さん、私はあなたをそんな風に疑ったことなど一度もありません。・・だた私や父が万俵家にとってなんだったのか・・・。ただそれが悲しいんです。」
ガシツ!鉄平くんのあまりに強い抱きしめ方に早苗さん、足がジタバタしてたよー。

<昭和42年12月31日>
万俵家恒例の志摩のホテル。晩餐後のデザートの時間でしょうか。
相子は二子にお見合いの写真を見せると、二子は「承知していません!」と抵抗します。
鉄平お兄さまは、二子の所に行き、さっさと写真を閉じ相子に突き返します。「いやがってる人間に無理強いするのはやめてください。」
父は「鉄平。」と言ったものの、ここは相子を静かにさせました。
席に戻った鉄平は「美馬さん、例の記事のリーク元は大蔵省でもまだ判ってないのですか?」と今ここで聞くか?ってことを言いますが、誤魔化す美馬さん。
そして明日は朝早くからキジ撃ちなのでお開きに。

<まさか>
エレベーターのドアが開いた瞬間に、壁にもたれていた鉄平くんが身体を起こしたその起こし方が木村拓哉でしたわー。
思いつめた一子は朝早くから鉄平を待っていました。
「明け方まで、ずっと迷ってたんです。」
「ん?何を?」
「私聞いてしまったんです。美馬とお父様の話を。」
「何の話だ?」
「大川先生の闇献金の話を新聞社にリークしたのは・・・」
エレベーターのチン!という音が聞こえて、ちょっと、と一子を引っ張って場所を変える鉄平くん。
案の定エレベーターからは美馬が降りてきて、鉄平と一子をチラッと見ちゃったわけです。
「話してくれ。」
「新聞社にリークしたのは・・・・阪神銀行だと。」
「まさか!」
「確かに聞いたの。お父さんも美馬も、私もう信じられなくて。」
「・・・・・・そうか。」奥歯がギリギリ音を立ててるような鉄平くん。
「・・・・・そうか。・・・・話してくれてありがとう。」
一子の肩に手を置いて、もう一度「ありがとう。」
この会話を聞いた美馬が一子に、「どういうつもりであんなことを言った?」こわ〜い・・・。

<キジ撃ち・・・父撃ち?>
キジ撃ちどころじゃない鉄平くん。車に腰掛けて考え中。そしてお父さんに声をかけます。
「お父さんすいません。お話があるんです。あのー・・・」
そこで「そろそろ始めましょうか」と邪魔する美馬。
2人になった時に美馬が大介に耳打ち。「困ったことになりましたよ。一子が僕らの話を聞いていたようで、大川先生の記事を書かせたのが阪神銀行だということを先ほど鉄平くんが知ってしまいました。」
『その人物がもし目の前に現われたら、撃ち殺してやりたい・・・・』と言った鉄平くんの顔を思い出すお父さん。
鉄平くんはキジ撃ちなんかしてる気分じゃないだろうけど、一応ひとりで林の中に入っていきました。
一子から聞いたこと、大川おとうさんの言葉、父の言葉を思い出す鉄平くん。
でもふーっと大きく息をついて、キジの声に反応して撃ちます。
そして、飛び立ったキジを狙って撃ったら、キジは逃して弾は木に当たって、「ちっ。」でもその木の向こうから人影が!
え?額から血を流したお父さんが?父は鉄平が撃ったと認めると、恐怖に駆られた表情になり、そのまま倒れていき、何が起こったか把握できない鉄平くんはその場に立ちつくす・・・。

治療を終えた父は包帯ぐるぐる巻きでみんなが待つ部屋に入ってきます。立ち上がる鉄平くん。
「お前は私を殺そうとしたのか?
「何をおっしゃるんです。そんなはずあるわけないじゃないですか。」
「本当にそうなのか?」
「お父さんには、僕に撃たれるようなやましい理由があるんですか?」
「・・・・」
「阪神銀行が大川先生の記事をリークしたからですか?」
えぇ?とうろたえる早苗。「父の記事を、阪神銀行が?」
美馬が横やり。三栄銀行の合併は阪神銀行にとって都合が悪い、だから役員のひとりが独断で勝手にやったこと。
「だったら何故正直に話してくれなかったんですか。」
話せば誤解を招くからお父さんは黙ってたんだと言う美馬。
そんなことは納得できません!といつになく怒りモードの早苗。
「お父さんの口から納得いくように説明してください。」と鉄平くん。
父は、美馬くんの言ったことがすべてで他に言うことはない、と言います。
もういいんじゃありません?と相子。
「申し訳ありませんが、一緒に新年を迎えられる気分じゃありません。僕たちはこれで失礼します。行こう。」と早苗を促す鉄平くん。
お母さんもさすがに動揺して「鉄平さん・・・」と追いかけてたあと、「本当にあなたじゃないんですね?本当に違うんですね?」
くいさがるお母さん。
「一度だけ言う。私じゃない。私は鉄平の父親だ。」
子供を抱っこして帰る鉄平くん。本当に撃ってやりゃよかった、と思ってはないだろうけど。

<優しい鉄平くん>
家に帰った鉄平一家。ソファで眠る子供を撫でる早苗とそれを見守る鉄平くん。白いタートルネックが素敵。
「早苗、本当にすまない。一緒に大川の実家に帰ろうか?」
もう、優しいわー。鉄平くんって。優しすぎぃー!
「私は万俵鉄平の妻です。この家で暮らします。」
「ありがとう。」
そこにベルの音。
四々彦くんが来て告げます。アメリカのベアリング社から連絡があって当社との契約を打ち切ると。
正月早々なんてこったいっ!

第4回 「悲しき裏切り」 (07/02/04)
<昭和42年秋>
高炉建設が着々と進み、鉄平くんはシカゴのアメリカンベアリング社に行って、業務提携です。
記者会見などしちゃって世界進出しちゃった鉄平くん。カッコよく英語話して握手とかしちゃって、順風満帆のようです。

<鉄平くんち>
明日は銀平くんの結婚式。アメリカからの戻ってきたばかりの鉄平くんの話を、一之瀬さんと銭高常務が聞いて喜んでいます。
注文が増えたのはいいが、原料の確保が大変です。帝国製鉄だけでなく第一製鉄に頼みに行けないかと、鉄平くん。そこはさすが一之瀬さん、先回りしてアポを取ってくれてました。
喜ぶ鉄平くん、息子の太郎くんも一緒に拍手ぅー。「すごいねー。」
会社の人たちが帰ったあとに、軽く食事する鉄平くん。久々の日本食?って感じのマグロ茶漬け?
明日の結婚式までに帰ってこられるか心配の早苗だけど、昼すぎまでに名古屋を出られれば大丈夫だと鉄平くんは言います。
「じゃ、いただきます。」ネクタイはずした姿が珍しくてなんか素敵。
「おいしい?」太郎くんがしゃべったわ!
「おいしい。」って真剣な顔で答えるパパ。あー、あったかい家庭なのねー。

<第一製鉄名古屋工場>
鉄平くんが開発した新素材を入手した第一製鉄の山田所長は、あんなものが出回ったら・・と帝国製鉄の気持ちが判ると言います。
でも、技術には技術で対抗するんだ、という鉄鋼マンの心意気を思い出したという山田さんは、協力を約束してくれます。
あぁー、よかったぁー!ってホッと息を抜く鉄平くん。固い握手をかわすのです。

<披露宴>
控え室で相子さんがまたお母さんに嫌味たっぷり言ってるところに帰ってきた鉄平くん。
できれば出席を遠慮していただきたい、と言います。
「あなたがいると家族の祝いの場が不愉快になる。」おぉ、キツイ言葉。
「鉄平お兄さま!」制する二子。でも一子もお兄さまに賛成です。
でもお父さんは「気に入らないなら鉄平が出席を遠慮すればいいじゃないか。」とこともなげに言うのです。何てことー!
そこで着替えるのかしら?鉄平くんったら、みんなの前で?

披露宴は、次期総裁候補の永田大蔵大臣も、元通産大臣の大川お義父さんも、祝ってくれてますが、主役はいったい誰なんだ?っていう披露宴の様相です。
二子のところには相子が縁談をお世話してあげるわーなんておばさんを連れてきたり。
「鉄平お兄さま!」
「お前はこんな不毛な結婚をする必要はない。お前はお前の人生を生きればそれでいい。」
安心する二子、微笑む早苗と一子。お母さんは複雑なんですけど。
この会場で三栄銀行の黒い噂をゲットするお父さん。

後日、三栄銀行の闇献金は、大川先生がその相手とわかってがっかりの大介さん。せっかくのスキャンダルも使えない。「なんのための閨閥だ・・・。」

<船積みをめぐるいざこざ>
一之瀬工場長と出荷倉庫で積荷のチェック。
「よっし!OKです!」
今月のハザマ自動車の分は何とか間に合ったんだけど、次からはベアリング社分が増えるので、大変です。
「ひょっとしたらここに入りきらないかもしれません。」
「嬉しい悲鳴ですよ、出荷倉庫に入りきらないなんて。ついにここまで来ましたね。」
「何言ってんですか。まだまだですよー。」と腕をポン!
そこに「専務ー!大変ですー!」と急を知らせる伝令が!
岸壁でもめる男たちのところにジープで乗りつけた鉄平くん、なんとドリフトして急ブレーキ。いやーん、これって吹き替えなしよね?カッコええわー。
騒ぎの元は、荒武玄という沖仲仕。おきなかしって何ですかー?って思いますが、ま、船に荷物を積む作業員のことでしょうか。六平さん怖ーい。
「何が専務や!若造が偉そうにしやがって!」
「とにかくすぐに持ち場に戻ってほしい。」
「やってられっか!」
出航時間はいつもと一緒で船積み2倍だし、早く積もうとしたら資材を大切にと言われて、腹を立ててる様子です。おぉー帰るぞーと行こうとする男たち。
鉄平くんは毅然と、でも大声で。
「話を聞いてくれーー!!君たちは、自分の仕事を投げ出すのか?確かに積載量の件だったら謝る。でもすぐに仕事に戻ってほしい。」
「どけー!邪魔だー!」
「頼むから待ってくれ。」
「邪魔やゆーてるやろー!」バシン!あぁー、専務ー!綺麗なお顔がー!
「頼むから作業に戻ってくれ!」
「帰るゆうたら帰るんやー!この!」で、もう一発来るところをガシっと止めた鉄平くん。お?と思う六平さん。
お互い胸倉を掴んでる状態。
「みんなに船積みしてもらってるあの製品は、日本の技術力を世界に知らしめる大変な製品なんだ。そのために僕たちは徹夜を続けて生産増量に対応して来たんだよ。」
「何が世界や!あんなもんタダの鉄やないか!」
「そのタダの鉄を作るために、僕たちは、命をかけてやってきたんだ!あの鉄は、僕たちの血と汗の結晶なんだよ。」
「・・・」
「出航までにすでに2時間をきってる。頼むから作業に戻ってくれ。」
じーーーーっと鉄平くんを見つめる六平さん。
「案外肝がすわってるやないか。よっしゃ作業再会や!」
案外簡単やないけー(笑)。ま、こういう男たちには熱い気持ちがあればいいってことなので。
「何してる!みんなも手伝え!」社員たちもぼーっと見てちゃダメよん。専務がこの場を収めてくれたんだからね。

<万俵家の晩餐>
新しく万俵家に入った万樹子が見たものは、いやーな雰囲気の家族と、テーブルの下で相子が自分の足を大介の足に絡めているところ。そんじゅそこらのエロ小説よりずっとエロいです。
そこに四々彦から電話が入ります。四々彦と聞いて、微笑む二子を見てすぐ察してしまう相子さんってすごいカン。
おうちにいても、ジャケットにポケットチーフ。チーフの色とベストがおそろいでおしゃれな鉄平くん。
「急な仕事が入りましたので、僕と早苗はこれで失礼させていただきます。」
食事半ばでも奥さんを連れて帰るのって何かいいわーと単純に思いました。

<暗雲>
一之瀬親子が鉄平くんちにやってきました。第一製鉄が、通産省から公共事業の割り当てを減らすと脅され、銑鉄の供給を白紙に戻すと言ってきたのです。きっと帝国製鉄の差し金ででしょう。
大川先生に頼んで・・・と言ってると、二子が「お仕事の話は終わったかしら?」とのん気にやってきます。
そんなまだ数分しか経ってない感じしましたけどね。
早苗は、お父さんがいらっしゃるしいい機会だから、2人のことを認めてもらったら?と言います。
えぇーーー?なお父さん。そんなっ万俵家のお嬢さんだなんて!
息子に掴みかかろうとするお父さんを鉄平くんが止めます。「僕も早苗も2人の交際を応援してるんです。」
そこに相子登場。「どういうことかしら。そんな交際、私は許しませんよ。」
勝手に人の家に入ってくるなんて、鉄平くん「君のほうこそどういうつもりだ。出て行ってくれ。」
相子はおじいさんの13回忌の案内状を持ってきてやった、としゃあしゃあと。それに二子には縁談の話もしましたよね、と言いますが。
「結婚は本人の意志ですることです。閨閥結婚を押し付けるのはあなたの身勝手だわ。」早苗さんも言うねー。
閨閥結婚を否定するということは、自分自身の結婚も否定することになる、という相子。
「鉄平さんだって、あなたが通産大臣の娘だから結婚したんですよ。」
「いい加減なことを言うな!僕と早苗はそんな関係じゃない。」
「本当にそうかしら。覚えてらして。この縁談をつぶされたら、私もこの家庭を壊したくなるかもしれませんわよ。」こわーーー。
そしてそこに大川のお父さんが倒れたと電話が。
あー、踏んだり蹴ったり。

お父さんの病室に駆け込んだ早苗。「あぁーっはっはっはー、さーちゃーん。」って、いいお父さんなのね、きっと。
そんな病室でも鉄平くんの載った新聞を満足そうに見てるお義父さんです。
第一製鉄名古屋工場に行くも、謝られるだけの鉄平くん。
「帝国製鉄から横やりが入って通産省から圧力があったってのは本当ですか。」
「勘弁してください・・・。」
峰岸さん、逆光で顔見えず。頭を下げるのみでした。奥歯を噛みしめる鉄平くん。

三栄銀行と平和銀行の合併話が進んでいると聞き、驚く大介さん。
大川先生の闇献金というカードを切るとき?永田大蔵大臣はそれを望んでるらしいです。いやらしい世界だー。

<意気消沈の鉄平くん>
今日は車じゃなくて路面電車。『通産省、帝国製鉄、第一製鉄・・・』という単純なメモを眺めて深いため息。
おうちに帰って雨の中、池の淵にしゃがんでいます。
「将軍・・・・、また銑鉄を止められてしまいました。こんなくだらないことばかりしていたら、日本の先進国の仲間入りは夢で終ってしまいます。」
立ち上がって少しきっぱりと。「明日、通産省へ行ってきます。」向かって来ていた将軍にちょっと微笑んだ鉄平くんですが、将軍はそのまま引き返して沈んでいくんです。
あー、占い師将軍さま!
そこにお父さんが歩いてきました。
「お父さん?どうしたんですか。こんな時間に。」
「お前こそ何をしてる?」
「いや、別に。」
「こんな時間まで仕事か」
「はい、いろいろありまして。まだ見舞いにも行けてません。」
「見舞いに?」
「聞いてませんか?大川先生が慶慈大病院に入院したんです。半年前にも手術をしていて、ちょっと心配で。お父さんも状況する機会があったら寄ってあげてください。」
「・・・・・・。」
「どうしました?お父さん。」
「大川先生にはくれぐれも養生するようお伝えしろ。」
「はい。」
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
お父さんー!あぁー。そんなぁー、どうするつもりー!

<お見舞い>
やっとお見舞いにこれた鉄平くん。でもお義父さんは、義理の息子のほうが心配です。
「どうしたよぉ、鉄平くん、何か病人のオレより元気ねえなぁ。仕事のことでなんかあったら俺に言ってくれよ。」
「おとうさんには充分お世話になってますから。僕の心配なんかより治療に専念してください。」
それでもお義父さんは鉄平くんの様子がただごとじゃないと察して、鉄平くんには同じ病院に入院してる鶴乃屋の女将のお見舞いに行かせて、娘に尋ねるのでした。
「早苗、鉄平くんに何があったんだ?」
「・・・」
「さーちゃん、何があったか言いなさい。」あー、いいおとうさんだわー。

<お見舞いその2>
鶴田志乃さんの病室を訪ねる鉄平くん。コンコンってドアをノックする手は、一般的な日本人が手の甲で叩くのと反対に、欧米風に指のほうで叩くいつもの木村さんです。
「どうぞ」って言う声はふっこ。
「てっちゃん!」嬉しそうに小走りに寄っていくふっこ。
「いや、大川のオヤジさんがこれを女将さんに渡してくれって。」目を開けた女将さんは息をこらして。
「こないだはありがとう。ふっこの言葉で目が覚めた。」
「そう。」
「そろそろ戻らないといけないんで。」はやっ。
「ありがとう。」
「女将さんにお大事にって伝えて。それじゃ。」
そっとドアを閉めて戻る鉄平くん。
そしたら女将さんが「また鉄平さんに会ったのかい。絶対に会わないって言ったじゃないか!これ以上はかかわっちゃいけない、7年前に約束したことはウソだったの!」
その怒りようったら何でしょう。
「お母さん、私に何か隠してるでしょう!私と鉄平さんの交際に反対したのは私の本当の両親と何か関係があるの?!」
「関係あるわけないじゃない。」
こんなセリフがあって、関係ないわけないじゃないっ!普通なら、鉄平とふっこは、異母兄弟なんだけどねー。どう見てもねー。
タクシーに乗って通産省に急ぐ鉄平くん。その横で、大亀専務が大川先生のことで外科部長と話ができた、と頭取に電話していました。
いくらお金を積んだんでしょう。

<通産省>
石橋重工業局長に詰め寄る鉄平くん。「帝国製鉄からの要請があった上での通産省のご判断じゃないんですか?」
「失礼な男だな。高炉建設の認可をしてやった恩義も忘れて。」と、鉄平くんを追い返そうとする局長。だけど、通産大臣が万俵専務を連れて大臣室まで来いと呼んでる、と。
大臣室には、控えの間に医師と看護師がいて、大臣と向かい合って座っている人物が振り返りました。鉄平も予想してのでしょう、大川のおとうさんがそこにいました。
石橋局長を問いただす大川おとうさん。現大臣は坂東さん。「いや、そういうつもりじゃ。」
「だったら、つまらん邪魔は今すぐやめさせろよっ!」机をバン!と叩く大川おとうさん。頼りになりますなー。
じわー・・・・という雰囲気にデスペラード。鉄平を見る目がとても優しいお父さん。
「ありがとうございます。」と小さな声で言って頭を下げる鉄平くん。
通産省から帰るお義父さんを抱きかかえるようにして車まで連れていく鉄平くん。
「お義父さん、ご病気を押してまで僕のために。」
「水臭いことを言うな。あたしにはね、遠慮しないで甘えて欲しいんだよ。あたしはな、君のことを本当の息子だと思ってるから。」
鉄平くん、うるうるだよー。こっちだって、うるうるだー。デスペラードがいいぞー。
「子供の役に立てるってことは親にとっては一番の喜びだから。」
「はい、ありがとうございます。」
車に乗ったおとうさんが小さく手をあげて、じゃあな、という仕草。本当に病人みたいで、痩せたんじゃないかと思う感じでした。

一方大介お父さんは、永田大蔵大臣と密談。
総裁選にからんだ闇献金の話。「その議員は政治生命を失うことになるかもしれませんが?」怖いよー。

<告発>
「無事に第一製鉄から銑鉄が供給されることになって、社員たちもみんなおとうさんに感謝してます。明日の先代の13回忌にもいい報告ができそうです。」
と、喜び合っていたのもつかの間、大川議員に不正献金という記事が載った新聞が持ち込まれました。
「どうしてこんなことを・・・。誰の仕業だよ・・・、誰の仕業だよ!」
闇献金というものは悪いことなのか、それとも必要悪なのかってことは、置いといて。鉄平くんにとって本当のお父さんよりおとうさんのような人を苦しめることが許せないのです。
新聞を握り締め、電気炉の前に立つ鉄平くん。燃え盛る火を見つめるその瞳は悔しさと怒りでいっぱいでした。

<13回忌>
昨日の今日で、13回忌に出席しなければならない早苗さんもかわいそう。早苗にコーヒーを持ってきてその手をぎゅっご握り締める鉄平くんの優しさは妹たちには伝わります。
「早苗さんも大変でしたね。」と声をかける万樹子。
何か言ってやろう言ってやろうと伺っていた相子は、ここぞとばかりに言います。
「同情する必要はないんじゃありません?大川先生は万俵家に恥をかかせたのよ。」
「何だと?」
「事実でしょ。万俵家の親族から犯罪者が出たのよ。」
「貴様、口を慎め!」鉄平くんは怒って相子につかみかかります。「大川に父に謝れ!早苗に謝れ!」
美馬と銀平が鉄平くんを止めるのですが。
そこにお父さんが。「鉄平、そんなことでいちいち動揺していては経営者なんか務まらん。」
「そんなことですって?!先生が侮辱されて、お父さんは腹が立たないんですか!」
「昨日の記事のことは私も胸が痛い。だが、あれは大川先生の自業自得でもある。」
「よくそんな言い方ができますね。万俵家のために尽力してくださった恩人に対して。」
全員がそれぞれの思いで沈黙。
「僕はあの記事を書かせた人間を絶対に許せない。」
「お前はその人間が憎いのか。」
「はい。もし今、目の前にその人物が現われたら、撃ち殺してやりたい。」
「そうか。そんなに憎いか。」
もう心の奥底では察しているのですよ、鉄平くんは。自分で気付いてないけども。

 

第3回 「引き裂く運命」(07/01/28)
<阪神銀行へ>
融資を10%減額すると聞かされ、そんなアホなっ!と阪神銀行にすっ飛んで行った鉄平くん。
「今朝の言い争いで一時的に感情的になってるだけですから!」と大亀専務に言いながら頭取室へ踏み込むもお父さんはいなかったのでした。

<万俵家>
いきなり夜になり、鉄平くんは実家に乗り込んでいきました。
女性達がおしゃべりする横を通り過ぎ、リビングで新聞を読んでくつろぐガウン姿のお父さんに詰め寄ります。
「納得がいかないんです。役員方は納得してくれたのに、どうしてですか?お父さんの考えですか?」
「どこまで親に甘えるつもりだ。」
「亡くなった先代に約束したんです。阪神特殊製鋼を世界に通用する企業に発展させると。お願いします!約束をかなえさせてください。」お辞儀するも。
「父親より祖父を尊敬する。ひねくれた人間だ。」
そりゃひどい!どっちがひねくれてんのよねー。
「どうしてお爺さんにこだわるんです?お爺さんの一体何に嫉妬してるんです?」
行こうとしてたお父さんはピタっと止まってすごい形相で振り向きました。鉄平くんったら言ってはならないことを・・・!
「私がいつ爺さんに嫉妬した?」
相子さんがしゃしゃり出てきて、「お父様に謝りなさい。」なんて言うもんだから、鉄平くんはカチン!
「邪魔をするな!分をわきまえろ!」
相子さんの手を振りほどいて思わず押してしまうと相子さんすっころぶ。それを見たお父さんは、わしの女に何をする?!ってなもんで、パシン!鉄平の頬を叩くのです。
「そんなに相子さんが大切なんですか。」
家のことを何もできない寧子の代わりをしてるからだと言うお父さん。それこそへ理屈っていうものよね。
「でも結局お父さんの愛人じゃないですか。世の中には品行方正な銀行家として通ってますが、お父さんは偽善者です!」
「貴様ぁ!」ぎりぎり・・・と詰め寄る2人。緊迫した空気に飛びこんだのはお母さん。
「およしなさい!鉄平さん!」鉄平にすがりつきます。
そこに銀平がクールに帰ってきます。すたすた・・・・。たまに早く帰ってきたと思ったら、修羅場やってるなんて。
「このさい銀平も正直に言ったらどうだ。今度の縁談もお前の本意じゃないだろ?」
「お父さんと争うなんてムダですよ。僕らにはお父さんに何ひとつかなうものがない。勝てるはずありませんよ。」
あくまでクールな銀平くんだけど、兄ちゃんはそうはいきません。
「勝てるかどうか、とにかく僕はやってみる。これ以上は何も頼みません。僕は僕の力でやってみます。」
睨みながらお礼して帰っていきました。

家に帰って心配そうな早苗さんに言うともなくつぶやきます。
「あと20億。やるしかないんだ。」
あぁ、かわいそうな鉄平くん。

<東京で銀行回り>
石川社長から来月末までに20億を集めないと高炉建設を諦めることを約束させられた鉄平くん。
銭高常務と東京で銀行回りです。鉄平には熱意が伝わればきっと大丈夫、という自信があったのですが。

<銀平のお見合い>
お父さんは銀平に、銀行も財閥も全部をお前に譲る。血をわけた息子だから、なんて言います。銀平くんはそんなもん興味ないみたいだけど。
お見合い相手のお父さんが、銀平はお父さんそっくり、鉄平はお爺さんそっくりなんて言うから、ますますお父さんはイラついています。

<落ち込む鉄平くん>
大同銀行以外すべての都市銀行を回ったけど思わしい成果が出ない鉄平くん。
Na.「鉄平は生まれて初めて自分の無力さを痛感していた。」

夜、義父の大川さんと会います。「まさか融資削減とはなー。万表大介とはそういう男だ。」
大介は石橋を叩いて叩いて渡らないしたたかな男だと、言うお義父さん。
鉄平のために三栄銀行に紹介状を書いてくれたのです。
「ですが、三栄銀行にはすでに断られています。」
でも、心配いらない。副頭取に話を通してあるから、と言ってくれるお義父さん。よっぽど頼りになるよな。
「策略に長けた人間が牛耳るこの世の中に嫌気がさしているんだ。あんたみたいな男を勝たせたいんだ。」
本当にいい人だー。
それなのに三栄銀行を飲み込もうと企んでいる大介さん。その計画には美馬も驚愕しています。

<大同銀行へ>
翌日、大川のお義父さんのおかげで三栄銀行から10億の融資をとりつけた鉄平くん。
あとは大同銀行しかない、私に任せてください、と銭高常務が言うし、鉄平くんも覚悟を決めて大同銀行の三雲頭取のところに出向きます。
10億の追加予算が必要になったという説明をした銭高常務。
でも居心地の悪い鉄平くんは、三雲頭取に見つめられたら正直に言うしかありません。
「銭高常務、やはり三雲頭取に嘘はつけません。」
せっかくお芝居してきたのに、このお坊ちゃまはぁー!な銭高常務だけど、しょうがありません。
「申し訳ありません。追加予算が生じたのではなく、阪神銀行が融資比率を10%引き下げたからです。」
「鉄平くん、君は自分は何を言ってるのか判っていますか。君は、日本の鉄鋼産業のために高炉を建設すると言いましたね。それが本当なら嘘などつかず正々堂々とコトをなすべきだ。嘘をついたということは自分の信念に自信がなくなったということに他ならない。この件は一度預からせてください。」
万事休す。
昼間の日比谷公園。池の縁に座って苦しそうな鉄平くんでした。

<阪神銀行>
阪神銀行では支店長会議が行われていました。
万博をひかえて目標額の上方修正をさせたい、特に奮起を期待したいのは・・・と頭取に指名されたのは池田支店。当然予想された3支店長をさしおいて意外にも小さな支店が指名されたのも、大介さんの策略なのでしょう。
池田支店長は、「目標額を18億から20億・・・」と言いかけた時、頭取に『ん?』って見つめられてしまうと、思わず言ってしまいます。「25億に上方修正したいと考えます!」会場中がざわざわ・・・。それを見てあちこちの支店長も口々に、目標額の上乗せを口走るのでした。怖いよー

<東京大学工学部冶金学科>
母校を訪ねた鉄平くん。実験室に勝手に入っちゃって、研究室に残ってる同級生とかが出てくるか思いきやずっとひとりでした。広い実験室だなぁ。
壁には、鉄平くんが表彰された感謝状が飾られています。『貴殿が開発された新技術によって義肢の進展に多大な貢献をされました。・・・』ほぉ、そんな分野でも活用されるわけですね。
「僕はもうひとつの原点に会いたくなった。」と、誰もいない実験室にきちんとお辞儀。
そして、かつて住んでいた本郷の下宿に行きます。
郵便受けの『アジアなんたらかんたら・・・』と書かれた紙をそっとはずすと、下には万俵鉄平と書かれた紙がうすーくなって残っていました。
そこに入ってきたのは芙佐子。
「芙佐子!」
「てっちゃん!」あらぁ、てっちゃんだなんて。
「何してんだ?ここで。」
芙紗子は、ここを海外のボランティア場所に送る物資の保管場所として借りてる、と言います。
「ここ全然変わんないね?」
「・・・何かあったの?」
やっぱり判っちゃうのねー。
芙紗子のほうは女将が倒れて今日はお店は休みにしてるけど、明日からはがんばると言います。
「強くなったねー。いや、7年前は僕が研究で遅くなるって言っただけで、泣きべそかいてたじゃん。」(じゃんって言ったのかな?ちょとおかしいけど、ま、いいか。)
「いろんな国回って少しはたくましくなったかな。」
「じゃあ、今は逆だ。」
「?」
「いや、ふっこのほうは強くなって自信にも満ちあふれてて、でも僕は全然・・・。」
「似合わないなー。昔のてっちゃんは弱音なんてはかなかったよ。」ここで、木村さん待望のデスペラードが流れます。
「どんなことがあってもいつも乗り越えてた。どんなに失敗しても成功するまで諦めなかった。いつも堂々としててくれなきゃ、てっちゃんみたいになりたいって頑張っていた私が報われないじゃない。」
額をぽりぽりする鉄平くん。
「てっちゃん!名前負けしてるよ!」と言い放って階段を駆け上がるふっこ。
鉄平くんは、ちょっと追いかけて上がりかけたけど、ドアがバタンと閉まる音を聞いたら、前には進めなくなりました。アパートの外に出て、上から帰りかけると呼びかける声が。
少しだけ開いた打ち倒し窓から覗くようにした芙紗子が、「てっぺー!さびるんじゃないぞー!」
傘の中から見上げる鉄平。
閉まってしまったあとの窓に向かって、傘をちょっと上げてちょっと微笑みます。よっし!やるぞ。
そしてその翌日から何度も大同銀行に通ったのですが、三雲頭取は会ってくれませんでした。
その頃、阪神銀行の池田支店長が預金集めに奮闘して、地主さんの田んぼで田植えとかさせられてました。あー、見えたなー。

<1ヵ月後>
大同銀行で綿貫専務から最後通牒を渡されてしまった鉄平くん。
「出直させていただきます。」
「万俵専務!決定はくつがえりませんよー。」あー、嫌な親父役、鶴瓶さん上手いなー。去っていく鉄平の後姿をそっと見つめる三雲頭取でした。
夜、高炉建設予定地で、天を仰ぎ目を閉じる鉄平くん。万策尽きたか。
阪神特殊製鋼の役員室で、あと3日だから諦めるしかないというような話しをしてるときに、三雲頭取から電話が。
「キジ撃ち?」

<阪神銀行>
頭取のところに大亀専務と銀平が知らせを持ってきます。阪神銀行池田支店が目標の25億を達成した、でも住田支店長が亡くなったと。
あの銀平が感情を表しています。
「死因は持病の狭心症か?」
「知っててあんな厳しいノルマを?」呆れる銀平。
「彼は一番忠実な男だった。」だから指名したのです。
住田支店長の告別式、大亀専務がしみじみと銀平に話します。「支店長の死をバネにして行員の一致団結を図る。こんなこと誰にもできやしません。」
父に背を向け告別式の場所を去る銀平のNa.「兄さん、あの人には絶対かなわないよ、僕は。」

<キジ撃ち前夜>
家で鉄砲の手入れをする鉄平くん。三雲さんの真意はどこにあるのだろう?と不安な表情。
一方、銀平は、真樹子とベッドイン。結婚したらいい家庭を作ろうと言うのは、本気?はたまたヤケクソ?

<キジ撃ちならぬイノシシ撃ち>
キジ撃ちなんですけど、すぐ下には街が見えるような、そんな場所でしていいんですね。
いつものように狩に出かける鉄平くんの装いは素敵。
鉄平は三雲さんに反省の弁を。「僕が本来大切にしてきた気持ちに気付きました。もう一度一から出直します。」
「資金集めに奔走してると、いつしか高炉を立てること自体が目的になってしまって、あんなウソまでついてしまってお恥ずかしい限りです。申し訳ありませんでした。」
黙って聞いてる三雲さん。
鉄平くんはしゃべり続けます。そんなにしゃべってたらキジも出てこないと思うけど。
この狭い日本で企業同士が足を引っ張り合うのがガマンならない。帝国製鉄も真剣に技術革新にとりくむべきだ。
でも巨大企業の帝国製鉄が大金を使って真剣に技術革新に取り組んだら、阪神は負けるかもしれないよ、と三雲さん。
鉄平くんは言います。負けない自信はあるが、「もしそれで負けたとしてたら、それは仕方のないことです。」
「技術で負けたのなら会社はつぶれてもいい、そういうことですか?」
「はい。」
「・・・・はっはっはっはっ(笑)!」いつまでも笑い続ける三雲さん。
そのとき、ざわざわざと茂みが動き、かわいいイノちゃんが出現。そして鉄平くんたちのほうに突進してきます。かわいらしく。
鉄平くんたら、そんなかわいいイノシシくんにあわあわあわして、撃とうとして弾がなくて、あら、おドジさん。
三雲さんが弾を投げてくれて、それを受け取って銃に込め、バキュン!あー、イノちゃんがぁーーーコテンって倒れたー。かわいそうだぁ、今年の干支なのにー。
「腰が抜けちゃったみたいです。」
鉄平くんたら可愛いわー。
三雲さんもなんか決心が付いたみたい。鉄平くんの意思を確かめに来たんでしょう。
「ここに君に背中を押されに来たのかもしれません。私も自信がわいてきました。理想実現のために闘っていけそうです。追加融資の件、高炉融資と別枠でならもう一度役員会議にかけられます。」
「ありがとうございます!」

<お爺さんのことば>
お父さんは鉄平が三栄銀行と大同銀行から10億ずつ集めたと電話で聞き、「そうか。ひとりで集めたか。」
肖像画の亡きお爺さんの声が聞えてきます。『鉄平の才能を支えてやれ。金を動かす仕事なら、お前や銀平にもできる。でも物を作る仕事には大きな才能が必要だ。鉄平はお前よりもはるかに器の大きな人間だ。』
13年も前に父から言われてた言葉。
声まで木村さんの二役じゃなくて、良かったわー。って言っても別に二役なんてやってないけどね。

<社員に報告>
高炉建設予定地で一同を集めて拡声器で告げる鉄平くん。
「高炉建設がついに実現する!鍬入れ式が6月10日に決まった!」
やったー!喜ぶ社員たち。
「君たちのようにすばらしい仲間と高炉建設実現を喜び合うことができて、僕は本当に幸せです。どうもありがとう!」
手を叩きながら台から下りて、みんなと一緒に万歳万歳!どこまで一致団結なんだ?って感じの阪神特殊製鋼。
青年会議所とか、若手企業家の集まりとか、そういうところの役員とかもしてそうだなー、鉄平くんって。
Na.「嬉しかった。いつまでもこの喜びが続くことを僕は望んでいた。」

エンドロール中に予告を流すという手法ってあったようで、なかったんじゃないでしょうか。
すごく予告が盛りだくさんな感じがします。

第2回 「過去の悲劇と現実」(07/01/21)
「これは、世界に誇る鉄を作ることに命をかけた息子と、金融再編の荒波の中で生き残りをかけた父、その父と子を取り巻く万俵一族の愛と憎しみと悲しみに満ちた壮絶なる物語である。」
と、今日も重々しく始まりました。

<昭和42年 阪神特殊製鋼>
高炉建設を決定した阪神特殊製鋼。
高炉が建つまでは原料の確保がおぼつかないので鉄平くんは拡声器を持って社員一同にハッパをかけるのです。
「みなさんに頼みがあります。」と、優しい感じで鉄平くんに言われれば、そりゃみんな納得ですとも!
「2年後には、我が阪神特殊製鋼にも高炉が建つ!」社員一同万歳!万歳!銭高さんたちはちょっと憮然としておりますが。
「これから2年間、社員一丸となって死に物狂いで一緒に頑張ろう!」
おぉーーおぉーー!と社員たち。ニッコリの鉄平くん。
銭高さんには、阪神銀行からの回答もまだなのに発表するのはどうか、と文句を言われますが、建てると決めるのは我々なんだ!と強い鉄平くん。四々彦くんはワクワクです。

<その頃大蔵省>
12行の都市銀行を4つくらいにまとめようとワイワイガヤガヤ。富国銀行から阪神銀行へ業務提携が提案されたと聞き焦る大介さん。

<二子と四々彦のカップル>
四々彦とお昼デートの約束だったのでしょう、二子が工場にやって来て2人が出あってやぁって手を挙げた瞬間、中から「四々彦くん!」と鉄平の呼ぶ声。
固まる四々彦、あわわっとなってくるんと背を向けてこっち側に歩きだす二子。
四々彦に昼飯に一緒に行こうと言って出てきた鉄平くんの視界の先を歩く女性は?「二子?・・・二子!」
そりゃ気付きますがな。
振り返った二子は「あ、鉄平お兄さま!」
「どうしたんだ?会社なんかに。」
「鉄平お兄さまにお話しがあって。」
じゃあ一緒に昼飯に行こうってなりました。「昼メシ」とか言うんですよね、万俵鉄平くんは。
で、社員食堂か大衆食堂かよく分かりませんがワイワイガヤガヤごったがえす店。
鉄平くんは、味噌汁をバシャッとご飯にぶっかけてあふれてこぼれたりしても平気なんですよね、万俵家の人であっても。
割り箸で歯の間をシコシコしてるようなお下品なおっさんたちを見て二子はいやーな顔。そりゃしょうがないですよねー、フランス料理とかスペイン料理とかばっかり食べてるんですもん。
二「鉄平お兄さまはこういう所によく来るの?」
鉄「バカだな、本当に美味いもんってのはこういう所にあるんだよ。気取ったレストランなんて目じゃないから、早く、これ、全部乗っけてお茶かけて、食べみ。で、話しって何だ?」
二「いえ、一緒にごはんでもと思って。」
鉄「もう食べてるだろ、これ。」
二「そうよね。」
鉄「うん。・・・あっ、好きな人ができたって言ってたけどその話しか?」
四「えぇ?」
鉄「驚くだろ?二子にもそういう人できたんだもんなぁ。」二子の背中をポンと。
四「すいませんっ!専務!」口からご飯粒が飛ぶ出すくらいに勢いつけて。
鉄「何謝ってんだよ。」
四「いえ、あの・・。」
二子は、口パクで『何、ゆってんのぉー?』と四々彦に。あわあわする四々彦。
そんな2人に気付く鉄平くん。
四々彦を指差して、「これ?」
二「・・・・はい。」
鉄「(四々彦に向かって)?」
四「はい。」
鉄平くん、ちょっと笑って。
四「どうも、すいません!」
鉄「あ、いえいえいえ。くすっ(笑)。・・・・あ、四々彦くんか。」
二「・・・はい。」
四「は、はい。」
鉄「そっか。ふふ(笑)。ほら早く、これ乗っけて。」
Na.『万俵家といういびつな環境にありながら、二子が地位や名誉に関係なく純粋に人を好きになったことが、鉄平にはとても嬉しかった。』
優しい顔でお茶をかけてあげるお兄さま。こんなお兄さまがいたら、他の男性を好きになるなんてなかなかできそうにないなぁ。
しかし、四々彦くんと二子はどこでどうやって知り合ったんでしょうか?鉄平くんが紹介したんじゃなさそうだから、どこでどうやって付き合うことになったのかずっごく不思議なんですけどー。

<東京・大同銀行本店>
大同銀行のトップたちに融資のお願いに行く鉄平くん。
250億のうち自己資金50億、残りの200億の半分を阪神銀行から、30%を大同銀行から、残り20%は長期開発銀行などにお願いする、と。
三雲頭取は協力的だけど、綿貫専務、小島常務は反対です。
通産省の認可を絶対とりなさいといわれる鉄平くん。

<万俵邸>
大介、美馬、銀平、大亀専務、相子がお茶をしながらお仕事の話。“小が大を食う合併”という大介のことばに驚く面々。
都市銀行5位から9位の極秘資料を取ってこいと美馬に依頼する大介。こわー。
で、あぶない橋をわたる美馬でした。
寧子が大介に電話があったということを伝えようと部屋に電話したら、大介と相子さんはえっち中。ショックを受ける寧子は、庭に出てみると、池にかかった橋の上で手を叩く鉄平がいました。
池に大きなさざなみが立って、将軍がゆっくり鉄平に近づいてきます。
「将軍、僕は高炉を建てます。間違ってないですよね。」
でも将軍は、さっときびすを返して(きびすを返す?笑)、去っていくんです。あらら、将軍は占い師でもあるんでしょうか。
「将軍!」
「将軍」という言葉を聞き、寧子が思い出すのは敬介おじいさん。入浴中に襲われた?過去が。
背後の母に気付き振り返る鉄平、それより一瞬早く走りだした寧子。母に声をかけようと手を口の横に持っていったけど、そこでやめてしまいました。

<通産省>
また東京出張の鉄平くん。忙しいなー。
高炉建設は通産省重工業局の建設許可が下りないと実現しないのです。石橋局長はけんもほろろ。くーーー!な鉄平くん。
通産省の玄関で会ったのは、帝国製鉄の和島所長。通産省とがっちり深い関係の帝国さんです。

<つる乃屋>
鉄平くんは義父で元通算大臣の大川と会食中。どんなことがあっても許可をおろさせてやると言ってくれるんですが。
きちんと正座してる横からの姿がとても凛々しい鉄平くんです。
「いや・・。」
「なんだよ、何か不満か?」
「いや、もう少し自分の力でがんばってみたいと・・・。」
「はっはっはっはっは(笑)。相変わらずまっすぐなヤツだなぁ、おい。・・・しかしなぁ、これだけはどんなに頑張ってもどうにもならん問題だ。大切なのは目的を達成することだろ?そのためにはてめぇのプライドを捨てなきゃならんこともあるわけだよ。なあ、鉄平くん。」
「はい。」
「今回のこのことは、私に任せてくれんか。」な?と頷くお義父さん。
鉄平も覚悟を決めます。「わかりました。よろしくお願いします。」
「任しとけ。」
そこに女将登場。養女の芙紗子に会ったという大川。明らかにごまかそうとしています。
鉄平は、かつて知ったる料亭の中をさっさと歩いていって芙紗子の部屋に踏み込みました。
「芙紗子・・・。君と女将は僕に何を隠そうとしてるんだ?この7年間君はどこで何してたんだ?」
国際ボランティアの活動をしてたと。
どうして正月に万俵家がいることを知っててあのホテルに居たのかと聞くと。
「鉄平さんに会いに行ったわけじゃありません。」ボランティアの会合があそこであったと。「あなたに会うことを期待してたとでも言って欲しいんですか?そんなわけないじゃないですか!」
「もう二度と会わないと約束しろとおっしゃったのは、そちらじゃないですか!」
ん?なんだとぉ?な鉄平くん。部屋を出ていった芙紗子を追いかけます。
「高須相子か?・・・あの女が君にそんな約束をさせたのか?」
「鉄平さん、知らなかったんですか?」
「あの女は君になんて言ったんだ?」
「鉄平さんの万俵財閥の跡取りとしての人生を台無しにしてもいいなら結婚すればいいと。そうしたくなければ二度と会うなと。あのお方は厳しい目でそうおっしゃいました。」
あぁー、鉄平くんの大きな瞳がうるうるうるぅ〜。奥歯噛みしめぐぐぐぐー。
その日のうちに新幹線で神戸に向かう鉄平くん。高須相子に対する怒りで飛んで帰ってしまうんです。
新幹線は新大阪が終点です。さっさと降りる準備をして急ぐ鉄平くん。東京から神戸に帰る間中、ずーっと怒ってるんですねー。少しは冷静になるかと思いきや。

<万俵邸>
美馬の持ってきた銀行の機密資料を見て、狙う銀行を決める大介。三栄銀行か。
野心家は往々にして好色家ですのね。のん気にワインを飲む寧子さん、ちょっとアホですわ。今日は寧子を酔わせて3人で一緒にお布団に入る計画ですのに。
そんなお取り込み中のところに怒り心頭の鉄平くんが帰ってきます。相子の部屋をノックすると、父の部屋から「やめてください!」と飛び出してきたお母さんが自分の部屋に逃げ込みます。
「お母さん!どうしたんですか?お母さん!何があったんです!」
銀平くんは知っています。「兄さん、放っといてあげましょうよ。」
前にもあったことを銀平くんが話してくれます。鉄平くんがマサチューセッツに留学中、お母さんが逃げ出してきたあとの寝室にお父さんと相子さんのふたりがいたこと。そのあとお母さんは実家に帰ったけど、連れ戻され、自殺を図ったこと。
銀平くんの話しを早苗さんも聞いてしまいました。
早苗に鉄平くんが話します。
「君との結婚が決まったころ一度お母さんと話しをしたことがある。この家から高須相子を追い出してやるって。そしたら、それだけはやめてくれって。頼むからそっとしておいてほしいと。」
「どうしてです?お母様は相子さんが憎くはないんですか?」
「そのときお母さんは・・・。」
相子さんがいないと困る、私1人ではお父様を支えてあげられない・・・お父様は孤独な方なんです、私はお父様を愛しているんです・・・。回想シーンの原田さんが本当に7年前って風で、着物の柄と髪型で若くなるんだなーと思いました。
「あんなに強い目をしたおかあさんを見たのは初めてだった。でもまさか死のうとしていたなんて・・・。おかあさんがどう言おうと、僕はもう・・・。」高須相子を許さない・・・。

翌朝、高須相子に話しをしにくる鉄平くん。
「あなたはこの家から出て行くべきだ。」
「鉄平さん、今なんておっしゃって?」
「万俵家から出て行ってください!」
私は家長のお父様から頼まれてこの家にいるんだから、と言う相子。
じゃあお父さんと直接話します、と行こうとすると。
「自分の立場をわきまえたらいかが?お父さまを怒らせたら、高炉計画の融資にも影響しますわよ。」
「なんだって!」
「ご忠告申し上げますけど、私の心ひとつでお父様のお考えだって左右できるのよ。」
「他人のあなたが口出しする問題じゃない!」
「私だってお父様と他人の関係じゃございませんわ。それともためしに闘ってみます?どちらがお父様に愛されているか。」
そこに下りてきた、大介と寧子。鉄平は両親を一瞥して。
「僕たちは血のつながった家族です。僕は家族の絆を信頼しています。」
寧子「鉄平さん!お願いですからやめてください!」
余裕の笑みの相子。
父に向かって、「万俵大介の妻はひとりです。」
大介「お前はすぐにそうやって思ったことを口にする。本当にじいさんそっくりだ。」その言い方が心底悔しそうな感じ。かわいそうだよー、鉄平くん。
「思ったことが口にできない家族なんて寂しすぎます。」
「相子は万俵家に必要な人間だからうちに置いている。」
「この女がやってることは結局家族を傷つけてるだけです!お父さんはこの女に騙されてるんです!」そんなにまっすぐ過ぎなくても・・・。
「この女だと?」
「お母さんがどれだけ苦しんできたか、お父さんだって知ってるはずです。」
「私だっ・・」鉄平そっくりの亡き父の肖像画に視線をとらえられ口ごもってしまう大介。「耐え難い苦悩を耐えて、寧子を大切にしてきたつもりだ。」それは鉄平には言えないんです。
いやいやいやと首を振る鉄平くん、「おっしゃる意味がわかりません。」
「お前が知らなくていい話だ。」背を向ける父。
「どうしてはぐらかすんですか!何でそうやっていつも逃げるんです?」
父にも言い分があります。鉄平のところに戻って来て父は言います。鉄平は、自分が経済学部に行って阪神銀行に入れと言うのを聞かずに、じいさんの言うとおり冶金科に進み阪神特殊製鋼を選んだ。
「私の話しを聞かずに、自分の話だけ聞けというのは虫が良すぎると思わないか?」
「・・・・」
お父さんに近寄る鉄平くん。「お父さんは僕のことが嫌いなんですか?」切ないわー。
「私はいつもお前のことを一番に考えている。」寂しい目の父。
「私の勝ちのようね。融資会議の結果が楽しみだわ。」勝ち誇った相子。
出ていくお父さんに向かって言う鉄平くん、「お父さん!高炉融資は、親子の感情は抜きにして阪神銀行頭取としてのご判断をお願いします。」
バタンと閉まるドア。
苦悩する鉄平くん。くーーって奥歯を噛みしめ。

<高炉建設予定地>
キラキラ輝く水面を背景に1人歩く鉄平くん。
一ノ瀬工場長が知らせを持ってきました。通産省の認可が下りると。
思わずよっしゃってポーズをして、それを抑えるような仕草の鉄平くん。「そうですか。」よかったね。
社員たちは休日返上でスクラップを集めに走り回ってるそうで。トラックで戻ってきた四々彦にみんなが手を振るので釣られて手をちょっと振ったのがかわいいです。
みんながみんな頑張る会社なんですね、ここは。そりゃ経営者としては嬉しいですよ。
「僕はこの会社を引きついで本当に良かった。心からそう思います。」
一ノ瀬「専務のお力ですよ!」高炉建設をみんなはすごく喜んでるんです。
「みんなが居てくれなかったらここまでこれなかった。僕はいい仲間に恵まれて、本当に幸せです。」と感激してる場合じゃありません。

<阪神銀行・融資会議>
阪神特殊製鋼の融資については当然認めるものと役員全員が思っていたのですが。
「私の息子だからと手心を加える必要はない。」びっくりする役員たち。

<阪神銀行から電話>
高炉建設への融資が決まったが、満額ではない。50%の希望を10%減額する。つまり80億円。
「残り20億をどうしろと言うんですか?」
「当方にも事情がある。阪神銀行としては誠意を尽くしたつもりだ。不足分はお前の力で集めるんだな。」
「しかしメインバンクが減額となれば他行への不安も広がります。融資の撤回というおそれもあります。」
「他行には従来どおり50%の融資をすると言っておけばいいだろ。」
「他の銀行を騙せとおっしゃるんですか。」
「それが80億もの融資を決めたメインバンクの頭取に対する言葉か?まずは感謝の礼を述べるのが筋だ!」
「しかし、お父さん。」
「仕事には親子の感情を持ち込むなと言ったのはお前のほうだろ?」
「・・・・・・」くううーーーーー。
「その通りにさせてもらったよ。」
「ちょっと待ってください。」
ガシャン。あぁぁぁ〜
狭い町並みを、ぶっ飛ばして走る鉄平くん。
鉄平のNa.『その日、父が下した非常な決定は、僕と万俵家の人々の運命を大きく狂わせた。』

スーツ姿、かつ苦悩する木村さん、好みですわー。
それほど高須相子を憎く思えないのは、もっと鉄平を苦しめてーってどっかで思ってる自分がいたりするからかしら。
北大路さん、重厚でいいですなー。

第1話(07/01/14)

<プロローグ>
時代背景の説明。
「そしてこれは、世界に誇る鉄を作ることに命をかけた息子と、金融再編の荒波の中で生き残りをかけた父、その父と子を取り巻く万俵一族の愛と憎しみと悲しみに満ちた壮絶なる物語である。」
うわぁぁ重いぃぃ。

<昭和43年12月31日・丹波篠山>
一面銀世界、雪を踏みしめながら思い出の木の下へ向かう鉄平くん。大晦日は殺生をしてはいけないという教えを守らず、悲しい運命をたどってしまう鉄平くんなのですね。
思い出が詰まったあの大木がそび立つ・・・って、大木じゃないんだけどー。いい場所がなかったんでしょうかね。
この真っ黒いイノシシさんはロケ地から逃げ出したイノシシくんでしょうか。
鉄平くん、顔の下半分が雪焼け?寒さで色が変わっているの?あぁ悲しみの瞳・・・。

<昭和41年12月31日・神戸三宮>
上海じゃなくて、神戸。路面電車の合間を縫って人々が歩いています。
ハザマ自動車を出てきた阪神特殊製鋼専務・万俵鉄平くんは手ごたえを感じていました。にやっと笑ういつもの木村さん。チェックのジャケットが素敵。
鉄平くんは技術者ですから、新しい技術をどんどん開発していて、メーカーからの注文が増えているんです。
子供みたいに専務ー!って呼ぶ一ノ瀬工場長(平泉さん)。若い専務を信頼し助けているんですね。上海に一緒に行った仲ですもん、平泉さんのモノマネも会得しますって、木村さんなら。
順調に注文を受けているのに、銑鉄の供給が追いつかないのが不安なんだけど、そんな鉄平くんを励ます一ノ瀬工場長。
「そうですね、僕が弱気になってる場合じゃないですね。」

<阪神特殊製鋼専務・万俵鉄平>
スクラップを溶かす電気炉が大反乱、火だるまのスクラップやら何やらが飛んできて大変だー!
よくわからんけどブリキの入れ物はなにが入ってるんでしょう、火が燃え移ったら爆発でもするのかしら。
大混乱の中で1人の作業着に火が燃え移った!一番に走っていって火を消すのは鉄平くん。
その人は一ノ瀬さんの息子の四々彦くん(成宮くん)でした。全然だいじょうぶよ言い張る四々彦くん。病院行ったほうがいいと思うんだけど。
「じゃあ後片付けしてテスト再開。」となりました。こんなことは日常茶飯事なのですね。
一ノ瀬さんは息子を助けてもらってますます専務のファンになるんです。
鉄平くんは正月の恒例行事の志摩に行かないといけないんですが、そんなことより仕事が大事なんです。

<志摩観光ホテル>
正妻と愛人をひきつれる万俵大介。テーブルについている万俵家の人びとは、意地悪な人といい人がすぐ分かりますねー。
ホテルの支配人(佐野史郎さん)でさえ、『鉄平さまがお着きになりました。』って聞いたら笑顔になっちゃうなんて、人気者だわー鉄平くん。
料理を下げてる途中のワゴンから「ごめんなさい!」とナプキンを取り靴を拭いちゃうってのは、OKなんですか?豪快な感じ?
遅れて小走りにやってきた鉄平くんを迎える万俵家の人々。高須愛子(鈴木京香)をのぞく女性陣は顔がパッと明るくなるんです。いいわー。女性たちからは絶大なる人気です。
「申し訳ありません。遅くなりました。」さわやかー!ステキー!
愛子さん、美馬中(仲村トオル)さんなどは鉄平くんに苦言。「正月まで仕事をするなど万俵家の人間のすることではない。」なんて言うお父さん。
鉄「みなさんをお待たせしたことは謝ります。ですが、社を預かる者としてやるべきことをやったまでです。経営者として恥じることは何もありません。」と父に軽く会釈。
もうカッコよすぎー!
鉄平くんのネクタイを直してさしあげたい!
そしてこんなところで家族写真?他のお客さんがガチャガチャ食べてるまん前で、写真を撮るなんて不自然なんですが、これも権力誇示?
鉄平のNa.「これが、僕が万俵家の一族と撮った最後の写真だった。」あぁぁ・・・。
食事中でもなんだか嫌な雰囲気。
高須愛子はチクチクいやーな感じでものを言うのでした。
美馬さんはもう東京に帰らないといけないので、「鉄平さんが遅れていらっしゃらなかったらもっとお話できたのに。」なんて言う愛子さん。

<4人兄弟>
美馬一子(吹石一恵)は、夫は大蔵官僚としては優秀だけど家庭人としてはダメだと言う常識的な人。銀平(山本耕史くん)は結婚を自分の意思ですることなんかとっくに諦めています。
でも二子(相武さき)はそんな結婚がイヤなのです。
鉄「(ふっと笑って)二子は従うことない。」
子供の寝る時間なのでお部屋に帰ると言う鉄平くん。
銀「兄さんだって通産族の大物代議士の娘と結婚したくせに。」
鉄「・・・でも僕は早苗のことが好きだから結婚した。おやすみ。」
まっすぐなんです。
銀「いいよな、兄さんは。あんなに一生懸命になれて。」

<元カノ>
エレベーターでばったり会った芙佐子(稲森いずみ)。「ふっこ」と昔の名前で呼びました。
そこに奥さん登場。こういう時に女の直感は鋭いのです。ちょっと天然っぽいハセキョーでも。
鉄平夫婦が部屋に戻ろうとするといろんな人と会ってしまいます。美馬は父の部屋から出てくる、高須愛子と母寧子が一緒にやってきて、愛子は父の部屋に、母は1人の部屋に。
変わりばんこの一夫二妻制なのです。
15年前鉄平が留学中に愛子が万俵家のすべてを取り仕切るようになっていた、ということは鉄平にとっては全く意に沿わないことでしょう。
父のことや、さっきの女性のこともあり不安をもらす妻の言葉に応え、寝ている子供をはさんで「愛してるよ」ってー!きゃぁー。いいわー。
彼の頭に自分の頭を預ける奥さん。うぉぉ〜。
明け方、窓から外を見る鉄平くんの横顔にうっとりー。

<1月4日・阪神銀行>
都市銀行12行中10位の阪神銀行。豪腕経営者であった鉄平の祖父、故・万俵敬介をついだ大介は緻密な経営手法で阪神銀行を発展させてきました。
敬介さんの肖像画に、ん?と思ったけど、ここではスルーしましょう。
多勢の人が働く巨大銀行。はるか上から見下ろす頭取・大介に気付いて階下の行員たちが全員起立して礼。この人たちとその家族を守らねばならないという気持ちを新たにする頭取です。
この人もまた経営者としての責任を全うする方なのですね。
貸付課長の銀平さんは、何を考えているのでしょう。

<阪神特殊製鋼>
ハザマ自動車からの大口注文。でも鉄平くんは不安でした。
なぜなら、製鉄にはスクラップと銑鉄(せんてつ)が必要だけど、阪神特殊製鋼は銑鉄そのものを作るための高炉というものは持ってなく、それで国家的企業の帝国製鉄から銑鉄を供給してもらってると。
でもそれが十分じゃない、と。
製鉄の解説もしてくれるなんて思いもしませんでしたわ。
「高炉さえあればこの会社はもっと発展できる。高炉建設。・・・それは僕が長年抱いていた夢だった。」電気炉の前に立ち、見つめる鉄平くん。

<帝国製鉄へ>
帝国製鉄が銑鉄をやらねーぞって言って意地悪するんで、鉄平くんは文句を言いにいきます。銭高常務(西村雅彦)は慎重派なので鉄平くんを抑える役ですね。
でも慇懃無礼な帝国製鉄に、わが社も真剣に高炉建設を考えますと宣言する鉄平くんです。
帝国製鉄は戦々恐々。鉄平くんの作ったものはすごーく品質がいいので、高炉なんて作られた日にゃあ全然太刀打ちできないのですから。
帝国製鉄の高炉を眺めて決意を新たにする鉄平くんです。
曇り空に不気味にそびえ立つ高炉。

<1週間後・丹波篠山>
鉄平くんは、大同銀行の三雲新頭取(柳葉さん)とキジ打ちに。ふたりはアメリカ留学時代のおともだちです。
日本の将来を憂う鉄平くん。これからの日本の発展は人々の熱意と努力にかかっている・・・。雪の中で静かに話す鉄平くん。引きの画ばっかりですが。
「あ、ちょうど、この木の下で、そんな話をしたあとに、このジェームスバーディ(?銃のことね)、おじいさんが僕に譲ってくれたんです。」おじいさんが大好きだったのね。
日本産業の発展を支えていくのは鉄。高炉建設に着手しようとしていると言う鉄平くん。
「帝国製鉄の横暴に屈したくないんです。うちが風穴を開けなければ日本の鉄鋼産業は時代の要求に対応できず、世界から遅れをとる一方です。」
志の高い企業人を支援することが銀行家の使命、夢の実現に向けて進んでください、と言ってくれる三雲さん。
鉄平くんの心強い味方です。

<万俵邸>
おうちに帰ってきた鉄平くん。神戸の夜景を庭にした広大な敷地です。CG合成が綺麗ですねー。
鉄平くんのおうちと、お父さんのおうちとは別棟です。今日はお父さんにお話があってやってきました。
お父さん一家はお食事中。高須愛子が二子の縁談の話しをし、ささやかな抵抗をしている寧子と二子。
鉄平くんは「二子のことはあせらなくていいじゃないですか。」と割って入りますが、鉄平さんだって奥さんのお父さんのおかげで会社が大きくなった、と愛子。
そのうえ公家華族の出の寧子に失礼なことを言う愛子にキレる鉄平くん。
「本人の前でなんですか。少しは謹んでください、近頃あなたの言動には目に余るものがあります。」キリリ。
父が割って、「鉄平、お前はそんなことを言うために来たのか?」ちっ。
「お父さんにご相談があって伺いました。よろしいですか。」

「なにー?高炉建設?役員は何と言ってるんだ?」
「役員会では本日正式に了承されました。」えっへん。「これが予算書です。」
目を通す父。ぐっと奥歯を噛みしめる鉄平くん。
「これからうちの製品はますます必要とされる時代がやってきます。」今立ち上がらねば!
でも総予算250億!その時代の250億ってどんなん?
父には美馬から電話がかかってきて、明日から長期出張なので話は今度にしてくれ、と言われました。
「わかりました。ですが僕も急いでいます。」
東京である三雲さんの頭取就任パーティーのあと時間をいただくことを約束しました。
鉄平の後ろにピタっと止まる愛子さん、不気味。
金融自由化となるということを聞いて、あせる父。「こんなときに何が250億だ。」あぁー、暗雲。
庭で1人思案する大介。「このままでは万俵財閥のすべてがなくなってしまう・・・。」
蜘蛛の巣にかかった大きなカマキリが小さな蜘蛛の餌食になるのを目にする大介。

<三雲さん頭取就任パーティー>
鉄平にいつでも相談に来いと言ってくれる三雲さん。
でも日本銀行からの天下りの頭取に不満がある人もおります。大同銀行生え抜きの綿貫専務(鶴瓶さん)と児島常務(金田さん)はブツブツ・・・。
阪神銀行の大亀専務(武田鉄矢)もそつない感じ。
永田大蔵大臣(津川雅彦)も参加する大きなパーティー。鉄平くんの義父である元通産大臣の大川一郎(西田敏行)もいて、大きな声で鉄平くんを呼びます。
みんなの注目の中、お義父さんのそばに行く鉄平くん。
永田大蔵大臣は「チッ」って感じ。
お義父さんは豪快で、いい人っぽいですが。
大介、銀平も到着。美馬も大蔵大臣についてきているので、万俵家の男たちが揃いました。
三雲さんは言います。鉄平くんはおじいさんの敬介さんに似てる、理想を追求する姿勢と行動力は敬介さん以上かもしれません。
鉄平くんがお義父さんと談笑している顔は、とても楽しそうで、ホッとします。
美馬が今なら大蔵大臣が面会できると大介に言ってきました。大介はチラッと鉄平を見て、鉄平との約束より当然大蔵大臣を優先するのでした。
銀平からお父さんは大蔵官僚と早々に消えた、と聞き、えええぇ?ってなる鉄平くん。
慌てて廊下に出てみても、いるはずはなく・・・。

<東京築地・金栄庵>
大蔵大臣と万俵大介の密会。12の都市銀行を3つか4つに絞りたいと言う大蔵大臣。
小が大を食う合併もあるんじゃないかと大介。
預金順位が10位の阪神銀行。「せめて一桁にできませんか。」・・・一個でいいのかー。でもその一個が大変なんだろうなー。

<東京麻布・つる乃屋>
おじいさんがひいきにしていた店です。鉄平くんはお父さんに振られたので、お義父さんのほうとお食事。
女将の鶴田志乃(多喜川裕美)には、おじいさんの縁でお世話になった鉄平くん。学生時代には家庭料理をご馳走になってました。
ここの養女が芙佐子なんですね。外国に行ったきり、とお母さんはいいますが、お正月に会ったと鉄平が言うと、里帰りしてたけどまたすぐ戻った、と言います。
お母さんは会わせたくないんでしょうか。そんな会話を廊下でこっそり芙佐子でした。

<急遽帰る>
父が最終の新幹線で帰ったと知って、鉄平くんは飛行機で帰ります。パーティーやって、会食やって、そして大阪へ。すごいスケジュール。
1960年から1972年の間、東京・大阪間には深夜の航空便があったそうです。さすが高度成長時代。
父が自分を無視するのはこれが最初じゃありません。父の冷たい態度に心を痛めている鉄平くん。あ〜かわいそう・・・。

<深夜の万俵邸>
コップの水をえいやっと飲み干したところにお父さんが下りてきます。
約束をすっぽかされて怒る鉄平くん。こっちだって準備の都合があるのだから。
「それがメインパンクの頭取に対するものの言い方か?結局肝心なところは私や大川先生や三雲頭取の温情に頼るだけだろう?」
「高炉さえできれば恩恵は必ずお返しできます。今のうちの技術力だったら、海外でも闘える自信はあります!」
「お前はいつもそうやってたいそうな夢ばかり語るが、足元にある現実も見据えほうがいい。」
「夢を見ることができなければ未来を変えることはできませんっ!」
「・・・」
「おじいさんが作った阪神銀行をお父さんが発展させたように、僕も高炉建設を成功させて、おじいさんが作った阪神特殊製鋼を世界でも闘える企業に発展させたいんです!」
熱意に負けたか、おじいさんの影を感じたか、父は「わかった。」と資料を受けとります。
が、生産量やコストの増減などポイントをまとめた資料を見せなさい、と。
「わかりました。10分だけ時間をください。」へぇ?10分で資料を?すごい頭いーい!
お母さんがお茶を持ってきました。
「鉄平さんは?」
「バーにいるはずだ。」
バーを外から覗いたお母さんは持っていたお茶を落としてしまいます。そこにいたのはおじいさんと瓜二つの鉄平。慌てて去っていく寧子。
お父さんも、相子もバーの中を見てみると。
鉄平が椅子に座っていて、その背後にかけてあるおじいさんの肖像画にそっくりだったのでした。
あー、これって正解なのー?あー、こんな絵なら、どうせなら、鉄平自身がおじいさん役をやって写真にすればよかったのにー。特殊メイクで。
でもきっと誰かの回想場面で、二役するね。やってもいいことよ!

<翌朝・万俵邸の庭園>
昼間も綺麗なCG合成。
車で庭の中の道を走っていく途中に、池にひとりたたずむお父さんを発見しました。車から降りて近寄る鉄平くん。トレンチコートが似合います。
「ゆうべは遅くまで失礼しました。でもお父さんに融資会議にかけると言っていただいて、嬉しかったです。本当に嬉しかったです。ありがとうございます。」素直な鉄平くん。
もうずいぶん将軍の姿を見ない、とお父さんがしみじみ。将軍というのはこの池にいるでっかい金色の鯉です。
おじいさんが手を叩かないと姿を現わさなかった将軍。
「もう死んだんですよ。」と言う鉄平くん。
「いや、お前が手を叩けばきっと現れるよ。」
「まさか。」
「ためしに叩いてごらん。」
「そんな出てくるはずありませんよ。」
「いいから。叩いてみなさい。」
んー、と思いながら、手をポケットから出して、パンパンと叩く鉄平くん。
池に変化はありません。
「やっぱりもう死んだんですよ。失礼します。」
と、ざわざわと池がさざなみをたて始め。行こうとしてた鉄平くんも橋の上に戻ってきます。
泡がブクブクブクブク・・・・・そして現れました。巨大な金色の魚雷が。
えぇ?と父の顔をうかがう鉄平くん。ぎゅっと目を閉じる父。魚雷はまっすぐにこっちに向かって来ます。
どうも居心地の悪い鉄平くん。
鉄平の顔をジッとみる父の顔は驚いて、怯えたような、諦めたような表情。「やはりお前はじいさんの子だ・・・」と言ったよね?鉄平には聞えてないのでしょうか。
鉄平(Na)「12年ぶりに、将軍が姿を現したときの父の顔を、僕は一生忘れないだろう。たった一匹の鯉の出現が、僕と万俵家にとりつく怨念との闘いを、予言していたのかもしれない。」
朝日が映る金色の池。鉄平は去っていく父を見つめるのでした。

<タイトルバック>
エンディングロール中に、予告をワイプで流すんでしょうか?これって斬新?いいのか悪いのか分からないけども、タイトルバック自体はモノクロ映像だけなのでつまんないかも。
美術協力、衣装協力の多いこと!

説明が多かったですが、最初だから仕方ないですね。
重厚感は十分に出てました。
肖像画、鯉などは突っ込みどころでしょうが、それはまぁ目を半分にしてれば大丈夫♪
鉄平くん、やっぱりいいですわー。さすが木村さんです。絶対はまると思ってました。


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