私は貝になりたい

エキストラ参加 08/02/16

★集合〜待ち時間
朝6時前。真っ暗の中、指定された駅 小田急の鶴川駅到着。
今回は17日(日曜)だけ参加するつもりでしたが、急遽16日も参加することとし、飲み会をパスし金曜の夜行で来ました。
マイクロバスが2台用意されていて(たぶんその始発便だったと思います)緑山スタジオへ。
受付をし、今日のグループ分けを書いた首にかけるネーム札をもらいました。
私たち3人は、「A・もんぺ」と「A・ブラウスとズボン」になり、衣装テントでその衣装をもらいます。
衣装部のおじさんは、ちょっと頼りない感じだけど、私たちがまごまご着替え出してから、後からきたおばさんたちがてきぱきと着方を教えてくれました。
もんぺの紐の結び方が結構面倒で、トイレが大変でした。


衣装をつけて次のテントはヘアメーク用のテント。メークテントには30席くらいあって、大勢のヘアメークさんが作ってくれます。
基本的に前髪は全部上げて、後ろでまとめるスタイル。私は髪の毛の下半分がまだ茶色が残ってたので、てぬぐいですっぽり隠されました。
次のテントは持ち道具と履物。
柄のところが木でできた布のバッグとふろしき包み。中は新聞紙やぷちぷちで膨らませてあって軽いです。
履物は洋服の人はぺらぺらのズックみたいなの、もんぺは下駄。


他にもいろんなかばん類が山積み。

それらを持って、集合テントへ行き、朝ごはんのおにぎりとお茶をもらってそこで食べます。
うちらはほとんど一番乗り状態だったので、そこで長い時間待つことになります。


私です。結構似合うのが怖い。もんぺの下は、着てきたジーパンそのまま穿いているし、上の服の下はセーターも着こんでるので、私は全然寒くないのだー。

集合テントには次から次からいろんな衣装の人がやってくるのが面白いです。
和服(男・女)、国民服、帰還兵、学生、女学生、戦争孤児、子供、駅員、おまわりさん、外国人(米兵)、パンパン、負傷兵、店主・・・・・。
最初にグループ分けした「Aチーム」は、早く来た人たちと、最初から依頼されているセミプロのような人たちで構成されていて、今日の撮影では一番出番があり、主役の一番近くにいられるチームです。
Aチームは100〜120人ぐらいで、男女比が半々。一般エキストラは女性400人で、男性は2桁と言っていたので、このチームの男性はほとんどエキストラのベテランって感じの方たち。
子供たちもなんかのプロダクションに所属してる子たちのようでした。お母さんがあちこちにあいさつしたりしてました。
私の前に座ったおじさんは本当にずっとエキストラやってますって感じのおじさんで、その周りにそういう人たちが徐々に集まってきていろんな話をしてるのがおもしろくて。
「小田原城(の撮影)には行きました?」とか
「火祭りのシーン、結構練習したからちゃんとできたよ。」とか
「あぁ、あれ行ってました?どうでした?」とか・・・。
近況報告をしあうエキストラのベテランさんたち。
私の前のおじさんは話し好きらしく、チャンスがあれば私たちにも話しかけよう話しかけようとしているのがありあり。
ちょこちょこ話はしましたが、もしこっちが「どんな作品に出られたんですか?」などと聞こうものなら、たぶん延々としゃべりそうな気配があったので、そういう質問するのは遠慮しておきました。
別の友達が来た、とメールが来たので会いにいったり、うろうろしたり、長い待ち時間も苦にならなかったです。


足にゲートルを巻く人たちに、巻き方の講習中。ゲートルって何?って思ったら調べてみてください。


この携帯をいじってる中学生ぐらいの男の子が戦争孤児役。ベテランさんです。


米兵役の方たち。(横に張った黄色いテープの向こう側です。)

だいたい席が埋まってくると、メークさんがテント内をまわって、メークを直していきます。基本的にノーメークなのでほとんど直されることはないのですが、パンパン役の女性は、回ってくるメークさんによっていろいろ好みがあるらしく、ものすごい派手にされたり、次に来たメークさんにそれをすっかり落とされたり、めまぐるしく顔が変わっていました。
私の場合は、眉を、「もっとボサボサにしとかないと。」と言われ、眉だけ描かれました。それも2人の人に。

★オープンセット
今日の説明があり、撮影するシーンは、昭和22年、仲間さんが、巣鴨プリズンに収監されているだんなさんに会いに、子供たちを連れて四国から出てきて池袋駅に降り立ち、駅前の闇市を不安げに歩いて行くというもの。

11時前ごろからセットに移動。

街灯が立ってる位置から向こうにずらーっと店が並んでいて、一番奥に池袋駅があります。建物の裏は骨組みだけ。
ここから左手の奥のほうに焼け野原が広がっています。


セットの一番奥にバラックのような池袋駅があり、幅5〜6メートルくらいのホームが作られて線路の位置の向こう側には青い幕。つまりブルーバックで、列車は合成するのですね。そのブルーバックも、私たちがテスト中に、どんどん作りあげていました。巨大な青い布を張っていく作業と撮影のテストが同時進行。
そのホームから5段ぐらいの階段を下りた正面に改札があり、そこを抜けて左に行くと闇市が連なっています。
改札の横に切符売り場があり、時計は7時15分を指していました。
通りには、うどんや、魚屋、いっぱい飲み屋、乾物屋、甘味処、ふかし芋屋、古着屋、傘屋、下駄屋、布団屋、ミルクホールというダンスホール?、おにぎり屋・・・道の左右に10軒ずつぐらいの店。
店は表面だけだけど、小道具は本物です。魚も本物を並べてあります。「一皿5圓」でした。合間合間に霧吹きで魚を濡らしていました。
花屋の花もほんもので、「ヒヤシンスはいりました」とかも。
魚は本当にうちわでパタパタあおいで焼いていて、煙がもくもく出てて、おでんやうどんも湯気がすごい出てました。(テストの時はまだだけど)
おでんは本当に食べられたそうです。時間が経つにつれて焼いた魚が真っ黒になってました。
あんみつやさんのあんみつは、そこの屋台で作れるように、豆やかんてん、シロップが入れ物に入っていて、それを器に入れて出せるようになってました。
駄菓子やの駄菓子も、かりんとう、麩菓子、豆のお菓子・・・。スプーンじゃなくて、スコップの小さいのみたいなのですくってお菓子を袋に入れてくれるのだけど、その新聞紙でできた袋の新聞紙も古いものだったです。時代が合ってはなかったようですが。
古いブリキの看板やら、なんだかわからない小物やら、見てるだけで楽しかったです。
そして、駅のセットの正面にカメラクレーンがあって、モニターやら機械がごちゃごちゃある所にジャイさんが。でかいっ(笑)!

この闇市の右の奥のほうには、一面の焼け野原が広がっていました。半壊して斜めになって倒れそうな建物、真っ黒に焼けただれた木が、あちこちに飛び出て、全体がすすけていて焼けた匂いもしていました。すごーいって思わず言ってしまう景色でした。
この焼け野原セットでは、エキストラ抜きで仲間さんは撮ってたというウワサです。


★シーンその1:仲間さんが、列車を降りて、改札を抜けて駅舎を出るところまで。
Aチームは駅のホームや、改札のあたりに配置されます。
私たちは、最初ホームの上に三々五々散らばるように配置され、助監督さんから、「スタートがかかってゆっくり二つ数えたら動き出して、改札を抜けて左に向かって歩いて」いう指示を受けます。
Bチームがあとから数人同じ場所に配置され、C、Dといくに連れてだんだん駅から遠くに配置されていきます。助監督は何人いるかわからないけど、それぞれの持ち場で人を配置し、指示を出していきます。
そしてテストを繰り返すこと5,6回。(何回やったか忘れました。)
仲間さんのスタート位置は改札の手前あたりなので私たちは仲間さんの後ろを歩くことになります。
改札を抜けたあたりは、孤児たちが走りまわり、「何かください!お願いします!」「3日間何も食べてないんです。」とか言ってすがってきたり、負傷兵が施しを求めてきたり、アメリカ兵とパンパンの女の子がいちゃいちゃしていたり、すごい混雑ぶり。闇市もどんどん前から人が来るのでまっすぐ歩ける状態ではなく、店の呼び込みもうるさいくらいで、道でケンカしてる男たちがいたり、大きな行李(こうり)を持ってる男の人もいてその荷物が当たったり、飲み屋やうどん屋の席(オープンテラスですね)にはちゃんとお客さんも座ってて、ワイワイやってたり、すごいリアルで、テストを繰り返して行くうちに本当にその世界にいるような気になってきます。
店主の方たちは声を張り上げて呼び込みをしないといけないので、どんどん声が枯れてってました。
時代としては、生きていくことに必死で、疲れているけれども活力もあるような感じだそうで、音も録るので、みんな元気にしゃべってくれという指示。
闇市に買い物に行く私らは、主婦同士で連れ立って行くということはないだろうと思ってひとりで歩いていたんだけど、とにかく声を出してというので、そのうち連れ立って買い物に来たおばさんたちに変化してきました(笑)。
「主人が今日復員してくるんですよ。」
「まぁ、それはおめでとうございます。」
「しばらくぶりにお米を食べたいので奮発しますわ。」とか勝手な会話。アホですねー(笑)。

ホーム上で待ってる時にもメークさんがまわってきて、髪を直したり、顔が白いというので、ちょっと濃いどうらんを塗られたりしました。
テストの最後のほうで、急に変更がかかり、ホームの上にそんなに人はいらないから、5人くらいこちらへ、ということで、私たちを含む5人くらいが改札を出た外に配置されました。
駅に向かって左側の、カメラクレーンを配置してる位置から、駅舎前をすれすれに通って右の闇市のほうに歩いていく、ということに変更。
そこに変更になったあとはテストはなく、ちょっと休憩に入りました。
たぶんその時に主役が来て動き方を確認したのでしょうか。

休憩後、変更した位置からのテストを数回。
その間もメークさんが回ってきて、裸足に下駄の人の足が白すぎるってんで茶色のどうらんで足を塗ったり。ちなみに私はラッキーにも足袋をもらってたので寒くなかったです。
最初の位置だった駅のホームは日陰だったので顔をちょっと黒くされたんですが、外に変更になったら日光がまともにあたって、黒くしたのが目立つみたいで、メークさんが黒いのを落としにきてくれました。
友達は、テストのとき、髪に刺していたピンが光ったのがメークさんの目に止まったらしく、さっき光った人はどの人だろうと、探されてて、「あっ!見つけたっ!」とメークさんに見つけられて直されました。
宝ものでも見つけたようなメークさん。みんなすごく一生懸命仕事してる感じでした。

何回目かのテストのあと、明らかにエキストラとは違うちゃんとした身なりの6歳ぐらいの子役がお母さんらしき人に連れられてセットに入っていったので、息子だな、とすぐわかりました。
目鼻立ちくっきりの可愛くて賢そうな子で、あの夫婦の子としては合格。
テスト中、私たちのそばにいた背の高い男の人がひとり、動き方がおかしいとか言われて立ち位置を変えられたりしました。厳しいー。
そして主役が入ってテストとなりました。

仲間さんがふいに登場。どっから来たのー?って感じ。後からわかったのは、ホームのセットの裏のほうから入ってきて、切符売り場になってる駅の事務室として作られたセットの中に控えてたようでした。中を覗いたときにディレクターチェアが見えました。
で、主役が入ってのテスト開始。
仲間さんが子供の手を引いて、改札を出てきて、どちらに行ったらいいかと、立ち止まってちょっときょろきょろして左方向の闇市方向に歩きだすんですが。
テストしてみてびっくり。私らは改札を出てきた仲間さんの真ん前を横切るように通り、でもそのあと、闇市の混雑ぶりになかなか前に進めないので、仲間さんの至近距離を同じ方向に歩いて行くという感じなんです。
私たちはカメラクレーンのすぐ横から動き出すのだけど、クレーンがぐーんと下がってきて頭に当たりそうになったり、音声さんがあの毛のいっぱいついた集音マイクを掲げてるので、そのコードのつまづきそうになったり、ごちゃごちゃした所から歩きだして、仲間さんを至近距離で見て、その後仲間さんより先に歩いて行きます。
そしてカット!
えぇー、いいのかぁー?こんなにかぶっちゃって(笑)。カメラは若干上から撮ってるので、実際かぶることはないんだろうけど主役よりカメラに近いところにいるのは事実です。
仲間さんは背は私と同じぐらいかな、155センチってとこ。目がすんごいでっかくて、吸い込まれそう。ザ・黒目!って感じですね。
でもお肌がちょっとお疲れ気味で・・・。大変ですもんねー。

本番になって、仲間さんが赤ちゃんを背負ってねんねこを着て登場。
さぁ、本番。
本番はテイク3ぐらいやったかな。
モニターでチェックするジャイさんはずっと貧乏ゆすりしてました。ジャイさんは紺色のダウンと紺に黄色ラインの入った長靴。イメージどおりの格好でした。
何回やってもちょっとずつタイミングが違うので、ある時は仲間さんの周りがすっかり空洞になってしまったり、全然前に進めなかったり、その都度違うので、いったい何が良くて何が悪いのかわからないけども、仲間さんとすれ違う米兵とパンパンガールのカップルなどはしっかり芝居をつけられていました。
何回もやってるうちに同じところの立ち位置の人たちと話しをするようになって、そこに中学生の男の子がいて、プロダクションに所属していて貝の撮影にも何回も行ってる子でした。
こないだは、中居さんが連行されるシーンに参加したと言ってて、中居さんの頭どんなんだった?て聞いても、さぁ・・・って(笑)。中学生の男の子にとって中居さんの頭なんかどうでもいいんですね(笑)。
今週の水木も貝の撮影があると言ってました。
学校休んで行ってるそうで、将来は俳優になると宣言してましたけど、どうでしょうねー(笑)。勉強しとかないとダメだよーと老婆心で忠告する私ら(笑)。

「太陽待ち」が何回もありました。「そのままの位置で2分お待ちくださーい!」って何分待つか宣言してくれるんですが、本当に言った通りに太陽が出てくるんですねー。これぞプロ。
孤児の子に、持ってたバッグをひったくられそうになって、ひっぱりあいっこをしたのは、私の友達です。きゃぁぁーーって結構長い間引張り合いっこして勝った友達(笑)。
孤児たちは、男の人のカバンをよくひったくってたらしく、カットがかかるたびに、「これ誰のですかー?」って持ち主を探してたりしました。
そんなこんなで、カット!チェックしまーす!OK!で、そのシーンは終了。

そのあと別アングルか、何かを録ってる組があり、Aチームはしばし休憩。



★シーンその2:シーン1の続きで、仲間さんが闇市を前に進んでいくところ
次のシーンでは、みんなほぼ前のシーンと同じ立ち位置からスタートし、少し動き方を変えて撮影。
私たちは、仲間さんが通って行ったあとの駅舎に入り、切符売り場で切符を買い、改札を通るという動き方を指示されました。
今度は、仲間さんの背景になる位置だし、映らないし、全然緊張もなく、気楽にワイワイガヤガヤとしゃべりながらやってました。
人混みを抜けて切符を買うマネをして、改札を受けるマネをして、歩いてそのままUターンして改札から出てきて元の位置へ。
何回かテストして本番になり赤ちゃんを背負った仲間さんがスタート位置に。
「太陽待ち」も多く、何回かテストしてその間、赤ちゃんを背負っていた仲間さんですが、だんだ赤ちゃんがずれてきたようで、ちょっと横にはずれて赤ちゃんを背負い直すことに。
その時はかなり近くだったので凝視凝視。
赤ちゃんは大人しくて、全然泣いたりしないいい子です。
お兄ちゃんのほうは、ゲンキな盛りなので、お母さんが付きっきりですが、回りにどうみても赤ちゃんのママがいません。l
なんでだろうと思って見回すと、私たちの斜め後ろあたりに赤ちゃんのママとおぼしき女性が、赤ちゃんの様子を心配そうに見守りながら立っていました。
そうかそうか、と納得。ここでママが出ていったら、せっかく忘れてうまくいってるのにママを思い出しちゃって泣いたりするんだろうな、と。
エキストラベテランの中2のTくんによると、前の撮影の時は泣いて泣いて、全然進まなかったこともあるとか。
ねんねこをはずして赤ちゃんを背負いなおす仲間さん。その時遠くで見守るママに会釈してました。
『お預かりします。』って感じですかね。人の良さを感じました。
お兄ちゃんのほうは、同じ年ぐらいの孤児役の子とガンの飛ばし合いしてました(笑)。

この頃はもう2時過ぎてたので、雲も多くなってきて、何回も「太陽待ち」がありました。
でもじっとしてても仲間さんを眺めてられるので、楽しいです。
そうして、もうここで撮れなかったら、しばらく無理だろうという雲が現れてきて、その最後の瞬間にパーッと日が照り、そこで本番。
OKが出たときには、全員で拍手してました。
たったの1シーンでさえ、こうやって拍手したくなる感じ。これを何ヶ月も続けた後のクランクアップのときの出演者、スタッフの気持ちが少し推し量られます。
いいなー、やっぱり。木村さん風に言うと「ものづくり」。

このあと、お弁当があるので集合テントに戻ってください、という案内があって、お弁当を食べたら終わりなんだろうな、と思ってたら。
「午後からまた撮りまーす!」って。
え?午後ってもう3時なのに?そうか、お昼を食べるまでは午前中なのね、と勝手に納得。


★シーンその3:闇市をとまどいながら歩く仲間さん
最後のシーンは、AチームとBチームだけが参加したのかな。もう他の人たちは帰るようでした。
最初のシーンのときに書き忘れたけど、ひとつのチームを2つとか3つとかに分ける必要があるときは誕生月で分けてました。
3つに分けるときは、「1月から4月生まれの人!」って感じ。
3つ目のシーンは、1月から6月生まれの人はこっち、と闇市を手前から歩くほうに呼ばれ移動しました。仲間さんとすれ違う組です。
シーン2のときにカメラクレーンと地面に敷いたレールが既にとりはずしにかかっていたのですが、お弁当を食べてセットに戻ってくると、レールが闇市の道に移動してセッティングされていました。
駅に向かう闇市の右側の店の列を映すため、道の左端(左側の店の前)にレールが敷かれ、その上をカメラが移動します。
カメラの位置は、右側の店の中から道を通っていく仲間さんを見てるという位置。
立ち位置を決められ、友達ふたりはペアになって、左の店に寄るように進む、という指示。
私は右の店を見ながら駅のほうにまっすぐ進む。
右の店を見るといっても、そこにはカメラのレールがあるので、カメラに向かって店を見てるような感じになるんですね。おぉーアップ(笑)?!
他の人たちへの指示で、男の人2人が右に向いて立ったままうどんを食べる。つまり、何もそこには店がない(カメラレールをはさんでちょっと距離をおいた向こうには店があるんですけど)のに、さもそこが店であるようにのにそこでうどんを食べる役とか、の芝居もありました。
歩きだすタイミングは全て助監督さんが、背中を押してくれるんですが、私が歩き出すのはそのシーンの最後ギリギリぐらいだったので、タイミングがずれると歩きだす前にカットがかかったりして、参加できない可能性もありました。
テストしてみてから、カメラのレールをもっと道の中央に移動。つまりもっと狭い空間を同じ数の人間が動くことになったのでかなりの混雑。
で、本番になって仲間さんが赤ちゃんをおんぶして長男の手を引いて人混みの中をこちらに向かって歩いてくるんですが、あー、来たぁー至近距離ぃー!って感じ。
私が歩き出すと左斜め前から仲間さんが歩いてきて、普通お互い右によける角度だったにもかかわらず、突然影からスタッフに左腕をぐいって引っ張られて仲間さんとわざと当たるように歩け、という指示。
あぁーって思う間もなく長男を回避しながら仲間さんにかすってしまいました。そのすぐ横にカメラ。
そのシーンがOKでした。

同じシーンを別の角度から撮るためか、今度はさっき参加できなかった方から優先的に参加。
私らは後に移って、セットの甘味処の4人掛けのテーブルに座って、おしゃべりしてました。私たち3人と中学生のTくんとで。
それで、すべてのシーンが終わって、OKでーす!拍手ぅー!

今となっては記憶が薄れてきてしまったのですが、それで終わったんだと思います。

★終わって
テントに戻り、靴を履きかえ、持ち道具を返し、ヘアメークを落としてもらい、衣装を着替え、翌日も来る予定の人は、衣装に名前を書いた札をつけてそれを返します。
翌日も来る人の受付へ行ったところ、スタッフの方の言うことには、翌日はもうほとんど参加していただくシーンはない、というか、あるけども映らないような感じだと。
決まった役どころがあるセミプロの方たちが中心の撮影になるらしく、一般の人は朝早くから来ていただいて長い間待ってもらって・・・ということはとてもしのびない、と言います。
でもせっかくこれのために高知から来たんで・・・と言うと、一応そうですねと納得してくれ、連絡先を聞かれ帰ることにしました。
そのスタッフの方とはメールでやりとりしたので名前を覚えてくれてたのでびっくりしました。

そのあと、駅までの送迎バスを待つ列に並んでいたら、監督や助監督さんが余ったお弁当を運んできてくれて、列の一番前で「いりませんかー?」
監督自らそんなことまでしてくれるんです。
中学生のTくんは、喜び勇んでお弁当を取りに行ってました。朝のお弁当をもらえず、昼しか食べてないので、一日中「腹減ったー」って言ってましたから。
見てたら、ジャイさんと写真を撮ってる人たちがいて、あ、いいんだ!タレントさんじゃないもんね、と気付いて写真を撮ってもらいに行こうということに。
中学生のTくんに、荷物番と列の順番の番を頼み、慌ててジャイさんのところに3人で走っていきました。
シャッターを押してくれる人を探し、そばにいた背の高いスタッフの人に頼んだら。
「その人偉い人なんだよ。」とジャイさんに言われました。
えー?何?その方は、チーフ助監督さんで、今日ずっと「スタート!」「カット!」と叫んでた方なのでした。
そして、これです。

ジャイさんまでモザイクかける必要はなかろうとは思いますが。とりあえず。
左から、Cちゃん、ジャイさん、私、Mちゃん。

写真を撮ってもらったあと、ジャイさんに握手してもらいました。
でもあっちこっちから声がかかってて、ちゃんと話ができなかったのがすごく残念。「高知に来てください。」のひと言が言えなかったのが今でも悔やまれます。

町田に戻り、ホテルの部屋で休んでたら、スタッフから電話があって、現場でははっきり言えなかったことをいろいろ話してくれました。
明日も中居さんは来ないこと、規模は今日の3分の1以下なので、来てもらって長い時間待ってもらってちょっとだけ参加してもらうことはとても悪いと思ってること。
でも、ゆかりのある高知から来られているので、参加したい気持ちはよくわかること。
などなど。
スタッフのYさんのすまなそうな口ぶりに、困らせても悪いので、相談してあとからメールすることにし、結局17日はパスすることに決めました。
それからご飯に行き、もつ煮込み屋さんでビールを飲んで、ここちよい疲れを癒し、そのあと部屋でうだうだしてたら、スマステのオープニングの慎吾の顔を見た瞬間から意識がなくなってました。
やっぱり疲れたなー。

★翌日
起きたら9時をとっくに回っててびっくり。用意してチェックアウトしてカフェでうだうだしてたらもう昼近くになってしまい、結局、ツートップゆかりの中目黒を散策することにしました。
プライドで使われた「OMAMORI パスタ」に行ったんですが、最初名前を思い出せなくて、「おみくじパスタ」?「おまつりパスタ」?とか言いながら行ったら「おまもりパスタ」だったので
当たらずとも遠からず、と(笑)。
その店のある建物は取り壊しになるそうで、さよならキャンペーン中でした。なくなるなんて、寂しいなー、民家を改造したとってもいい雰囲気だったのに。

その中目黒で、ある人に遭遇したりもしましたが、それは内緒です。

そして、翌日の飛行機をキャンセルして新幹線で帰ってきました。
相当疲れてましたねー。やっぱり慣れないことするとかなり来ますわ。でも本当に楽しかったー!また参加できればいいのになー。できれば高知ロケで。

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