オレンジの海は夜だった
2000/12/17

ライブのアンコール前の最後の曲は「オレンジ」。白い新郎のような衣装に身を包んだ5人の歌声を聞き、画面に映る夕焼けの海を見ると、あの感動的な27時間半ゴミ拾いを思い出し涙する人も多いはず。(多いのか?!)
で、私は思った。「絶対あの海岸に行こう!」
そこは松山市梅津寺(ばいしんじ)海岸。松山市内から30分程度行った小さな海岸だが夕陽が綺麗な所としてちょっと有名(らしい)。かの「東京ラブストーリー」でカンチの母校を訪れたリカが海の近くの小さな駅のホームで、手すりにハンカチを結びつけたが、そこがこの海岸にある梅津寺駅である。カンチの母校となった総木造の久万中学校は既に取り壊されてしまったが、この駅は当時のまま。

今回一緒に行くのはオーラスに一緒に行ったchicagoちゃんと、吾郎イチ押しのキョウコちゃん(仮名)。(名前はいずれ本人に決めてもらいます。)
決行は12月17日(日)と決めたのだが前日から天気が下り坂。でも年末の忙しい時期で他に日が取れないのでとりあえず決行する。夕焼けがみられないのは残念だけど仕方ない。
当日はかなりの雨だったが、chicagoちゃんのマーチを私が運転して出発。車の中はSMAPのCDをがんがんかけて、しゃべりつづけてそれほど時間を感じずに松山市内に着いた。
トイレ休憩をしたあと、キョウコちゃんが持ってきてくれた懐かしの写真集をどっかで見ようとお茶するところを探し探し渋滞の道を進んでいると、
「ん?」ボンネットの左前方からなにやら白い煙のようなものが出ている。
「煙?湯気?水蒸気?」
ちょっと不安になって温度計を見てみると、こんなん見たことねー!ってぐらいの「H」に限りなく近い位置に針の先が・・・。
「やばいじゃんかー!」
急遽一番最初にあったスタンドに飛び込み見てもらう。中で待っててくださいと言われ、ちょっと待ってたけど、なかなか報告に来てくれないので、ふと覗いてみると・・・。
スタンドの兄ちゃんが、車の前を開けた中に上からホースの水をジャージャーかけていた!白い煙(湯気?)ももくもく上がっている。
「すっごい!漫画みたい!」
兄ちゃんは中に触ろうと手を伸ばすと「あちち!」という感じで手をサッと引っ込める。「うわー!笑える!」私たちはコトの大きさより、その光景に笑っていた。なんてのんきな・・・(笑)。

兄ちゃんの説明によると、ラジエーターの水を冷やすためのファンが接触不良かなんかで回っていなくて、普通に走っていれば前から風が来てそんなに温度が上がらずに走れるのだが、渋滞にはまってしまったため水の温度がどんどん上昇して蒸発して空っぽになってすっごいことになっていたらしい。このまま走り続けていたらちょっと怖いことになっていたかも。
スタンドでは冷やすことはできてもこれ以上の修理はできないと言うので、JAFに電話して近くの駐車場で待ち合わせをした。JAFはそこに来るのに40分かかりますと言うので、私たちは隣にあった喫茶店に入り、待つことにした。もうおなかぺこぺこだった上に、昔の写真集を見たくて見たくてお茶したくてたまらなかったから。
そこは大きなレストランと思いきや、地元の大きなお菓子屋さんが経営する喫茶店だったので、とりあえずケーキ類とサンドイッチでおなかを満たそうと結構たくさん注文した。
その店は閉店が5時だったが、そのとき4時20分だったので、JAFが来るまでちょうどだな、という感じだった。
写真集を見て、パソコンを開いてHP見たりしてたら、JAFが思いの外早く来て、ほとんど何も食べない状態でchicagoちゃんは車の所に行かねばならなかった。まあ一応持ち主だからchicaagoちゃんに任せて、と残りの二人はくつろいでいたら、あっという間に5時になって、chicagoちゃんもJAFの兄ちゃんを車に残して戻ってきて、いろいろ食べ物を口に詰め込む羽目になってしまった。
せっかくのおいしいケーキがどこに入ったかわかりゃしない・・・。

JAFの兄ちゃんの説明も同じようなものだけど、もっと具体的だったのは、「ファンが回らないのは接触不良なので、ちょっと叩いてみたら回り出しました。」おー、ナイス!
で、高知まで帰れるかのと質問に、「まあ、だましだましで・・・。」
わーい、こんなところで「だましだまし」を聞けるなんて、ステキー!とか喜んでいるノー天気な私たち。
ファンが回らなくなったらどこを叩いたら?と兄ちゃんに質問。「この辺をこづいたら。」という場所を教えてもらいました。そして、ボンネットは半開き状態にしてとか、エアコンはつけたほうが少しは風が入るとか、温度が上がってきたら止めて冷やして、とかいろいろ教えてもらって、だましだまし帰ろうということにしました。
で、書類を書いたり手続きして、いざ出発と思ったら、・・・・・・温度が上がっていた。
JAFの兄ちゃんはちょっとやばいと思ったのか、やっぱり日産に行って見てもらった方がいいと言うので、しかたなく日産に行きました。もうこの時点で日は暮れていたのであせる必要もなくなったし。

日産では同じ説明だったが、JAFと違うのは、だましだましと言わなかったこと(笑)。だって、メーカーだもん、自分とこの車でなんかあったら困るのでしょう。5,6人がズラーっとカウンターの向こうに並んで、「高知まで帰るのはおすすめしません。」ときっぱり。でも修理するのは明日になるんです、そんなのだめー。明日はみんなお仕事が。支店長らしき人がメカニック担当の人に「おい、大丈夫なのか?」と聞いて、メカニックの人は「はぁ・・・・」と煮え切らない返事を残してまた車の方へ行ってしまったり。
でも私たちは「だましだまし」を選択した。日産の方の「頑張ってください。」の声に送られて出発しました。日産の方々、ご心配かけてごめんなさい。

んで、それですんなり帰るのではなく、「ここまで来たらやっぱり行くぜ、梅津寺海岸。」というわけで私たちは行きました。そこから40分かかると言われてちょっとひいていたけども。

途中でコンビニに車を止めるなりボンネットを開けて中をのぞき込む女3人、ちょっと怪しい感じ。二人で店の中に入ってた頃、車のそばで待ってたキョウコちゃんは知らない兄ちゃんに「どうしたんですか」って聞かれていたのでした。
梅津寺パークという看板を見つけて、あ、ここだった!と引っ返そうとして車を止めたとき、前方から怪しい人影がタッタッタっと走ってきた。
「あれ、何?」変な感じ。ブルーのスカート?コスプレ?男?女?不気味!あんまり見ちゃダメと思ってやり過ごした。何だったんだろう・・・。

そして7時ごろ遂に着きました梅津寺海岸。剛と慎吾は海に向かって左から右へ移動して行き、最後に計量したけど、私たちが梅津寺パークまず降り立ったところはその計量した地点。
テレビでは後ろにあった白い柵にギャラリーがすずなりになっていたけど、そこは梅津寺駅のホームの柵だった。そして計量していた慎吾の背後にジェットコースターのレールみたいなものが見えていたけど、それはまさに遊園地のそれでした。
海岸は予想通り狭くてすぐに海だったけど、横幅は結構長くて遙か向こうに見える端っこからここらへんまで二人でゴミを拾い続けるのってたいへんだったろうなぁ。海には船(観光船みたいの)が走り、その向こうに今飛び立った飛行機が。いい感じぃー。
この砂浜を二人がせっせと掃除したんだぁー。
梅津寺の海CDラジカセを持ってオレンジをBGMに真っ暗な砂浜でたたずむ女3人。あやしい・・・(笑)
ゴミはだいぶ落ちている。ちゃんとゴミ袋持ってくればよかったと後悔した。chicagoちゃんがペットボトルを1本拾いゴミ箱を探して駅舎に持っていくと、ペットボトル用のゴミ箱がない!駅のおじさんに聞いたら「え?ぺっとぼとるぅ?」とすごくめんどくさそうに、外に出てきてここへ捨てろと教えてくれたのは、ゴミ箱とは違うところに無造作に置かれたゴミ袋。
なんだよぉーおじさーん!ここで天下のSMAPがゴミ拾いした海岸だよぉー!でも、関心ないんだろうなぁ、おじさんは。
梅津寺駅





移動して、海に突き出たT字の防波堤に行ってみる。空撮でははっきり地形が映っていたのでわかりやすかったが、行ってみると岸からの距離は思っていたより短かった。この上を沖から海岸に向かって前に剛、後ろにホウキを肩に担いだ慎吾が並んで歩いていたところだぁー。

しんつよ
ちょっと遊んでみました(笑)

 

砂浜にはちょっとこじゃれた海の家。ちょっと見、カフェバー風。で、冬のこんな夜にも「OPEN」の電光板。もちろんお客は誰一人おりません。冬でも昼間は私たちみたいな客が結構来るのだろうか・・・。でも夏は大にぎわいなんだろうな。
ボートまたオレンジを流し続け、しんつよがゴミ拾いした方向とは逆に歩いて、ゴミ拾いの最初の地点まで行く。背後の頭上の堤防のようなところにボートがずらーっと並んでいたところ。あった、あった!すぐそばにはリゾートマンション。テレビで見たときはごく普通のマンションかと思ってたら、素敵なリゾートマンションで、前に木製のデッキがあって、ビーチパラソルを立てるものと、テーブルとデッキチェアもあって、すぐ前がプライベートビーチのような作りになっていました。

こんなに市街から近くて、空港から近くて、ゴミ拾うのにちょうどくらいの広さで、夕陽がきれいな海岸をよく見つけたもんだなぁ。

車に戻ろうと道路に出てしばらく歩きつつ、さっき見たコスプレ風の人はなんだったんだろうねぇと話をしていると、
「来た!」
「え?」
振り向くとまさにその人が後ろから走ってくる。タッタッタッタッ!
固まる3人。その人の姿は・・・ジャージの上下を着てその上に青いゴミ袋でちょうちんブルマー風に作ったものをはいて、腰にはスーパーの白いビニール袋を3つ4つぶら下げていて、髪は白髪交じりの男。確かに男だけど、全く年齢不詳。
怖ぇーーーー!
その人は明らかにジョギングをしている。ジョギングなんだけども、なんでそんな格好を・・・。昔、ウッチャンナンチャンの特報王国で見た「ビニールおばさん」の類かもしれない。(わかんねぇって!)

もう9時に近くなったので、梅津寺海岸を後にして、帰途についた。さあ、これから「だましだまし」で帰らなきゃ。本当はせっかく松山に着たのだから道後温泉に入りたかったけど、もし帰る途中、夜中に山の中で車がちゃがまったら大変だから諦めた。
でもしっかり1時間くらいかけて晩ご飯はたっぷり食べたけどね(笑)。
車の温度計はなんとか半分くらいの位置をキープしてくれたので無事に帰りつきました。あーよかったぁー。

帰って「おやじぃ」の最後の「白い影」の予告を10回くらい繰り替えし見て、大喜びでした。

♪小さな肩に背負い込んだ僕らのゴミは、
ちょうど100キロ集まって、綺麗になった♪


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